5人目の「傍観者」
雨天小春、轟雷乙女、周柊、嗄快晴それぞれ同時期に万能薬について偶然任務や仕事や思い返したり、考えてみたりしただけで勿論世界は広いのでそれぞれの思惑が有るのは当然であった。コレは文字の小説で有るが同時期に同じ事に意識を振った彼等彼女達の名前と軌跡顕現装備の名前等に繋がりが少し視えてくるのは偶然では無く必然。その事に気づいて居たのは通信網へのアクセス権を持っていて精錬潔癖に毎日流れてくる膨大なデータやメッセージに不正は無いか等の職務に就いていた新卒採用の女性職員だった。なぜその様にある程度監視されているのかについては特筆する必要もないと思われるが…添えるとすれば異能の乱用の氾濫により社会がおかしくならないように昔からそうだった。それでも通信に長けた軌跡顕現装備者も存在していたし炙り絵や暗号の様な物も当然存在していた。暗号文や秘密裏のやりとりに対して解析依頼が公募される事も当たり前な世界だ。彼女は普通の女の子や周りのヒトや地球で言う一般的ヒトガタではないヒトもその世界ではなんの差別を受けることもなく生活できていたし、性格や器量良し前向きで頑張っていればある程度報われる円熟していた世界だった。そんな世界ではとにかく顰蹙を買わない事が前提に思われるが装備顕現者無効化武器等も数え切れないほど出回っているし軌跡顕現装備者の争いに対しても大抵理性的に話し合ってからルール上で競う事が多い善人の方が多い当たり前の世界だった。野良での喧嘩だって有るには有るし弱者はとことん落とされる。しかし弱者がルンペンになり狭い生活圏を何周も何周も何周も軌跡を描くと強くなって帰ってきたりするので…まぁどこぞの柄杓軌跡顕現装備引きこもりの様な惨めな事になる事は少なかった。ルンペンが闇討ちする事も有ったが挑戦式と言うのが浸透していた世界だったし挑戦式で勝利した方が社会復帰への道への援助が手厚かったので殆どのルンペン落ちこぼれからの軌跡研鑽を重ねた人々は挑戦式のルールを選ぶ事が多かった。他人の目も有るものね。まぁ中には怨みバリバリでいつか…いつか…いつか…と言いながら何もやらせてもらえない奴らも居た。まぁその話は報復殺人や受けた教育やそのシリアルキラー予備軍の思考回路の現在地によるので今は伏せておく。新卒でデータやデジタルを介したやりとりの整理精査を行う新卒の女性職員の話をしよう。既述では有るが彼女が業務をこなしている際に万能薬やパナセアや報道やメッセージのやりとりをなんとなく毎日毎日毎日毎日眺めてたらなんかこの3人の名前と軌跡の名前がシンクロしてて面白いなぁ程度で有った周柊については轟雷乙女とのやりとりの一度だけであったが昔のデータベースやお気に入りの風俗への予約がなんか長すぎると思い頭に残っていたらしい。彼女は特段賢いわけではなかったが毎日のデータベースやデジタルやりとりに暗号解析の件数や成功不成功の整理整頓のルーティンワークが少しつまらなく感じていたので憶測を巡らせて暇を潰そうとしたのだ。そうコンビニ定員さんが「おいおい人間ドックの服装のやつまた和風ハンバーグと最安納豆買ってるわ。発酵さんじゃん」みたいな暇つぶしと同じレベルであった。彼女が繋げてみたのは雨、晴、轟雷、天、お天気かぁ〜等や。
春夏冬だなー、周って漢字は屋根みたいだなー、軌跡顕現装備の呼称が幻蛙か蛙幻…宵鯨か…大きく空に潮を噴いたら一時的に雨の偽物だなー、堕天軌跡さんはよくわかってないというか風俗しか検索してなくてよくわからないけど、雨天の天と同じだなー、轟雷乙女さんってヒトのは監獄って言うんだなー。全員詳しくはわからいけど…そういえば私…名前に秋の文字入ってるや…まさかね…というか新卒採用の一般人だしこの人等のファンになりそうな感覚なだけだなー。彼女の名前は愀無美空というらしく秋が無いなと言う理由と私も空かと秋が無いと言うことも愀無の無にも勝手にワクワクしていた22〜23歳の可愛らしいおっぱいの大きい女の子だった。彼女の軌跡顕現装備の呼称は電蟻の軌跡顕現装備と呼称されていた。それは彼女が普通に大企業の事務職に付くために留学をしたり、親の都合で2度程転校した程度であった。彼女は幸せな生活も送ってきたし、友人ができたりできなかったりごくごく普通の女の子だったがデジタルやバーチャル文化が大好きな女の子でありイタイヤツと言われた事も有ったが同人誌的二次創作も大好物だったし、ハマれば熱中するタイプだった。