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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆かんたんの枕☆  作者: 犬冠 雲映子
しし虫はここにはななきししらははかしみにしづがとにゆきてなきをれ

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かけっこ そんざい いっとうしょう

 モー、モゥゥはかけっこが得意です。人喰い化け物もふりきれるほど、足が早くて身軽です。1等賞が取れるほどに。

 褒めてくれると嬉しいです。

 名前はモーでもモゥゥでもどちらでもOKです。それ以外の名前で呼んだら、反応してあげません。

 この世の者でない部類たちはモーが好きです。すごく好きみたいで、走ってきます。でもこっちが早いので追いつかないのです。

 ()()()()()()()()()()()。見た目も普通です。

 腐る事も、動きを止める事もありません。

 だってこちらも腐る事も、歳をとる事もないのですから。髪も伸びません。病気も進行しません。違うのは食べ物だけ。

 どちらもホントの人ではないのかも。

 モーはファミレスで食べるハンバーグが好きでした。でもずっと食べてないです。あるのはお菓子や缶ずめ、防災用品の非常食。

 不満はありません。別に、この世界では食べなくても──皆には秘密です──ずーっと生きていけるのです。

 ずーっと、ずーっと永遠に生きていけるのです。何もしなければ永遠に存在できるのです。

 きっとこの世の者でない部類たちもそうです。人肉なんて食べなくても生きていけるのです。

 それを知ったらこの世界にある2種類の生き物は発狂してしまうでしょう。だから秘密にして、黙ってしまっておくのです。

 ひとは衣食住がないと成立できないのだそうです。それが生きがい、または正気を保つ材料になると──教えてくれました。

 そう。たくさんしまう物が溢れています。

 武器になる薬品。食べ物。この建物が辿ってきた歴史。しまって蓋をして、皆の目を欺くのです。

 それが役目です。

 モーは走り続けます。カバンにしまった地図と歴史を誰にも渡さないために。迷宮をかけっこします。

 たまに、たまにですが化け物が人間のフリをして潜んでいます。それは秘密をかじってしまったのでしょう。

 蓋を抑えてくれるのなら、モーは許します。人間のフリを黙っておきます。

 ──かけっこは好きです。モーはかけっこが得意です。人喰い化け物もふりきれるほど、足が早くて身軽です。褒めてくれると嬉しいです。

 モーでもモゥゥでもどちらでもOKです。それ以外の名前で呼んだら、反応してあげません。

 ですから、きちんと呼んでくださいね。

他所でひっそりと執筆して御蔵入りしていたモーちゃんをこちらに移設。

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