表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/46

パール、アイザックの元へ

「では、今後の予定や正式な婚約手続きは、また後日。アイザック殿下、遅くなってしまったので、夕食を一緒にいかがですか?」

「ありがとうございます。ぜひ。」

「はぁ…。ザックと兄弟か。」

「リオンよろしく。リック兄上も。」

「まだ、兄ではありません。」

「すぐになるよ?」

「…まだ先です。」

「ふふふっ。」


私は、その3人のやり取りで、笑ってしまった。


「今日は、何だろうな?」

「リーナ、知ってる?」

「いいえ。ルーフ分かる?」

「もちろん。クンクン…この匂いは油淋鶏だな。」

「ゆーりんちー?」


アイザック様は、どんな料理か分からないようだ。


まぁ、そうだろう。この世界になくて、私が以前リクエストして作ってもらったのだから。


「はい。美味しいですよ。」

「それは楽しみ。」


食堂へ移動し着席すると、料理が運ばれてくる。


「これは何?」

「お米です。」

「え?これが?」


小さい頃のピクニックの日から、我が家の食卓にはお米が度々並ぶようになっていた。


「油淋鶏と合いますよ。」

「そうそう。一度食べるとやめられないよ。」

「殿下もどうぞお召し上がりください。」

「で、では…パク。……………うまっ。」


その後は、時折目を丸くしながら、無言で食べ進める。

お父様達も食べ進め、4人のお皿は、あっという間に空になった。


「こんなに美味しい物があったんだな…。」


アイザック様は、ボソッと呟いた。


「これらも、リーナのリクエストから生まれました。」

「サリーナ、貴方は本当に…。」


アイザック様の言葉はそこで止まった。

その先が気になるけど?


「婚約の印は何がいい?」

「?」

「婚約をしたら、お互いに何か送り合う習わしなんだよ。」


私が首を傾げていると、お父様が教えてくれた。


「えーと、一般的には何を送るのですか?」

「その家によって様々だな。金の時もあれば、宝飾品の時もある。」


結納金みたいなものか…。

こういうのって、なんか意味があったりするよね?


「それって、財力を示す物とかなんとか、意味がありますか?」

「まあ、ある意味そうだな。その家の価値観も出るからな。」

「手頃な物では、いけないということですか?」

「いけなくはないが…。」


お父様は言葉を濁した。

まぁ、あまりに手頃では、面目立たない所もあるのだろう。


「サリーナは、欲しいものがあるの?」

「特にないのです…。」

「前世には、そのような習わしは無かったのかな?」

「お金…結納金という物や、婚約指輪と、結婚指輪というものがありましたね。」

「婚約指輪?結婚指輪?違いは?」

「その名の通りですが、婚約の約束をする時に送るものと、結婚式にペアでつけるものですね。」

「ペアで…?」

「はい。結婚指輪は、生活の邪魔にならないシンプルなものが多いです。」

「それは、常につけるということ?」

「そうです。左手の薬指に常につけている方が多かったですね。心臓につながる指だと言われていました。」

「採用!僕はサリーナへ指輪を送るよ。まずは婚約指輪だよね?結婚指輪がシンプルなら、婚約指輪は少し華やかでも良いのかな?」

「はい。」

「どんな石がいい?」

「えーと、お任せいたします。」

「分かった。」

「アイザック様は何がよろしいですか?」

「僕は、周りの牽制にもなるから、スウィンティー家を表す何かが良いかな。」

「我が家を表すものですか?」


私が首を捻ると、兄様達がアイディアを出してくれる。


「家紋を入れた何かとか?」

「リーナの目の色の何か。」

「まぁ、無難だな。」

「あら、もっと分かりやすいのがあるわよ。」


パールがにこにこしながら、会話に入ってきた。


「「「何?」」」


サリーナ、パトリック、ダリオンは声を揃えて、パールに問いかけた。


「わ·た·し·た·ち!」

「「「え?」」」


「パール!貴方達は物じゃないのよ!?」

「でも、一番分かりやすいわよ。リーナの力の一部を渡す事になるのだもの。」

「そんなの…。」

「リーナとの繋がりは消えないから、大丈夫よ。」

「そうじゃなくて、貴方達と離れるなんて…。」

「全員行く必要はないだろうし、毎日会えばいいじゃない。ね、王子様。」

「あ、ああ。もしそうなった時はいつでも会えるように取り計らう。」

「でも、学校が…。」

「送り迎えで、会えるんじゃない?」

「ルーフとアルはどう思う?」

「問題ない。俺は、行かないし。」

「僕は行っても、いつでも飛んでこれるし良いよ~。」

「はぁ…。お父様、どう思いますか?」

「確かに一番分かりやすいな。契約獣の約束にも反しない。」

「分かりました。…アイザック様、私の大切な友達をよろしくお願いいたします。」

「ああ。大切に預かるよ。」

「預かる?」

「結婚したら、一緒に住むんだし、それまで預かるという事で。」

「は、はい。」


結婚…一緒に住む…。

そ、そうよね…。


「…あ、それなら、別に婚約の印を送った方がいいですよね?何にしよう。」

「リーナ。今日は、もう遅い。ゆっくり考えなさい。アイザック殿下も、城へは連絡いたしますので、今日はお泊まりください。」

「え?あ、…いや、帰るよ。」


赤い顔をしたアイザック様が席を立った。


「私も行くわ。」


パールが、アイザック様へ近づく。


「パール?」

「さっき話してたやつよ。私が行く。リーナ、王子…じゃなくて、アイザック君は私が見ておくわね。」

「アイザック君って…。それに見ておくって、何を?」

「他の女に現を抜かさないように…と、リーナのタイプに近づく様に…。」

「パール!?」

「リーナ、任せてね。」


パールは、ウインクをした。


はぁ…。全く、パールは…。


「アイザック様。…パールは少し気分屋ですが、嘘のない素直な良い子です。食事は一日一食で、何でも食べます。あとは、」

「リーナ、自分で説明できるわ…。」

「あ、そうか。そうよね。…パール、貴方が話せることは、」

「分かってるわ。内緒よね。」

「うん。アイザック様、よろしくお願いいたします。」

「ああ。…サリーナ、あの…えーと……僕の事はザックと呼んで欲しい…。」

「あ…、ざ、ザック様。…では、私の事はリーナと。」

「リ、リーナ。また明日。」

「は、はい…。」


そして、ザック様はパールを連れて、王城へ帰って行った。


夜…

私は、いつもはソファで寝るルーフを、抱きまくらにしていた。


「重いんだが…。」

「少しだけ。」


アルも近くにいてくれる。


「僕も撫でて~。」

「お安い御用よ。」


私は、アルをゆっくり撫でた。


「ルーフ、アル、おやすみ。」

「「おやすみ。」」


“パール、おやすみ。”

“おやすみ。”


!?


「返ってきた!」

「そりゃあ、な。」

「うん。繋がりは、そのままだしね。」


“だから、言ったじゃない。いつでも話せるし、何も変わらないわよ。”

“撫でられない…。”

“…明日、頼むわ。”

“任せて!”

“アイザック君が、朝でも帰りでも時間を作ってくれるそうよ。”

“都合の良い方でお願いします、と伝えて。”

“では両方、ですって。ねぇ…、小型手紙魔法陣だっけ?あれ、もう1つ作って。”

“お父様に確認しておくわ。”

“分かった。じゃ、おやすみ。”

“おやすみ、パール。”



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