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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆かんたんの枕☆  作者: 犬冠 雲映子
しし虫はここにはななきししらははかしみにしづがとにゆきてなきをれ

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かくしがみ と だっちばーん

「はーあー、結局腐った組織に逆戻りかあー。とことんツイてねーなー」

 以前は何だったか。世のために、エネルギーを作る原子炉施設に務めていたが違法営業、そうして人道的に反しているとトカゲの尻尾切りにあった。

 ゲーブル・ダッチバーン、いや、ダッチバーンはスカスカと風を通すミニスカートを気にしながらも地盤沈下を起こしたアスファルトを踏む。地鳴りが起きた際に液状化し、歩きにくい事この上ない。

 喫煙所には紙タバコを吸う輩たちが集い、けむたくさせていた。

 だが、ミハル・ミザーンの姿はない。

「あー、ゲーブル・ダッチバーンさん。お久しぶりです〜〜」

 背後から間の抜けた女性の声色がして、はあ、とため息が出る。あの声は伝書鳩の一員ではない。

「何でいるんだよ」

「いやー、ミハルさんを探していましてぇ♡」

 ニコニコと荒廃した世界とは相反した様子で、彼女は言う。

 扉隠ひかくしの車座の一人。デるたア(・・・・)という名の女性であった。

「ミハルさんならいませんよ」

「あれ〜〜~、どこにもいないからテッキリー」

 他人を装いつつも、逃げようとするが腕を掴まれた。「ちょっと、バレたらどうすんだよ」

「最初からバレバレなんじゃーないですか? ミハルさん、隠す気ないし」

 タレ目気味の目をさらに愛嬌たっぷりに細めると、喫茶店でも行きませんか? なんて誘ってきた。

「馴れ馴れしいんだよ。ウザ」

「先輩にそんな言葉つかっちゃダメですよ? ね?」

 子犬か、ゴールデンレトリバーのようなフレンドリーさの奥に悪質なものが潜んでいる。ソレに嫌気がさし、ゲーブル・ダッチバーンは眉をひそめた。

「喫茶店? いま、どこも営業してないんじゃないですか?」

「あはは、そうだったねー。ごめんね」

(茶化しに来やがって。どいつもこいつも、チェッ)

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