30.
カトリーン様の茶会の翌日、わたくしにいくつかの茶会のお誘いのお手紙が届きました。
ツェルナー伯爵夫人からのもの、他の方々も、そして、リヒタイン侯爵からも……。
「パメーラさん。仕事していませんわね」
心の声が漏れてしまいました。
「どうされますか?」
クラリスが声を掛けてきます。
「ツェルナー伯爵夫人の茶会には出ます。他の方は……予定が被らないもので2つほど受けようと思います。クラリスに任せますわ」
「かしこまりました。……リヒタイン侯爵夫人の茶会は、どうしますか?」
「……そうね、封蝋を割ってしまっているけど、こちらを別の封筒に入れてお返ししましょう。カードを書くから、それも一緒にいれて送ってちょうだい」
「……よろしいのですか?」
「よくはありません。普通ならね。ですが、あの方も普通ではありませんでしょう?だからいいのです。カトリーン様にも手紙を書きますわ」
「かしこまりました」
クラリスの顔には不安な感情はありません。
どこか、侮蔑の感情がうっすら乗っている笑みですわ。
わたくしは、パメーラさんへのメッセージカードとカトリーン様への手紙を書いてクラリスに託しました。
“カトリーン王妃様
パメーラさんから茶会の招待状が届きましたが、封蝋を割ってしまった招待状をそのままお返しいたしました。メッセージカードを添えて。
カトリーン様の新しい側付き侍女を早く決めなければなりませんね。
わたくし、ヴェラ・ツェルナー伯爵夫人がよいと思っております。きっと多くの問題が解決できるはずです。
明日、大司祭様へご挨拶に伺う予定にしております。
エリザベート“
手紙はその日の午後には両名に届きました。
カトリーン様からは、明日の大司祭様へのご挨拶にご一緒くださるとのことです。
とても心強いですわ。
パメーラさんからは……、手紙が届いたようですが、ダーニエルが受付拒否を言い渡してくれたようで、わたくしの手元にはございません。
ダーニエル、いい仕事をしております。
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「ちょっと!なんで私が送った招待状が返ってきてるのよ!それに、何よこれ!!」
私が送った招待状が、封蝋が割られて“読みました”と言わんばかりの状態で返ってくるなんて!
しかも、メッセージカードがまた腹が立つわ!
“パメーラさん
お茶会の招待状、拝読いたしました。
王妃様の側付き侍女でしたら、そのような時間はないはずです。
あ、もう辞退されたのですね。
それは失礼いたしました。
ですが、パメーラさんの茶会には興味ございませんので今後も必要ございません。
エリザベート“
クソ!クソ!クソ!
エリザベートを呼んで恥をかかせて、少し毒を飲ませようと思ったのに!
次の手を考えなくちゃ!
最近、オリヴァーからお誘いが減って暇だし。
彼の側に他の女がうろついているし!
カトリーンは毒を飲ませているのに倒れないし!
いいことが、全くない。
なんとかしなくては、私の威厳が崩れてしまうわ――。




