嵐のち嵐
「誠一、襟が曲がってるよー
これで良し。」
「ありがとう、茜。
僕は全然気づいてなかったよ。」
「どういたしましてー」
ギュッと無意識に茜を抱き寄せる
「誠一、ここまだ道だぞー
全くこれだからバカップルは…」
「ごめん茜、周りが見えてなかったよ」
「私も同じことだし、かなり嬉しかったからさー」
最近あんま構ってくれなかったし(誰にも聞こえ無い声でボソッと呟いた)
「なんか言った?」
「別になんも言ってないし」ぷくぅーという擬音が聞こえそうなほどにほっぺを膨らませている
あれ?僕なんか茜を怒らせることしたっけ?
「怒ってる?」
「別に怒ってなんかないし」
やっぱ絶対怒ってるよ
でも怒ってる茜をも可愛い……いかんいかん、そんなこと考える前に茜の機嫌を治さなくちゃ
「茜、手を貸してくれ」
「なんでよ」
「良いから」
ギュッと差し出された手を掴んでそのままにキスをする。
「僕の事嫌いかな?」
「ええ、嫌いよ
無駄に優しい所が嫌い後何故かモテる所も嫌いちゃんと気遣ってくれる所が嫌い周りの目に気づかないとこが嫌い」
「……そっか。
じゃぁ別れ」
「でも、そんな誠一がどうしようもなく好きなの。
そんな簡単に嫌いになれるわけないじゃない。
別れるなんて言わないでよ
お願い。私を…私を1人にしないで。
誠一の優しさに触れられた後に一人になったら私…
「ああ。一人になんてしないさ。」
「しばらく抱きついてて良いかな?」
「ああ。落ち着くまで僕の胸なら貸すよ。
とりあえず近くの公園のベンチにでも座るか。」
「うん。」
「落ち着いた?」
「うん。もう少しこのままでも良いかな?」
「ああ。いいぞ」
そういえば私たち学校は?」
「サボろう。
風邪引いたって嘘ついてさ、家で二人っきりだ」
「うん。そうしよっか。
家に戻ろう」




