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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆かんたんの枕☆  作者: 犬冠 雲映子
しし虫はここにはななきししらははかしみにしづがとにゆきてなきをれ

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むつごと

「今なら多多邪の宮の気持ちが理解できる気がする」

 閉鎖された空間で至愚に、彼女は静かに告げた。

「誰にも愛された事がなかったんだな」

「どうしたんだい。いきなり」

 ゴワゴワとした毛並みに顔を埋めながら、しばし黙り、口を開いた。

「他人から優しくされた事がないから、わからないから、ああやって迷走するんだ。今もそうかもしれない。だけど私は今が良いと思っている」

「……。あまりアタシを信用するんじゃない」

 パーラムの純粋さは乙女以下の少女、何も世間をしらない子供だった。あんなに不良娘と言われてきたのに。

「信用するよ」

「アタシは永遠じゃない」

 乱れた髪を整えてやると茶髪オンナは笑う。パビャ子に似ているその顔で。

「永遠にしてやるよ。私を誰だと思っている? 世に悪名高く、轟くパーラム・イターだぞ」

「ほとんど力もないくせに……第一、この世の者でない部類でも永遠を創り出す事は」

「するんだ。私に残された全部の力を合わせて、お前を長生きさせてやる」

 真っ直ぐな言葉に至愚は胸が傷んだ。事後の睦言にしては悲しみを含んだもので、多多邪の宮の影が透け見えた。

 多多邪の宮にもそう思わせた人物が居たのだろうか。

 その人物は生きているのだろうか。

(アタシにゃあんなヤツ関係ない。今はパーラムを、見るだけだ)

「もう疲れたろう。寝な」

「寝る? 風呂に連れってくれよ〜〜」

 ジタバタと駄々っ子になりながら、彼女は暴れるが人面獣のたくましい肘鉄を食らわすと気絶して睡眠(・・)した。

「はあ、子供になっちまったみたいだ……いや、子供のまんまなのか……」

 横に寝そべり、自分自身も横になる。外の世界が朝になるまで添い寝してやろう。

「ああ、アタシも何をしているんだろうなぁ……」

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