第85話「美女とレストラン。」
「、、あぁ。ここだ。ゴールド君。ここだよ。」
ベーヘルに案内されたのはかなり高級そうなレストランだ。
「素敵なレストランですね。楽しみです。」
出来る限りの笑みをみせるがベーヘルは軽く笑う。目は笑っていない。
「予約したベーヘルです。」「お待ちしておりました。ベーヘル様。お席にどうぞ。」
「では、行こうか。」「ですね。」
他の客からは姉と弟にみえる事だろう。冒険者と言ってもベーヘルは整った恰好をしていた。
俺は、、、微妙だな、だが不思議と絡まれなかった。
その理由はベーヘルが公爵の専属の冒険者であることが知れ渡っていたためだ。
緊張で俺は気付くことは無かったが。そうして個室に通された。
「では、座ってくれ。君とは色々話したい事があるのだから。」
まずはジャブか、、、どうしたものか。
「料理もすぐには来ませんし質問して下さい。」
別にやましい事はしてないし。、、、してないよね?
「君の狙いはなんだ?専属護衛を断ったのには驚いた。もしかして史官するのが目的なのか?なら私としては協力を惜しまないが?」
あらあら。完全に誤解されているね。だが否定するとなぁ、、こじれるの。
「ここに来たのは偶然ですね。故郷から旅にでていて立ち寄っただけです。」
まさか女神の思召しとか言える雰囲気では無いので素直に本音だ。
やはり予想した通りでベーヘルは表情を曇らせる。
「そうか、、、やはりな。君の狙いはお嬢様だろう?シュバルツ公爵家の財産が狙いか?」
それイエスって答えたらアウトやんけー!!すぐにアイテムポーチから王金貨17枚をとりだす。
ベーヘルはなっ!!という声をあげ黙りこくっている。
「ならシュバルツ家そのものか?残念だが後継者は長男だ。君がお嬢様と結婚してもそれは揺るがない。」
自信満々だ。いやさ、だから違うって、、。
「そうなんですか?なら疑いが晴れたのでは?僕はそれで十分なんですがね。」
「、、、本気で言っているのか?専属護衛も史官もお嬢様も目的ではないと?」
無言めで頷く。 コンコン。ドアを叩く音。料理だ。
「お待たせ致しました。こちら料理でございます。」
「ありがとう。下がってくれ。」
何かを察したのだろう。すぐにウエイトレスは下がる。
「君が何も目的でないと、、、あくまでもそう言うつもりなら私は君を信用出来ないな。君の事は常に監視しているからそのつもりで。」
誤解は解けず信頼は得られない。異世界での完全敗北を料理と共に味わうゴールドであった。




