表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風呂で死にかけると、同じ異世界に呼ばれるんだが〜未完成の風呂を何度も作ってる気がする〜  作者: Studio No.13


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/36

第31話「約束」

 同じ文字だった。

『約束』

 紙の端。

 小さく書かれた文字。

 見間違いじゃない。

 黒い水面に浮かんでいた写真。

 あれと同じだった。

「どうした」

 声がする。

 聞こえている。

 だが。

 返事はしなかった。

 できなかった。

 視線が離れない。

『約束』

 たった二文字。

 それだけなのに。

 妙に重かった。

「おい」

 もう一度呼ばれる。

 そこでようやく。

 顔を上げた。

「なんでもない」

 嘘だった。

 だが。

 追及はされなかった。

 図面の話は続いている。

 誰が描いたのか。

 いつ描いたのか。

 なぜ描いたのか。

 答えは出ない。

 俺も分からない。

 ただ。

 紙を見るたびに。

 胸の奥が落ち着かなかった。

 解散したのは昼過ぎだった。

 図面は保管することになった。

 俺は宿へ戻る。

 途中。

 何度も振り返った。

 図面を。

 いや。

 違う。

 あの文字を。

『約束』

 頭から離れない。


 部屋に戻る。

 扉を閉める。

 静かになる。

 なのに。

 落ち着かない。

 夢を拾った。

 その結果が。

 あの図面だった。

 なら。

 約束を拾ったら。

 どう変わる。

 考えたくなかった。

 だが。

 考えてしまう。

 知らないものじゃない。

 そんな気はしていた。

 むしろ逆だ。

 知っている。

 知っているはずだ。

 だから怖い。

 どくん。

 鼓動が鳴る。

 窓の外を見る。

 夕暮れだった。

 赤い空。

 長い影。

 ふと。

 思う。

 約束って。

 誰との約束だ。

 家族か。

 友人か。

 恋人か。

 分からない。

 だが。

 一つだけ。

 守れなかった。

 そんな気がした。

「……っ」

 胸が痛む。

 理由は分からない。

 思い出したわけでもない。

 なのに。

 苦しかった。

 その夜。

 なかなか眠れなかった。

 目を閉じる。

 黒い水面。

 浮かぶ写真。

『約束』

 前より近い。

 いや。

 前より。

 はっきり見えた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