ルイス・フロイスとの出会い
「この度は、お初にお目にかかります。私はイエズス会に所属しております、宣教師のルイス・フロイスと申します」
「アンタがルイス・フロイスなのね。それにしても濃い顔してるわね。一瞬ダビデ像かと思っちゃったわ。ところでダビデ像ってさ、画像検索してもらうと分かるけど、彼のおちんちんってしっかりと皮を被っているわよね。外人にも包茎っているんだなーって妙に感心しちゃったわ。ひょっとして、フロイス君も包茎だったりするの?」
「ちょっと、殿。初対面の相手になんて質問してるんですか。失礼でしょ」
「いやー、もしかしてフロイス君って包茎で女にモテなくて、仕方なく宣教師になったのかなーって思っただけよ。恒興もそう思わない?」
「思いませんよ。そんなわけ無いでしょ」
「えー、そうなの? だって健全な男子が好き好んで自由にセックスもできない宣教師になんてなるわけ無いじゃないの。絶対、精神か肉体にコンプレックスを持ってるに決まってんのよ。ブスがフェミニストになるのと同じだわ」
「全然違いますけどね」
「ところでフロイス君、イエズス会って何だっけ? どこかで聞いた記憶があるんだけど……。ていうかアタシ、イエズス会って聞くと、思わずビフィズス菌を思い出しちゃうのよね」
「なんでだよ。ズスしか合ってねーじゃねーか」
「何か言った? 恒興」
「いえ、何も」
「では私からイエズス会についてお答えいたします。簡単に申しますと、イエズス会とは、世界中にキリスト教を広めることを目的とした修道会に御座ります。日本には、私より先にフランシスコ・ザビエルという宣教師が来ていますが、彼も私と同じイエズス会の者です」
「ふーん、そうなのね。じゃあフロイス君はザビエル君の後輩にあたるってわけね」
「はい、直接の面識はありませんが」
「なるほど、よく分かったわ。それにしても、フロイスって名前は気が利いてるわね。日本語に置き換えると『風呂椅子』でしょ? 思わずソープランドに置いてある金色のスケベ椅子を思い出しちゃったわよ。あれでソープ嬢に『くぐり洗い』とかされると、チョー気持ちいいのよね。もちろん『潜望鏡』も捨てがたいんだけど」
「いったい何の話をしてるんですかね、このバカ殿は。どうしてフロイスが『風呂椅子』になるんですか。どんだけ風俗好きなんだよ。『くぐり洗い』とか『潜望鏡』とか言ってる場合ですか」
「ん? 恒興、何か言った?」
「いえ、別に」
「ところで『風呂椅子』くん、その首からぶら下げている突起物は何なの? 性具? それを使って女の娘のあっちの穴やこっちの穴をイジくり回してるんじゃないでしょうね」
「いえ、これは十字架に御座ります。性具など、とんでもございません。我々キリスト教徒にとってはとても神聖なものでして、これを額に押し当てながら日夜祈りを捧げるのでござります」
「ふーん、それを額に押し当てながら日夜祈りを捧げてるんだー」
「何かお疑いですか?」
「そんなこと言って、本当はこっそり裏側にスイッチがあって、それを押すとブルブルと振動し始めるんじゃないでしょうね。一種のピンクローター的な? で、それを女の娘のアソコに押し当てて……」
「だからそれは性具じゃないって言ってんだろ、このオカマ野郎。ピンクローターと十字架を一緒にするとか、どんだけアホなんですか」
「ん? 何か言った? 恒興」
「はい、それは性具じゃないと言いました」
「他に何か言ってなかった?」
「いえ、特に何も」
「あ、そう。ならいいんだけど。ところで風呂桶くん、今日はいったい何の用で来たの?」
「フロイスに御座ります。本日は、ここ日本でキリスト教を広めるため布教の許可を頂きたく参上致しました」
「そ、いいわよ。許可するわ」
「殿。よろしいんですか、そんなに簡単に許可してしまって」
「心配ないわ、恒興。キリスト教は仏教とは違うんでしょ?」
「そりゃ違いますけど」
「なら問題ないわ。アタシ、一揆さえ起こさなければどんな宗教でも許可しちゃうわ。たとえ、ずんずん教でもね」
「そういえば、『ずんずん教の野望』なんてゲームがありましたね」
「あら、よく知ってるわね。今どきそんなゲームがあったことなんて誰も知らないわよ」
「まぁリアルタイムで知らなくても、YouTubeで『ずんずん教の野望』って検索すればゲーム動画が出てきますからね」
「そうよね。便利な世の中になったものだわ……。って、今そんな事はどうだっていいのよ」
「アンタが言い出したんだろ」
「じゃ、そういうわけだから、キリスト教の布教を許可するわね、風呂釜くん」
「フロイスに御座ります。許可を頂き、誠にありがとうございます。このフロイス、精一杯頑張って、日本全国にキリスト教の教えを広げていきたいと思います」
「あら、でもそんなに頑張って広げちゃダメよ? ガバガバになっちゃうから。優しく、『くぱぁ』って広げてちょうだいね。あと、いきなり広げちゃダメだからね。最初はそっと撫でるように……」
「殿! 『ガバガバになっちゃう』とか『くぱぁ』とか言うの、止めてもらえませんかね。あと何ですか、『最初はそっと撫でるように……』ってのは。キリスト教の布教と全然関係ないじゃないですか」
「なんでよ。アタシは風呂好きの『風呂椅子』くんに、男としての心構えを伝授してるだけなんだからねっ」
「何が『男としての心構え』だ。このオカマ野郎!」
「ん? 何か言った? 恒興」
「あ……え……、と、とにかくキリスト教の布教が許されて良かったですな、フロイス殿」
「なんか上手いことゴマかしたわね、恒興。まぁいいわ。じゃ、せいぜい頑張ってキリスト教を広めてちょうだいね、風呂敷くん」
「フロイスに御座ります……」




