決闘
ミレイの宿に戻ったソウタ達は、宿の広間で休んでいた。ミレイは、飲み物の入った6つのグラスをトレイに置き運んでくる。
「へぇ、そんなことがあったんだ」
今日起こった出来事をユーティリアから聞いたミレイはグラスを1つ手に取り口に運ぶ。すぐに飲みほしたグラスをテーブルに置く。
「じゃあ、俺はもう今日寝るよ」
ソウタは立ち上がり自室に向かう。まだ、ソウタ達以外には客がおらず1人1部屋使えるという贅沢な待遇である。
「じゃあ私達も寝ましょうか」
誰もユーティリアに反論する者はいなく、全員部屋に向かった。
「来てくれたか」
王宮に着いたソウタ達を、昨日の男が待っていた。その後ろには2人の兵士がいる。イルは、ソウタの戦いを見たいと言っていたがギルドの仕事に行かなければいけないと言って悲しそうにギルドに向かった。
「では、案内するからついてきたまえ」
男は兵士と共に王宮の中に入っていく。ソウタ達もそれを追う。
「王宮の奥には、決闘などをするようのコロシアムがある。王宮を回って行くよりも中を突っ切った方が早い。決闘はそこでを行う」
やがて、少し歩くと王宮の出口が見えてきた。その奥には巨大な建造物が見えた。
「ここだ」
そう言って男は歩みを止める。
「では、私は中で待っている。準備が出来たら」
「いえ、準備ならもう大丈夫です。行きましょう」
男は少し驚き目を見開いた。
「そうか。そこの君達は観客席で見ているといい。その階段を上がればすぐつくはずだ」
男は近くの階段を指さした。
「ありがとうございます。じゃあソウタまた後で」
「ソウタ、じゃあね~」
「ソウタさん、健闘を祈ってます」
3人は階段を上がっていった。
「君はこっちへ」
コロシアムの入り口へと男とソウタは向かう。コロシアムの会場に出たソウタは、周りの光景に驚いた。観客席には、たくさんの民衆がいた。
「すまない、見せ物のようになってしまい。私が決闘をすると聞いて駆けつけた者が大勢いてな」
「普段は決闘はしないんですか ?」
「あぁ、なんせ騎士団長だからな。むやみやたらに決闘なんかをしている場合ではないんだよ。だが、君は別だ。南の魔王の噂を聞いた時から君とは一度闘ってみたいと思っていたんだよ」
その時、1人の兵士が男の鎧と剣、盾を運んできた。すぐに男はそれらを身に付ける。
「では、名を名乗ろう。私は、レオ・ティナカルト。王都第4騎士団長にして職業は聖騎士」
そう言うと、レオは剣を鞘から抜き天に突き立てる。
「じゃあ俺も知ってると思いますが、一応名乗ります。ソウタ・ミクニ、職業は創造者」
「決闘の始まりは、あの鐘で行う」
レオは、コロシアムの観客席の上にある鐘を指した。
「では、お互いに少し距離を取ろう。あまり近すぎると良くないからな」
ソウタとレオは、20mほど距離を取った。
「ずっと気になっていたんだが、君は武器は要らないのか ?」
何も装備していないソウタを見て、レオはそう尋ねた。
「ええ、大丈夫です。お気遣いどうもありがとうございます」
「それなら良いんだ。武器を持たない者を一方的に攻撃しても気分を害されるだけだ」
「さすがにそれは武器を持ってない側でも、嫌ですけどね」
「それもそうか」
その瞬間、1人の兵士により鐘が鳴らされた。
「それでは、始めよう。覚悟はいいかね ?」
「もちろんですよ」
レオは、盾を構えながらソウタに突撃していった。




