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S3-09 境界。

観察者

[ようこそ、主婦転の世界へ。]

[これは、映像脚本型小説です。]

[夏休み期間、公開時間を調整します。]

フェル

「……」


黙り込み、

俯いた。


Dovira

【Dimil…?】


直樹

「んえ?」

「Dimilって?」


カルディ

「チャーリー少将が研究して開発したAIよ」

「Guiarは私と直樹くんと一緒に開発したでしょ」


フェル

「…は?」

「え?」


直樹へ、

視線を向ける。


フェル

「お前。何者?」


カルディ

「フェルくんお願い」

「効果が切れちゃう。歌って〜」


フェル

「AIの説明無しですか…」


カルディ

「後でじっくり、ね?」


背筋が、

ゾクゾクした。


フェル

「わかりましたよ」


ため息。


ハミング。


指を鳴らし、

足でリズムを刻んだ。


「♪寝るって言ったのに still awake♪」

「♪布団の中で 抜け出せない♪」

「♪終わらせるはずが 遅すぎて♪」

「♪このリズムだけ I can’t break♪」



「♪スマホが落ちて hit my face♪」

「♪一瞬覚醒 それでもダメ♪」

「♪メモ開いて 書くはずだった♪」

「♪気づけば now it’s something else♪」



「♪静かな部屋 the ticking clock♪」

「♪時間だけが 回り続ける♪」

「♪止める理由より 続ける理由♪」

「♪なぜか分からず still moving♪」



「♪寝るって言ったのに still awake♪」

「♪やめるつもりが また続いてる♪」

「♪意味なんてない それでもいい♪」

「♪これが私の own pace♪」



「♪I won’t let it fade♪」

「♪just don’t burn it out♪」


「♪I won’t let it fade♪」

「♪just don’t burn it out♪」


直樹

「ソロ、スゲー!!」


カルディ

「ありがとう〜素晴らしかったわ〜」

「……」

「うん!」

「継続時間延長。攻撃力30%上昇」

「いいわね!」


パンッパンパンパン…


大将

「さすが、歌手だね」

「おじいちゃん、聴き惚れちゃった」


ぼーっと

していたフェル。


フェル

「体があったけー」

「なんだこれ…」


隊長

「大ファンです…」


座り込んだまま、

フェルを見上げる隊長。


頬を、

赤らめていた。


直樹

「は?」


Dovira

【ねえ。Dimilちゃん。】

【お話しようよ〜。】


Dimil

【…。】


Dovira

【お姉ちゃん泣いちゃう】


Dimil

【ヤダ…。】


フェル

「え!」

「今なんて言った!?」


Dimil

【…。】


不意に

首の後ろを触れた。


Dimil

【きゃっ…】


フェルは、

頬が熱くなった。


フェル

「お…女の子なんですね…」


カルディ

「そうよ」


フェル

「ディ…ミル?何で、黙ってるの?」


Dimil

【…】


直樹

「恥ずかしがり屋なんじゃね?」


肩をすくめた。


「ねぇ」


声の方へ振り向く。


隊長

「戦わないの?」


よいしょっ

と言いつつ立ち上がる。


隊長

「折角、バフついたんでしょ」


カルディ

「駄目よ」

「Guiarがまた暴走しちゃったらどうする気?」


隊長

「そうか…」

《つまんない》


いじけた。

そんな母を見て呟く。


直樹

「鬼ごっこだったらいいけど…」


隊長

「いいの!?」

『直樹ラブ』


目を輝かせる。


カルディ

「駄目!!」

「もうっ。直樹くん余計なこと言わないの」


カルディの、

背から咳払いが聞こえてきた。


中将

「説明してもいいかな?」


隊員たち

「見つけたぞ!!」

「南戸中将!!」


中将

「げっ!!」


中将は、

フィールドの中央へ逃げていった。


隊員たち

「探したんですよ!!」


中将

「試させてもらう」

「お前たち、私を倒したら戻ってもいい!!」


隊員たち

「「は!?」」


カルディが、

手を合わせる。

パッと顔が明るくなった。


カルディ

「やってみましょうか!」


直樹・真彩・フェル

「「「何を」」」


カルディ

「役割わかったよね?」


直樹

「…全然」


カルディ

