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ごがつ の さかな
無意味名 パビャ子はいつものように、川べりで魚を探していた。ふいに5月になったのか、と鯉のぼりの群れを見て納得した。
鯉のぼりは5月になると泳ぐ。
大人のパビャ子にはあまり関係ないが、川には鯉がいるのでそちらを食べなければならない。
水面に鯉のぼりの色が反射している。赤色、青色……ユラユラとやんわりと溶け込んでいく。
色のついた鯉たちが群れをなして泳いでいくのを見つけ、パビャ子は必死に川面にダイブした。
――常日頃、生息している町の屋根たちを俯瞰している。なぜだ?
「ギャッ?!」
ダイブしたのは川底だったはずだ。
川に落ち、辺りを見回すが何も変わっていない。唖然としていると、茶色びた大きな鯉がザバリとはねた。
「よっしゃ!」
ソレを見た子供たちが笑う。この市では川遊びは珍しくないものである。指をさされ、茶髪オンナはムカッとしたがまたご飯探しに夢中になった。
「夏ねえ〜」
通りかかる老夫婦の奥さんが呟き、風が吹く。鯉のぼりがヒラヒラと泳いでいた。




