かくしがみ と だっちばーん
「はーあー、結局腐った組織に逆戻りかあー。とことんツイてねーなー」
以前は何だったか。世のために、エネルギーを作る原子炉施設に務めていたが違法営業、そうして人道的に反しているとトカゲの尻尾切りにあった。
ゲーブル・ダッチバーン、いや、ダッチバーンはスカスカと風を通すミニスカートを気にしながらも地盤沈下を起こしたアスファルトを踏む。地鳴りが起きた際に液状化し、歩きにくい事この上ない。
喫煙所には紙タバコを吸う輩たちが集い、けむたくさせていた。
だが、ミハル・ミザーンの姿はない。
「あー、ゲーブル・ダッチバーンさん。お久しぶりです〜〜」
背後から間の抜けた女性の声色がして、はあ、とため息が出る。あの声は伝書鳩の一員ではない。
「何でいるんだよ」
「いやー、ミハルさんを探していましてぇ♡」
ニコニコと荒廃した世界とは相反した様子で、彼女は言う。
扉隠しの車座の一人。デるたアという名の女性であった。
「ミハルさんならいませんよ」
「あれ〜〜~、どこにもいないからテッキリー」
他人を装いつつも、逃げようとするが腕を掴まれた。「ちょっと、バレたらどうすんだよ」
「最初からバレバレなんじゃーないですか? ミハルさん、隠す気ないし」
タレ目気味の目をさらに愛嬌たっぷりに細めると、喫茶店でも行きませんか? なんて誘ってきた。
「馴れ馴れしいんだよ。ウザ」
「先輩にそんな言葉つかっちゃダメですよ? ね?」
子犬か、ゴールデンレトリバーのようなフレンドリーさの奥に悪質なものが潜んでいる。ソレに嫌気がさし、ゲーブル・ダッチバーンは眉をひそめた。
「喫茶店? いま、どこも営業してないんじゃないですか?」
「あはは、そうだったねー。ごめんね」
(茶化しに来やがって。どいつもこいつも、チェッ)




