第105話「死と隣合わせの潜入。」
俺は今一人で森の中をサイレスを使い、慎重に歩いている。
目的は偵察だ。
第三王女派の戦力を借りるのが目的なのだがその為には偵察が必要になる。
オークキングを発見した事実が無ければ援軍を要請出来ないのだ。
そこで第三王女派に所属しているシュバルツ公爵家に雇われている俺の出番という訳だ。
「はぁ、、、なんでこうなった、、、」
サイレスでの偵察だが一度見つかってしまえば意味を成さない、効果があるのは逃げる時ぐらいか?
「ブモォ」「ブモォォ?」
目の前にオークだ。音は出さなくとも気配や匂い、茂みの揺れなどで見つかりかねない。
オークとは直ぐに距離を取る、安全第一だ。
(それにしてきりがないな、、、)
このまま進んでも手掛かりが全く無いので正直先に見つかってしまいかねない。
何かないか?と慎重に茂みを進む。
「止めて!離してよ!!」
軽装備の女性がお持ち帰りをされている。冒険者かな?
薄い。ただそんな感想しかでてこない。だがオークを相手取るリスクを負っても構わない程の情報源がそこにある。
「切り裂け風よ連風よ。吹き荒べ!!エリアウィンド!!」
瞬く間に二匹のオークを風が引き裂く。女は乱暴に地面に叩きつけられる。
「いたっ!」「静かに、、、静寂を。サイレス。」
黙らせるのは時間が掛かる。取り敢えずサイレスだ。
「き、君が助けてくれたの?わ、、私はタノシール。Dランク冒険者なんだけど、、、」
「僕はBランク冒険者ゴールドです。公爵家に雇われています。この奥にオークキングがいるかも知れません。何かご存じ無いですか?」
聞くことを聞かないとな。兎に角質問だ。
「この奥にオークの集落があったわ、、、帝都の近くの森だから完全に油断したわ、、、あれはオークエンペラーよ!!オークも三百匹はいたと思うんだけど、、、」
オークってかキングよりも上の初あったのかよ、、、
「本当なんですか?僕は上に報告しなければいけない立場なので曖昧では困るんですよ、、、」
「、、、本当よ。でも公爵家に報告するんでしょ?Dランク冒険者じゃ説得力が無いわよ?」
確かにな。だがこの問題に対する解決策はもう出してある。
「これを見て下さい。マジックアイテムなのですが、、、」
パシャ!写真を撮る。そうスマホだ、コイツでオークエンペラーを写真に撮ればいい。
「すっ凄い!こんなマジックアイテム見たこと無い!!」
「王金貨数枚位はしますよ?下手に情報を漏らしても命の保障はしません。オークエンペラーの元に案内して下さい。」
「、、、死ぬわよ?貴方も私もね。」
「命令なのでやらなければならないのが辛いところですね、、但し僕は貴女が断っても先に進む必要があります。貴女はBランク冒険者である僕の護衛付きで行動するか一人で帰るか、、、選んで下さい。」
タノシールは悲痛な表情を浮かべる。まだ彼女は被害に遭った訳ではない。このままBランク冒険者の護衛付きで帰れる、、、そんな風に考えていたのだ。
「一緒に行きます、、、一人で帰ってもオークに一回遭遇するだけで終わりですしね。時間を掛ければサイレスも解けます、、、」
こうして偵察は新しいメンバーを加えて続く、、、




