くぎばっと で なぐりつけて
「ああああああああァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ!!!!!! この、このッ! 殺人鬼が!」
ガツンガツン、と鈍い音が空虚に響き渡る。
ミハル・ミザーンがやってきた時には、血の海が広がっていた。そばではニコニコと笑うデるたア・ムうあうおるルォがいて、隣には──
「おいおい。新入りになんつーこたしやがる」
「いやー、殺人鬼と仲が悪いみたいでえ」
「あのさあ」
釘バットを手に、イスいリル・カー・わグナーは人ならざる力でゲーブル・ダッチバーンを痛めつけていた。血走った目と気迫せまる表情が正気でないのを物語っている。
「ワグナーちゃんのトラウマを刺激するからいけないんよ。もう少しなんつーか……」
知ってか知らずが、いや、わざと彼女はやっているんだろう。
そういうのが大好きだからだ。
ニコニコと人懐っこい笑みをたたえたまま、気絶している新人を見ている。
「どんな人か知りたかったから。フツーでしょお?」
「無様に命乞いするか、怒り狂うか? か?」
「ヤダナー。君は心が読めるの? ま、ざこだって分かったから優しくしてあげるよ。ね、わグナー」
「フーッ……フーッ!」
普段はおっとりとしている女性だが、シリアルキラーや殺人事件には酷い拒絶反応を起こす。生前のせいだと聞いたが、実際、豹変した場面を何度も見るとこちらが恐怖を覚えた。
「ゲーブルちゃんを修復せにゃならん。もらうよ」
「んぎゃーあああああ!!」
「はいはい。じゃあなぁ」
ズリズリと肉塊になりつつあるゲーブル・ダッチバーンを引きずりながら、ミハルは伝書鳩の本拠地に向かうのであった。
久しぶりすぎてびっくり。




