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廃屋出身の魔導師  作者: 煌陰
12/17

ギルド登録&ワイバーン遭遇

少しいつもより長くなってしまいましたが最後まで読んでくれたらありがたいです。

 あれから祝福と加護を得た自分たちは事が事だからと神官が過ごしているという部屋に案内された。



「えーと…岸本 乙夜さんでしたっけ?」



「ええ、そうです」



「あなたはこれからどうするつもりですか?」



 どうするって言われてもなぁ…



「祝福受けたんでギルドで登録してから…」



「してから?」



「今はジミルさんの家にお世話になっているんで帰ります」



「その後は?」



 その後?



「フリーの冒険者やっていこうかなって思ってます」



「フリーの!?」



「はい、フリーの」



 何を驚いているのやら。



「何を驚いているのやら、って顔してますね。そりゃあ驚きますよ。だって史上3人目の次元の魔導師ディメンジョンウィザードがよりによってフリーの冒険者やっていくなんて…あなたは国王陛下直属の宮廷魔術師(オーナリーマジシャン)でもおかしくないのにフリーだなんて…」



 そんなこと言われてもねえ…



「いやぁ、自分は陛下直属とか宮廷魔術師(オーナリーマジシャン)とかそんな重いのは苦手というかあまり興味がないんですよね」



宮廷魔術師(オーナリーマジシャン)に興味がない!?何故ですか!この国の魔術師たちは皆そこを夢見て日々頑張っているのに!給料もガッポリだし男ならば貴族の令嬢と婚約の可能性もあるんですよ。それに興味がないなんて…!」



「だってねぇ、宮廷勤めとか面倒くさそうですしさっきも言ったでしょう?重いんですって自分には」



 第一あまり人にペコペコするのは好きじゃないんだよなぁ。



「面倒くさいって理由で宮廷魔術師オーナリーマジシャンをはねますか普通?」



「それが本心です」



「はあ…解りました。どうぞお好きになさってください…」



「ありがとうごさいました」



「その考えって異世界人の一般的な考えですか?」



「どうでしょう?自分にはわかりませんね」



「そうですか。ジミルさんでしたっけ?あなたはどうするつもりですか?」



「俺は明日までこいつを家に泊めているだけだからな、明後日からは普通に今まで通りに暮らすよ」



「そうですか。それでは私が言えるのはここまでです。貴方達の人生に幸多からんこと」



「どうもありがとうございました」



 それからは元来た道を戻って神殿の外に出た。



「で、どうするよ。村に戻るんですか?」



「いや、せっかくグランドに来たんだからここで登録しよう」



「分かった。ギルドは何処にあるんですか?」



「神殿の隣」



 は?



「隣ってまさか2階建ての白いあの建物ですか?」



「そのとおーっり」



 嘘だろ…?

 ギルドって言えば木造平屋建ての酒場みたいな所だろ?



「そんじゃあさっさと登録して帰ろうぜ!」



「…そうですね」



 そうしてきギルドの中に入っていった。



「こんちはー」



「こんにちは、どのようなご用件でしょうか?」



「今日はこいつの冒険者登録をしに来たんだ」



「解りました。ではこちらに名前と年れ…」



「その事なんだけどよ、こいつちょっと変わっていてなギルド長に話があるんだ」



「…解りました。紹介状はありますか?」



「ああ、これか?」



 そう言ってジミルはさっき神殿を出るときにメルシィから渡された紙を渡した。



「…受け取りました。少々お待ち下さい」



 そう言って受付の人は奥へと引っ込んで行った。

 ………



「許可が下りました。どうぞこちらへ」



 許可が下りたみたいだ。



「行くぞ乙夜」



 っと置いてかれるのは勘弁だ。



「こちらが冒険者ギルドグランド支部のギルド長ザウス・グレムス様です。って何隠れているんですか?」



 だっておっちゃん怖ぇよ!筋肉もりもりだし顔に傷入ってるし!威圧感がパネェよ!



