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母親と言う恋人【14】

「……おい、クソ女神? ちょっと金になる仕事を教えろ……つか、いつまで俺はこの時代に居ないと行けないんだ? せめて、あと何日ここに居ないと行けないのか? それだけでも教えろよ?」


『……お、やっと声を掛けてくれたね! 良かった良かった!』 


 良くねーしっっっ!


「質問に答えろ……せめて、何日ここに居ないと行けないのか? それだけでもな?」


『うーん……仕方ないなぁ……じゃあ、特別に教えてあげるよ! 感謝しても良いからね?』


 誰が感謝するかよ!

 つか、むしろ俺に謝れ!


 俺は、無駄に高飛車な態度でほざく小人ウルズに、仄かな殺意すら抱きながらも耳を傾けた。


『最速で、明後日の夜かな?……一応、ここでイリが関係する全ての予定調和が完了するね? 用が済んだら、もう未来に帰って良いよ〜? お疲れさま〜!』


「用済みになったら未来に捨てる……と? せめて報酬ぐらい出したらどうだ?」


『報酬?……いや、だってイリ? これはあなたの為でもあるでしょう? もし、報酬があるとすれば……それは、あなたの未来が確立して、平穏に送れる事じゃない?』


「それは、報酬とは言わんだろ!……つか、だ? 俺の未来に関係したとしても、他の人間を救ったりとか、色々したじゃねーか! この状態で……用が済んだら『お疲れさま』の一言でおしまいか? お前は、マジで鬼畜だろ? 女神じゃなくて単なる悪魔じゃねーかよ!」


『失礼な事を言うなぁ……んもぅ〜。それじゃ、仕方ない! 確かに、今回のイリは頑張ってくれたし……そうだなぁ? 取り敢えず、私なりのプレゼントを用意しておいて上げる。それで良い?』


「……お前なりのプレゼント?」


『そう! こんな事、私だけしか出来ないからね? 気に入ってくれると嬉しいかな?』


「……気に入るも何も、どんな物なのか分かってないんだが?」


『ふふっ! それは後のお楽しみ! プレゼントってさ? 箱を開けるまでが一番楽しいじゃない? だから、今の所は、ワクワクして待ってなさいよ?』


 小人ウルズは、陽気な口調で俺へとほざいていた。


 ……もう、嫌な予感しかしなかったね!

 コイツの事だから、絶対にロクな物を用意してないと思うんだが?


 ……まぁ、良いさ。


「取り敢えず、全く期待しないで待つ事にするさ……それより、ウルズ? ここに居るのは……正味あと二日だよな?」


 俺は極めて真剣な顔になって言った。


 最速で、明後日の夜……と言う事は、限りなく二日いると言う事だ。


 そうなれば、ヨーコさんから貰った小遣い程度の金では、どうにもこうにも……生活出来ない。


 宿代は当然として……飯代も無理だ。


 つか、思えば……さっきお茶代を支払ったのは俺だ!

 結果的に、キリはおろか、マグネの代金まで支払う羽目になったぞ!


 元々、ゼロに等しい所持金が……うん、やばい。


「今の俺の全財産を聞いて驚け。なんと893マールだ! 見事にヤクザな額だ!」 


 俺は額に怒りマークを付けた状態のまま、ひたすら小人ウルズに怒鳴った。


 893マール。


 これで、二日暮らせ……と?


 寝泊まりをする場所もないのに?

 マジでやってられるかぁぁぁっっ!


『なるほど、なるほど? じゃ、そうだね? 普通に仕事を斡旋してあげる。賞金稼ぎ組合を、さ?』


 ………なぬ?


「なんで、お前が、賞金稼ぎ組合を紹介出来るツテを持ってるんだよ?」


 つか、お前の姿を、賞金稼ぎ組合の人間が見える物なのか?


 ふと、素朴な疑問が俺の思考に生まれていた頃、


『まぁ、これはさぁ? 後で分かる事かも知れないんだけどさ? 実は私の姿が見える人って、マァサやイリだけではなかったりするんだよね?』


 ちょっと意外な台詞を言う小人ウルズがいた。


「そうなのか?」


 半信半疑ながらも、問いかける。


 確かに、小人ウルズを見る事が出来るのには条件がいる。

 ただ、条件があると言うだけであって、俺とマァサさん以外は見えない……とは言ってない。


 そうなれば……小人ウルズを見る事が出来る人間が、別に存在していたとしても、全くおかしな話しではなかった。


 果たして、小人ウルズは言う。


『……ま、ここも予定調和でもあるんだけどね?』


「ここもかよ……」


 俺はげんなりした。


 もし、これもまた予定調和とやらであったとするのなら……俺が、この場でオーナガ武器店の面々と別れを選ぶと言う結末さえも、小人ウルズにとっては『予定通り』と言う事になってしまう。


 ……本当、マジで性格悪くねーか?


 コイツ……こうなる事を知ってて、わざとやらせてるんだぞ?


「マジで勘弁してくれないか?」


『そう言わない! 現状のイリはね? びっくりするぐらいパーフェクトに予定を熟しているんだ! これは奇跡だと思う……いや、やっぱりイリは凄いと称賛すべきかな? 他の人間では天地がひっくり返っても無理な事だし……うん、やっぱり凄い!』 


 小人ウルズは両手もろてを上げて、俺の事を褒めちぎっていた。


 おだてた所で、俺の機嫌は治らんぞ?


 ……悪い気はしないが。

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