47 母と姉の後悔④
ノーリーのいる場所を王城の敷地内にしていましたが、実際は鉱山近くの労働所でした。
9月23日の晩に、文章を変更しております。
ミスをしてしまい、申し訳ございませんでした。
これからも楽しんでいただけますよう頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。
室内にはティファリーとノーリーが向かい合って座れるスペースはない。そのため、ノーリーはベッドの上に、ティファリーは、ノーリーの前に立って話をすることになった。
ケインは書き物机の椅子に腰掛けているが、少し窮屈そうに見える。
ちなみにケインはティファリーを座らせ、自分が立ったまま話を聞こうとしたが、さすがにティファリーが断った。
(王子殿下を立たせて、自分は座るなんてありえませんからね)
「やっぱり、俺はいないほうが良さそうだ」
ケインはケインでティファリーを立たせておくわけにはいかず、眉尻を下げて立ち上がった。
もっと広い部屋で話すと思い込んでいたため、彼は付いてきていた。しかし、ノーリーの部屋は思っていた以上に狭かったのだ。
「お待ちください、ケイン殿下! せっかく来てくださったのです。ゆっくりしていってくださいませ」
出ていこうとしたケインをノーリーが慌てて引き止める。ティファリーもケインに訴えかける。
「せっかくここまで来てくださったのです。くだらない時間になるかもしれませんが、暇つぶしと思って話を聞いてくださいませ」
「……わかった。俺は立っていたほうが話を聞きやすいから、窓際にいてもいいか」
「もちろんです」
ティファリーの代わりにノーリーが頷く。
「ありがとう。では、ティファリー、君はこの椅子に座ってくれ」
「承知いたしました。お気遣いいただき、ありがとうございます」
ケインが椅子を引いてくれたので、恐縮しながらも、ティファリーは書き物机の椅子に座った。
ケインが窓際に移動したところで、ノーリーが口を開く。
「ティファリー、あなたに会えて本当に嬉しいわ。元気そうで良かった」
「ノーリーお姉様もお元気そうで良かったです」
「私は元気じゃないわ。だって、ここの仕事は大変なんだもの! あなたがここの人に私を虐げるように指示をしているんでしょう?」
ノーリーにとって、今の環境は鳩舎で働いていた時よりも辛いものだった。労働内容もそうだが、特に人間関係が厳しかった。
ノーリーが世話をすることになった鉱山の労働者たちは、気性の荒い人物が多かった。
少しミスをすれば怒鳴られ、暴力を振るわれそうになったこともあった。
今までやってきたことや、ここでのミスについて反省の色が見えていれば、環境は改善されるはずだった。しかし、ノーリーは自分のミスを認めなかった。
自分の態度で辛い環境に置かれているのだが、そうとは思わず、全てティファリーのせいだと思うことにしていた。
そのことはティファリーも予想していた。
「私がそんなことをするわけがないでしょう。忙しくて、ノーリーお姉様のことはすっかり忘れていましたもの」
ティファリーが満面の笑みを浮かべて答えると、ノーリーは表情を引きつらせる。
「わ、忘れていたですって?」
「ええ。お祖母様が突然訪ねてきて、あなたの話をしてきたので思い出しました」
「そ、そんな……っ、ま、まあいいわ。それよりも、もういいでしょう? 私は十分に罰を受けたわ。家に帰らせてちょうだい!」
ノーリーは涙目になって、ティファリーに懇願した。