「大丈夫だぞ乙夜、見た目は結構怖いけど優しいから隠れてないで出てこーい」



 ま、まあジミルが言っているなら大丈夫か…



「こ、こんにちは」



「大丈夫だぞ、乙夜と言ったか?俺は見た目ほとは怖くないからな」



 手を伸ばし握手をしようとしてきた。



「よろしくおねがいします」



「おう、よろしく!まあ、座れや」



「失礼します」



「横の神殿の神官からの紹介状に書いてあった事だが…ここに書いてあるのは真実か?」



「そこにはなんと?」



「お前が異世界から来たことと史上3人目の次元の魔導師ディメンジョンウィザードだという事の二つだけだ」



「その二つは真実です」



「そうか…でこれからどうするつもりだ?俺がギルド本部のギルド長に紹介状でも書いて宮廷魔術師オーナリーマジシャンへ推薦するように言う事も出来るが」



「いえ、さっき神殿でも言いましたけど自分はフリーでやっていくつもりです」



宮廷魔術師オーナリーマジシャンになるつもりはないと?」



「はい」



「そうか、わかった。じゃあこれからギルド登録するか。ミリー」



「ではこれから登録を行いますので…」



「いや、それは俺がしよう。登録用紙を持ってきてくれ」



「…分かりました。…どうぞ」



「ありがとう、業務に戻っていいぞ」



「それでは失礼します」



「登録を始めようか。この用紙に必要事項…名前・年齢・職種ジョブを書いてくれ。ちなみに異世界の文字でも構わないぞ。その紙は魔法が掛けられているから知らない文字でも意味があれば理解できるんだ」



 便利な魔法だな。



「書いたか?そしたら次は冒険者のランク・クエストの受注・ギルドの説明をする。心して聞くように」



「はい」



「まず冒険者のランクだがS~Eの6段階、そしてそれぞれが1~3の3段階の合計18段階に分けられている。登録すると最初はE-3から始める事になる。ここまではいいかな?」



「はい」



「よし!なら次だ。次はクエストの受注についてだ。クエストは基本的に毎日出ている。これもランクに合わせてS~Eの6段階に分けられている。庶民から王族、家事手伝いからダンジョン攻略まで色々な人、色々なクエストがある。自分のランク、自分に出来る事だけを選びな」



「わかりました」



「最後はギルドについてだ。このギルドみたいに2階建てのギルドは1階が登録とギルド受注で2階はギルメンの情報交換の場とは名ばかりの酒場だ。あとは細々とした規則だがそれについてはこっちを読んどいてくれ」



 そう言ってギルド長は紙を数枚取り出した。



「わかりました」



「よし、そろそろカードできたか?おーい!こいつのギルドカードできたか?」



「はーい、できましたよ。岸本乙夜さんでしたね、どうぞ」



 そう言って自分に銀色のカードを渡してきた。



「じゃあ今からギルドカードの説明をする。ギルドカードは言わば身分証明書だ。絶対に無くさないようにしろ。もし紛失した場合は再発行に銀貨1枚を貰う。そしてギルドはギルメンの銀行の役割も持っている。記録はカードに記録されるからな。預ける時はカードと金、引き出す時はカードと金額を言え」



