商業神の加護
奥へと続く道を歩きながら自分はジミルに話しかけた。
「ねえ、ジミルさん」
「何だホープ?」
「やっぱりあのこと話したほうがいいのかな?」
あの事というのは『次元の魔導師』の事だ。
「そうだな…祝福をうけてスキル確認する時にステータスも視られるからバレるんだよな。なんか言われる前に言っといた方が良いだろう」
「やっぱりそうですか…それとここは誰を祀っているんですか?」
「ここは商業神ヘルセム様を祀っている」
「神様どれだけいるんですか?」
「んー・・・」
「知らないんですか?」
「いや、多すぎて分からないんだよ」
「そんなにいるんですか?」
「ああ、世界中どこにでも神殿はあるし地祖神もいるからな」
「着きましたよ。ここが祝福を受ける場です。神官様を呼んできますのでここでお待ち下さい」
「ありがとうごさいました」
ペコリとお辞儀をして女の子は更に奥へ続くであろう道を歩いていった。
「ここが祝福を受ける場か…」
そこはこの神殿で多分1番広く造られていた。奥の階段を上がった所には石でできた台座の上に透明の球体が置かれていた。そして奥の壁にはヘルセムだと思われる物を運んでいる青年が描かれている。
「ここは祝福を受ける場でもあるし神官が神の言葉を聞く場でもあるんだ」
「へぇ、そうなんですか」
そうやって喋っているうちにさっきの女の子が神官を連れてきた。ってそれはいくらなんでも…
「テンプレktkr」
「ktkrって何だよktkrって」
いやだって神官が女エルフとかテンプレ過ぎでしょww
「ようこそいらっしゃいました。どちらが祝福を受ける方ですか?」
「自分です。よろしくお願いします」
「あら結構若いのね。あなたいくつ?」
「17です」
「ウソ!?まだ13くらいかと思ってたわ!」
13ってそりゃないでしょ、確かに日本人は他の国の人から実年齢より若く見られることが多いっていうけどそこまではないでしょ!ジミルを見てみるとジミルも驚いている。
「お前もかよ!」
「いや、俺も実際13くらいかと思ってたわ」
「年齢の事はいいから早く祝福受けさせて下さいよ!」
「え?ああ、そうだったわね」
そう言うとエルフは台座へと歩いていった。
「ではこちらへ来てこの水晶に触れて下さい」
「はいはい」
「そしたら私が今から言う言葉を復唱してください。」
「わかりました」
「では…我は求む、この世界を変える力を、神よ我が言葉が聞こえしかば我が望みをスキルとして与えたまえ…どうぞ」
「我ホープ・オリーラは求む、この世界を変える力を、神よ我が言葉が聞こえしかば我が望みをスキルとして与えたまえ」
…あれ?
「何も起きませんけど?」
「おかしいですねー、どこも間違ってないんですけど…」
もしかしてあれか、本当の名前じゃないからか。
「すみません、もう一回やらせて下さい」
「ええ、構いませんよ」
「我、岸本 乙夜は求む、この世界を変える力を、神よ我が言葉が聞こえしかば我が望みをスキルとして与えたまえ」
自分がそう言ったら水晶が一瞬強く光った。
「ご苦労様でした。これで祝福は授けられました」
「ありがとうごさいました。それで何というスキルですか?」
「ちょっと待って下さいね…」
そう言って水晶を覗き込んだ。
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名前 岸本 乙夜 (ホープ・オリーラ)
種族 人族
Lv.8
HP 1640/1640
MP 628/628
ATK 72
DEF 85
《使用魔法属性》
火・水・風・土・光・闇・時空・次元
《スキル》
1.異世界の知識
2.世界の理
3.魔法創造
4.魔力向上
5.攻撃向上
6.防御向上
7.神の寵愛
8.必要経験値激減
9.獲得経験値激増
10.賢者
《称号》
異世界から迷い込んだ者・叫ぶ者・魔法の真理を知った者・ビビットの怨敵・魔力チート・魔法を生み出す者
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「えーとぉ…」
うん、まあ、言葉も失うだろうね。
「まずどこからツッコミ入れたらいいんでしょうか?」
「それはですねぇ…」
『その事については僕が教えて上げるよ』
誰だ!
「へ、ヘルセム様!」
ヘルセム様ぁ!?
上から聞こえた声に見てみれば何と壁画の青年が宙にいるではないか!
『やあメルシィ、お勤めご苦労さん。こうやって僕が姿を現して人と喋るなんて何年ぶりかな?』
神様喋ってるよ。っていうか神様リアルに存在してんのかよ。
『存在してるよ?』
「心読まれた!?」
どうやらあの女エルフ神官の名前はメルシィというらしい。
『だって神様存在してなきゃ加護とかスキルとか与えられないでしょ?』
「まあ、そうだが」
『それと君の世界の神から伝言だよ、〈転移陣消すの忘れてた。スマソ By 伊邪那岐〉だってさ』
伊邪那岐ぃ!?そんな神様がスマソってないだろ!