「取り敢えずやってみましょうよ」

「指示出すから〜」


フィールドの中央で、

中将は、刀を構えだした。


フェル

「やるしかないの?」


嫌々。


Dovira

【Dimil。さあ一緒に歌うよ!】


Dimil

【……ヤダ。】


その代わり。

静かなビートが、フィールドを包み込んだ。


Doviraが導き始める。


【♪In Praise of Courage♪】


重ねるように、

Guiarが歌い出す。


【♪May my feelings reach you♪】


温かい。


胸の奥に、

闘志が燃え上がるようだ。


脳裏に、

文字が浮かび上がる。


直樹

「♪I’m here, and you’re♪」


フェル

「♪You’re not alone♪」


大将

白龍(ホワイト・ドラゴン)、何をやっている!!」


中将

「その呼び名やめろ!」

「さあ…」

「この私を倒してみろ!!」


隊長

「じーじ、暴走してね?」


カルディ

「してるわね…」


隊長は、

カルディを呆れた顔で見つめた。


隊長

「誰のせいかな?」


カルディ

「えっと…」


視線を、

逸らした。


隊長

「大丈夫なわけ?」

「Guiarそのままだとまずくね?」


カルディ

「待って!」

「そうよ!あらやだ!」


UIを操作する。


カルディ

「ぇ…制御できない…」


隊長

「歌ってればそうだろう」


カルディ

「そうじゃなくて…」


慌てる。


カルディ

《どうしたら…》


誰も、

中将へ戦闘を仕掛けなかった。


旋律だけが演習場に響き渡る。


隊長

「じーじのシステム制御ならできるんじゃない?」


カルディ

「その手があったわね」

「ありがとう」


「あれ…」

「……」

「侵入できない!」


隊長

「歌の影響?」


カルディ

「そうみたい…」


隊員

「落ち着いてください!!」


大将

「刀を降ろせ」


次の瞬間。


中将は、

膝から崩れ落ちた。


続いて、

直樹とフェルも倒れる。


旋律が静まった。


「カルディ!これは、どういうことだ!!」


少将が、

駆け下りてきた。


少将

「……」

「なぜ、真彩がいる…」


隊長

「え。いちゃ駄目だった」


少将

「出張のはずだろ」


隊長

「ラファルサが替わってくれた」


少将は

額に手を当て、

ため息を吐いた。


少将

「ラファルサじゃなきゃ駄目なんだ…」


カルディ

「Naparnikは歌わないわよ」

「代わりに、制御機能があるの」


少将

「わかっているなら!なぜ、中止しなかった!」


カルディ

「申し訳ございません」

「浅はかでした」


少将

「Guiarを端末に戻しておけ!」


カルディ

「はい!」


隊長が、

小さく口ずさむ。


「♪Thank you♪」

「♪for choosing me.♪」

「♪I’m truly happy to have met you.♪」


「♪Your love is right here♪」


少将

「真彩!」


隊長

「あ…はい!」


少将

「ありがとう…」


中将へ、

向かって歩いていった。


隊長は、

頬が熱くなり、

胸が締め付けられた。


少将と大将に、

支えられ、連れ出される中将。


それを見届ける、

カルディと隊長であった。


Next time

――傷跡

『Still Awake』

作詞:しろ兎

作曲・ボーカル:SUNO


寝るって言ったのに still awake

布団の中で 抜け出せない

終わらせるはずが 遅すぎて

このリズムだけ I can’t break


スマホが落ちて hit my face

一瞬覚醒 それでもダメ

メモ開いて 書くはずだった

気づけば now it’s something else


静かな部屋 the ticking clock

時間だけが 回り続ける

止める理由より 続ける理由

なぜか分からず still moving


寝るって言ったのに still awake

やめるつもりが また続いてる

意味なんてない それでもいい

これが私の own pace


I won’t let it fade

just don’t burn it out


I won’t let it fade

just don’t burn it out

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