ギルドカードは通帳の役目も果たすのか。



「わかったか?わかったなら説明は終わりだ。これからのお前の活躍を期待してるぜ?」



「わかりました。どうもありがとうございました。ご期待に応えられるように頑張ります」



「じゃあな、ギルド長」



 登録が終わった自分たちはギルドを出たのであった。



「登録終わったし帰るか」



「そうですね」



 神殿で意外と時間を食ってしまいもう11時50分くらいである。



「また浮遊アンチグラビティ推進ジェットを使いますけど今度降りるときは転ばないようにして下さいよ?」



「お前こそ解除する時は先に言えよ?」



「善処します。じゃあ行きますよ?」



「おう!」



「『浮遊アンチグラビティ』『推進ジェット』」



「YEEEEEEE!!」



 なんか叫んでいると思ったらジミルが雄叫びをあげていた。



「いきなりどうしたんですか!?」



「だってよぉ乙夜!生身でこんな速度体感する事ってあんまねぇぞ!?楽しまなきゃ損だろ!」



 自分はそうでもないけどなぁ。



「もっと速くする事も出来ますよ?」



「まじか!?ならやってくれ!」



「ちょっと待ってください。『速度計スピードメーター』」



『30km/時』



「今が時速30kmですけど何kmぐらいがお望みですか?」



「とりあえず今の倍頼む!」



「…いいんですね?」



「やってくれ」



「わかりました『強化ブースト』×3」



『40km/時』


『50km/時』


『60km/時』



「うっ…ぎゃああぁぁぁ!!!」



「大丈夫ですかー!?」



 ジミルの声が雄叫びではなく悲鳴に変わっている。



「ちょっと待て乙夜!倍は速過ぎだ!10km落としてくれ!」



「だから言ったのに…『減速ダウン』」



『50km/時』



「ふう…これならまだ大丈夫だ。乙夜、流石に60kmは速過ぎだだわ」



「だから確認しましたのに…」



「だってあそこまで速いとは思わなかったんだよ」



 そこからは10分ほどそのまま進んで行った。



「昼飯にしますかー」



「そうだな、腹が減ってきた」



 もう12時近いので昼飯にした。メニューはブラ麦のパンとビビットの丸焼きだった。



「また移動しますよ」



 そして10分ほどまた進んだところで異変が起きた。



「解除」



「へぶっ!?…お前なぁ!」



「ジミルさん、少しじっとしといて下さい」



 視界に常時発動しといた行進補助ナビゲーションに赤い点が出たのだ。



「何処にいる?」



 辺りを見回してみたが敵らしきものは見えない



「おーい、乙夜ー」



 ?



「上見てみろ、上ー」



 上?



「…ここでイベント発生しますか?普通…」



 上を見たら明らかに龍と思わしき影がこっちに来ていた。



「ワイバーンだ!防御しろ乙夜!戦って俺らが勝てる相手じゃねえ!」



 へぇ?ワイバーン?



「何言ってるんですか?ジミルさん。自分のスキルを忘れたんですか?」



 そう、自分には最強とも言えるスキルが2つある。



「スキル『魔法創造』発動」



 まずはジミルさんを守らなきゃねぇ。



「対象を強固なる檻で護れ『鉄の檻(アイアンケージ)』」



 魔法を発動させるとジミルさんがたちまち黒い檻で囲まれた。



「次は自分か…『シールド』トリプル」



 シールドを張ると目前まで迫っていたワイバーンの牙が弾かれた。



「出来ればほぼ無傷の状態でしとめたいな」



 ワイバーンは攻撃を防がれて怒っているのかまた攻撃を仕掛けてくる。



「バカが…『加重プレス』」



 自分は次の攻撃は防がずによけた。そしてまた飛ぼうとしたところを重力をかけて動きにくくする。ワイバーンは自分の体が動かないのが不思議なようで暴れている。



「暴れんなって…『鎖縛バインド』」



 暴れられると近づけないので縛って動かなくする。



「あー、お前さぁ人の言葉喋れる?」



『グルル…』



「無理か…なら、対象と意思の疎通を『交信テレパス』」



『おい聞こえるか?』



『!?何者だお前…?』



 よしよし、成功したようだ。



『んー、ただの魔術師だよ?』



『ふざけた事を言うな!ただの魔術師に意思の疎通なとできるわけないだろうが!』



『そんなこと言われてもねえ、こっちはお前と話したい事があるんだよ』



『なんだ、言ってみろ』



『お前さぁ、自分と契約しないか?』

強化ブースト』の『推進ジェット』版は一回につき10km/時ずつ上がっていきます。

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