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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆かんたんの枕☆  作者: 犬冠 雲映子
しし虫はここにはななきししらははかしみにしづがとにゆきてなきをれ

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ゆうじょう にんげん まねごと

「あの日は巻き込んでしまいすまなかった。リャクナシやカヤスまで守ってくれて」

 ミハル・ミザーンは人気のない広場のベンチで、バティと話していた。

 ひょっこりと現れたバティはそう言って、菓子折りまで持ってきた。

 恭しく謝罪と感謝まで述べて。

 そこまでしなくてもいいかとは思うが、彼なりの敬いを無下にはしたくない。

「いやぁ、良いよ。おまいさんらも大変だろ。種族のカシラが消えちまうのは……」

「まあ……不思議と我々は存在しているから、平気なんだろう。ヤツの事だ。あっけらかんとして帰ってくる」

「はは」

 菓子折りは見た事のない文字が書かれており、この世の者でない部類のためのモノだと気づいた。こんなものまであるのか。

「ミハル。恥ずかしい事を言うが、これからも協力してくれないか。扉隠ひかくしの車座としてでも伝書鳩としてでもなく、一個人として、だ」

「なるほど。まー、オイラにできそうなのはあまりなさそうだけんども」

「話し相手でもいい。後は、そうだな。リャクナシたちと遊んで欲しい」

「は?! おもりか?! あははっ」

 彼は生真面目に相談していたらしく、ムスッとした表情になる。少年の容姿をしているせいか、幼く見えた。

「すまねえ。バカにしたつもりじゃないんよ」

「分かっている。普通でないからな」

「確かにオイラたちには異常かもなー。でも人間としてはフツーだな」

 この世の者でない部類が人らしい感情や思考を持ちえていない、訳ではない。獣もいれば人らしい化け物もいる。振れ幅が大きいのだ。

「ならそっちもよろしく」

 人間の真似事をしても怒られはしまい。真似は得意だ。

この二人はずっと仲良くして欲しいですね。

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