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完璧な生徒会長は、平凡な俺の「声」がないと眠れないようです。  作者: Takayu
第5章:雪解けの季節と、甘すぎる冬の誓い
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第107話:お揃いのぬくもりと、特別な夜の終わり

キャンドルの炎が静かに揺れるリビングで、俺たちはどれほどの時間、唇を重ねていただろうか。

お互いのプレゼントである、少し歪なネイビーのマフラーと、彼女の胸元で白く輝く雪の結晶のペンダント。お揃いのぬくもりを身につけたまま、俺たちはただ、互いの体温と鼓動を確かめ合っていた。


「……ふぁ……湊くん……」


ようやく唇を離すと、奏羽は熱を帯びたトロンとした瞳で俺を見つめ、そのまま俺の胸にコテンと頭を預けてきた。

緊張に満ちた期末テストの期間を乗り越え、今日一日、俺のために慣れない料理やケーキ作りを頑張ってくれた彼女の身体は、心地よい疲労感で限界を迎えているようだった。


「お疲れ、奏羽。……たくさん頑張ってくれて、ありがとうな。シチューもケーキも、本当に美味しかったよ」

俺が彼女のサラサラとした黒髪を撫でながら囁くと、奏羽は「えへへ……」と嬉しそうに目を細めた。


「……湊くんが、喜んでくれたから……わたし、すっごく、しあわせ……」

もごもごと、俺のパジャマの胸元に顔を押し付けながら呟く彼女。その手は、いつものように俺の服の裾をぎゅっと強く握りしめている。


「ほら、そろそろベッドに行こうか。……今日は、翠もいないから、朝までゆっくり眠れるぞ」

「うん……。湊くん、おんぶして……?」


眠気で完全にポンコツお姫様モードになった彼女は、両手を広げて俺に甘えてきた。

俺は苦笑いしながら彼女を背負い、リビングの電気を消して、静まり返った寝室へと向かった。


窓の外では、しんしんと雪が降り積もり、街の騒がしさを覆い隠している。


ベッドに彼女をそっと下ろし、俺もその隣へと滑り込んだ。

奏羽は、俺が先ほどまで着ていた少し大きめのパーカーをパジャマ代わりに羽織ったまま、すかさず俺の腕の中に潜り込んできた。


「……湊くん。ぎゅー、して?」

「ああ。……メリークリスマス、奏羽」


俺は彼女の細い腰を力強く抱き寄せ、もう片方の手で彼女の背中を「トントン、トントン」と優しく、一定のリズムで叩き始めた。

不眠症で夜を恐れていた彼女にとって、このリズムと、俺の声、そして温もりこそが、世界で一番安心できる「お守り」なのだ。


「……んぅ……湊くん……あったかい……」


奏羽は俺の胸に顔を埋め、胸元に飾られた雪の結晶のペンダントをそっと指先で触りながら、嬉しそうに微笑んだ。


「……これからも、ずっと……わたしの隣に、いてね?」

「ああ。……お前の特等席は、誰にも譲らないって約束しただろ」


俺が彼女の額にそっとキスを落とすと、奏羽は「……うん」と愛おしそうに呟き、そのまま深い、深い眠りへと落ちていった。

静かな寝息。

その安らかな顔を見るたびに、俺は「この人を守り抜くんだ」という決意を、何度でも新たにすることができた。


凪瀬夫人との約束、期末テストのプレッシャー、学園の噂。

立ちふさがる壁を二人で乗り越え、俺たちは今、誰にも邪魔されない最高の聖夜を過ごしている。


俺は、腕の中の愛しいお姫様の温もりを感じながら、外で降り積もる雪の音を聞き、静かに目を閉じた。

俺たちの甘くて焦れったい関係は、この特別な夜を経て、より深く、より確かなものへと変わっていくのだった。

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