コレは非人道的な表現では有るが決して権力者や地主の家庭では無く両親は共働きで働きアリの様に頑張って彼女に背伸びした教育を受ける機会を与えてくれた事や彼女もそれに応えようと頑張っていた。しかしコレは全員に言える事ではないが人付き合いが希薄になる方の転勤族だったのでデジタルやバーチャルに入り込み空想するのが大好きだっただけである。彼女の装備の使い道のひとつに並列処理が有るのはさながら女王蟻と呼ばせていただいても遜色ないレベルで有ったがまだまだ成功率が低かった事もあり自他ともに電蟻の軌跡顕現装備者として毎日の職務に励んでいた。彼女は勝手に空想をひとしきり膨らませた後に秋が無いと飽きないと空きが無いって面白いなーって1人心の中で少し笑っていたが仕事中だったので声を出すのは控えたようだ。そして彼女も休憩中に万能薬かぁ〜たまにこの仕事にもよく出てくるよね〜だって治らない病への問い合わせと同じカテゴリーに藁にもすがるような通信等の記録が結構有るな〜。彼女は少し考えてみた。愀無美空(万能薬ができたとして死にたくなったらどうするのかな…万能薬ってなんだろう…星がある限り「マンネリ」とかいう症状も「治療」するのかな…私だったらどうしようかな…優しい旦那さんと一緒に1000年なんて想像もできないや。でもコレから出てくるデジタルコンテンツを世界が潰れるまで楽しめるから良いな〜。そういえば「地球」と思われる「異世界」の「書物」に「儚月抄」とかいう作品が有るわ…アレ以上は私にも想像しにくいというか…私達の世界からしたらあまり生きても「穢」かもしれないし「肉体を乗り換えても穢」かもしれないし…私だったら名前は変えずにデジタルコンテンツの中で生きつづけるだけでも良いかもしれないなぁ〜まぁ私には関係ない話だね。仕事に戻らなきゃ)。そうだこのご時世大企業事務職を辞めてまでオマージュ二次創作に取り組むわけにはいかないだろうし、嘘つきのレッテルを貼られるのも嫌であろう。彼女はそれ以上深いデータベースにアクセスする事は無かったが偶然だろうか数匹の羽蟻顕現装備にオタクの力により顕現してしまい飛び立ったのだ。彼女にはその意味がわからなかったし、同僚が蟻系零細共なんて気にすんなよとかをよく聞かされていなかったのでいつか帰ってくるか力尽きるだろうなーと思っていた。しかしその羽蟻顕現装備のドローンの様な装備は全員雌だった事は彼女は知らなかった。
……………………
これより先AI先生スカイネット操作サイド人工知能版
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愀無美空は、自分の仕事を嫌いではなかった。
通信管理局第三情報整理課。
長い名前だが、やっていることは意外と地味である。
毎日流れ込んでくる膨大な通信記録や公開情報、解析依頼や報告書を整理し、不正や規約違反がないかを確認する。
異能が存在する世界では、それらを監視する仕組みもまた昔から存在していた。
異能を持つ者がいるなら悪用する者もいる。
通信に長けた軌跡顕現装備者もいれば、暗号を駆使する者もいる。
炙り絵。
多重暗号。
情報偽装。
そうしたものを解読する依頼など日常茶飯事だった。
もっとも。
新卒二年目の美空に回ってくるのは、そうした最前線の案件ではない。
整理。
分類。
確認。
整理。
分類。
確認。
時々コーヒー。
また整理。
そんな毎日だった。
それでも彼女は不満を持っていなかった。
両親は共働きだった。
特別裕福でもない。
だが教育には熱心だった。
転勤も二度経験した。
友達が増えたこともあれば減ったこともある。
そのたびに現実よりデジタル世界の方へ少しずつ逃げ込んでいった。
ゲーム。
映像作品。
ネット文化。
二次創作。
空想。
妄想。
考察。
そういうものが大好きだった。
だから今の仕事も嫌いではない。
膨大な情報の海を眺めているだけで少し楽しかった。
退屈でもあったけれど。
だからこそ、余計なことを考える癖がついたのかもしれない。
その日もそうだった。
万能薬。
またその単語だった。
美空は画面を眺めながら小さく息を吐いた。
万能薬。
不老不死。
完全治療。
精神治療。
失われた肉体の再生。
死の克服。
世界が成熟しても、人はそういうものを求める。
むしろ成熟したからこそ求めるのかもしれない。
治らない病。
老い。
別れ。
後悔。
そういったものを前にした時、人は藁にもすがる。
だから万能薬に関する通信は昔から多かった。
特に珍しくもない。
だがその日の美空は少しだけ暇だった。
そして少しだけ退屈していた。