『まあ君もこのステータスでわからない事があると思うから僕が説明するねー』
はあ…まあ、お願いしますわ。
『じゃあ、まずはこの魔法が全属性使えることについてだけど、これは君が科学を知っているからなんだ。君はこの全属性を理解できるだろう?なぜ物が燃えるのか、風はどうやって吹くのか、水の状態変化、大陸はどうやって動いているのか、雷は何なのか、光はどんな物なのか、暗いとはどんな状態なのか、人はどうやって空間を認識しているのか、傷はどうして治るのか、今言った全てを君は科学という知識で理解できるだろう?その理解するというのが魔法には大事なんだ』
「成程ね、じゃあ理解さえ出来れば誰でも全属性使えるのか?」
『ぶっちゃけちゃうとそう言う事になるね』
「だってさ、ジミルさん」
『次はこのスキル、世界の理だけどねこれはさっき言った事も関係していて君は理解できるから全属性を扱える、扱えるからこの世界の全ての事象操れる。君がルールになるっていうスキルだよ』
「自分がルールとかチートだろ…」
『次行くよー?次はこの神の寵愛だけど君を誤って異世界に来させてしまった事で少し申し訳ないと思ってんだよね。だから色々と優遇してあげようってわけ』
「申し訳なく思ってんなら還してくれよ」
『それなんだけどね、君の世界の神様が早とちってね君はあっちの世界じゃ死んだ事になっているんだ』
「はあ!?」
『ホントごめんねぇ。屋根裏からの転落事故だってさ』
自分死んじゃった事になってんですかい…
『ちゃんと擬似的な死体も用意してさー乙って感じだよね』
「乙じゃないでしょ、乙じゃ…」
『そして魔法創造ってスキルだけど、この世界の人間は君の世界に比べてできる事が少ないだろう?だから今までに作られてきた魔法も自然現象でしか観測されない物+現実の武器だけなんだよね。だけど君には異世界の知識がある。それを利用して魔法を作れるんだよ。君が読んだ魔道書にも書いてあっただろう?大切なのはイメージだと。だけどこの世界の人間はもうイメージが湧かないんだ。だから魔法を作れない』
「さいですか」
『これで僕が伝えられる事は全部話したよ。他に何か質問ある?』
「いや、特にありませんね」
『それじゃあ最初に僕の所へ来たご褒美だよ』
そう言うとハーレスは自分へと手を伸ばした。
『ほら、僕の手を握って』
「触れんの?」
自分はとりあえず手を伸ばしてみた。
『ほら、触れた』
「一体なんの物質でできているんだ?」
『そこはツッコミ禁止。それじゃあこの僕、商業神の加護を授けるよ』
ヘルセムがそう言うとヘルセムの手が輝き始めた。
『すぐに終わるからねー』
その後10秒するとヘルセムの手は元に戻った。
『これで君は加護持ちになったよ、後で確認してみてね。あー、あと魔力の上昇量を元々の量+2のLv乗にしておいたから、50位になったら完全にバグキャラになるよ』
そう言うとヘルセムは姿を消した。
「お前本当の名前じゃなかったのか…」
「すみません。元から記憶喪失でもありませんでした」
「どうしてそんな嘘をついたんだ?」
「急に『異世界から来ました!』なんて言って信じられますか?」
「う…いや、信じられないな」
「でしょう?記憶喪失というのは世の中を渡って行くには使いやすいんですよ」
「すまん。それでお前の本当の名前は…」
「自分の本当の名前は岸本 乙夜、岸本が苗字で乙夜が名前です」
「改めてよろしく、乙夜」
「よろしくおねがいします、ジミル」
そう言って二人は握手をした。
「あ、あのう…」
握手をしているとメルシィが話しかけてきた。
「さっきヘルセム様が加護を授けたって言ってましたよね。それを確認して欲しいんですけど…」
「ああ、そうでしたね『能力測定』」
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名前 岸本 乙夜
種族 人族
HP 1640/1640
MP 628/628
ATK 72
DEF 85
《使用魔法属性》
火・水・風・土・光・闇・時空・次元
《スキル》
1.異世界の知識
2.世界の理
3.魔法創造
4.魔力向上
5.攻撃向上
6.防御向上
7.神の寵愛
8.必要経験値激減
9.獲得経験値激増
10.賢者
《加護》
1.商業神の加護
取引の場に置いて常に有利となる。
買い物をする時に価格が10%OFF
《称号》
異世界から迷い込んだ者・叫ぶ者・魔法の真理を知った者・ビビットの怨敵・魔力チート・魔法を生み出す者
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「本当に授けてたんですね、ヘルセム様…」
なんか上手く行き過ぎだと思うのは自分だけでしょうか?
スキルの数が多過ぎだと思いません?