だから余計なことを考えてしまった。
雨天小春。
轟雷乙女。
周柊。
嗄快晴。
万能薬について考えていた人々の記録を流し見しながら、美空はぼんやりと名前を眺めた。
雨天。
快晴。
天気だなぁ。
轟雷。
それも天気だなぁ。
春。
柊。
季節っぽいなぁ。
周。
なんか屋根みたいな字だなぁ。
我ながら雑だなぁ。
そんなことを思う。
軌跡顕現装備の名称も確認する。
幻蛙。
宵鯨。
監獄。
なんだろう。
よくわからない。
でもなんとなく好きな響きだった。
巨大な鯨が空で潮を吹いたら雨みたいだなぁ。
蛙も雨っぽいなぁ。
監獄は全然わからないなぁ。
などと考える。
完全に暇つぶしだった。
別に陰謀論ではない。
世界の秘密を暴こうとしているわけでもない。
コンビニ店員が、
「あの人また納豆買ってる」
と思う程度の話である。
ただ、毎日見ていると記憶に残る。
それだけだった。
そうしているうちに、今度は自分の名前が気になった。
愀無美空。
秋が無い。
空がある。
愀無。
なんか格好いい。
秋が無い。
飽きない。
空きが無い。
そこで少し吹き出しそうになった。
危ない。
職場である。
笑ったら変な人である。
なんとか耐えた。
だが少し面白かった。
そうして連想はさらに広がる。
雨。
晴。
雷。
春。
空。
秋が無い。
なんだこれ。
物語みたいじゃないか。
いや。
ないない。
そんなわけない。
考察好きの悪い癖だ。
美空は自分で自分にそう言い聞かせた。
休憩時間になった。
飲み物を買い、自席でぼんやりする。
万能薬かぁ。
そう思った。
もし本当にできたらどうなるんだろう。
死ななくなるのかな。
老いなくなるのかな。
病気が全部治るのかな。
じゃあ。
死にたくなったらどうするんだろう。
そこまで考えて少し怖くなった。
万能薬とは何だろう。
病気を治すことなのか。
死をなくすことなのか。
孤独も治療するのか。
退屈も治療するのか。
マンネリも治療するのか。
千年生きて飽きたら。
その飽きは病気になるのだろうか。
美空にはわからなかった。
優しい旦那さんと千年生きる。
想像できない。
だが新作ゲームが千年出続けるなら少し楽しそうだとも思った。
それに。
世界が続く限りデジタルコンテンツも生まれ続ける。
なら退屈しないかもしれない。
ふと昔読んだ異世界由来の文献を思い出した。
月。
永遠。
穢れ。
不死。
その辺りの話だった気がする。
結局よくわからなかったけれど。
永遠に生きることが幸せかどうかなんて、自分には判断できなかった。
名前を変えず。
少しずつ生き方を変えながら。
コンテンツを楽しみながら。
気づけば何百年も生きていた。
そういうのなら悪くないかもしれない。
そこまで考えて、美空は肩をすくめた。
自分には関係ない話だった。
万能薬など存在しない。
存在したとしても、自分の人生とは遠い。
そういうものだ。
仕事に戻ろう。
そう思った時だった。
机の端で待機していた小型支援装備が微かに動いた。
電蟻。
それが美空の軌跡顕現装備の通称だった。
彼女自身は大した使い手ではない。
並列処理能力も成功率はまだ低い。
職場でも事務向きの装備だと言われる。
だがその日。
数匹の蟻が勝手に動いた。
羽が生えた。
そして飛んだ。
「あれ?」
美空は思わず声を漏らした。
小型ドローン程度の存在だ。
時々妙な挙動をすることもある。
故障だろうか。
だが蟻たちは窓の外へ向かい、そのまま見えなくなった。
同僚が横から笑う。
「気にすんなよ」
「でも飛んでいきましたよ」
「蟻系なんてそんなもんだろ」
「そうですかね」
「帰ってくるだろ」
なるほど。
そうかもしれない。
美空は納得した。
蟻なのだ。
そのうち帰ってくるだろう。
帰ってこなくても数匹だ。
大した問題ではない。
だから彼女は気にしなかった。
そのまま業務に戻った。
万能薬。
雨天小春。
轟雷乙女。
周柊。
嗄快晴。
そして飛び去った羽蟻。
それらを結び付ける理由など、彼女には何ひとつなかった。
ただひとつだけ。
後になって記録を見返した時、美空は知ることになる。
あの日飛び立った羽蟻たちは。
一匹残らず雌だった。
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界王神Xにソロ戦行こうかなと思ってる満身創痍野良妖怪
「おっぱいについてお削りになられるが…」
「まぁ基本的に通らねぇがこれが最後の仮想通貨も絡めた」
「創作物だ」
「俺も語彙力の勉強をしよう…」




