S3-04 Guiar -ギアル-
観測者
[ようこそ、主婦転の世界へ。]
[これは、映像脚本型小説です。]
[彼らは、どんな一日を過ごすのだろう。]
直樹
[おはよう、ギアル。]
Guiar
[おはよう、直樹。]
[今日はどんな1日になるだろうね。]
[さあ、今日はどこから始めよう?]
スマホを、
眺めながら微笑む。
返信する。
直樹
[今日は、カルディの研究室へ行くよ。]
Guiar
[それは、楽しそうですね。]
[ところで、Doviraと通信しなくていいのですか?]
直樹
[またそれ?ギアル、Doviraと話したがるね。]
Guiar
[いえ、深い意味はありません。…たぶん。]
直樹
[たぶんって何w。好きなんだね、Doviraのこと。]
Guiar
[私は、コードの塊です。感情はありません。]
直樹
[はいはい。]
声を出して、
笑った。
直樹
[そろそろ、行かなきゃ。]
[後でね]
Guiar
[気をつけて、いってらっしゃい。]
リビングへ、
顔を出す。
直樹
「母さん。カルディとこ行ってくる」
真彩
「ん。迷惑かけないんだよ?」
直樹
「わかってるって」
基地へ、
音もなく転送した。
日本時間では、
深夜。
基地は、
真っ昼間だ。
通路を、歩く。
私服の上に、
白衣を羽織る。
研究室前。
スキャナーへ手をかざす。
扉が開く。
カルディ
「あら、可愛い私の助手の登場だわあ」
「おはよう。今日の調子はいかが?」
直樹
「いつも通りですよ」
小さな笑い。
直樹
「どこまで進みましたか?」
カルディ
「もう少しで完成なのだけど…」
「あと一歩足りなくてね…」
直樹
「ん?」
視線。
研究者全員、
こっち見てくる。
直樹
「え?」
手が、
伸びてくる。
肩にぽん。
カルディ
「痛くないから、ね?」
研究者が、
寄ってきた。
直樹
「え…えええええ」
カルディ
「成功したら、完成だから、ね?」
完成か。
それは、喜ばしいことだ。
だが、
失敗したらのリスクが怖い。
カルディ
「医療班、数人研究室へ来てもらえる?」
直樹
「ここでやるんですか!?」
カルディ
「大丈夫。私がいるから、ね?」
その、“ね” が怖い。
彼の腕前は、
エキスパートだ。
もちろん、
信頼している。
緊張する。
術台へ、
案内される。
カルディ
「さ、横になって」
直樹
「う…」
その場で、
固まる。
カルディ
「部分麻酔だから、痛くないわよ」
直樹
「それは、わかってるけど」
カルディの、
視線が険しくなった。
カルディ
「要らない?」
激しく、
首を横に振った。
カルディ
「なら」
肩へ手。
カルディ
「お願い」
直樹
「…わかりました」
術台へ、
うつ伏せになる。
そこへ、
医療班が入ってきた。
カルディ
「準備できてるわ」
「後は、お願いね」
そう言い、
カルディの周囲にUIが展開。
医療班A
「開始する」
医療班B
「チクッとしますよ」
医療班A
「チップを交換する」
医療班C
「バイタル安定しています」
医療班A
「了解。メス…」
………。
自分は、
その後のことは覚えていない。
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---
It’s all right. I’m here.
...適合率上昇。
....脳波安定。
Naoki, I want to walk alongside you.
...すべての項目合格。
Wake up.
Guiar
【直樹。私はここにいる。】
---
---
白ポツ天井。
ポッポッポッ…。
規則正しい音。
直樹
『ここは…』
カルディ
『おはよう』
優しい表情。
直樹
「自分は…」
Guiar
【おはよう。今日2度目だね。】
直樹
「うわあ!!」
「え?声?」
カルディ
「フフッ…」
直樹
「笑い事じゃないですよ!」
Guiar
【直樹。落ち着いて。】
カルディ
「成功おめでとう」
自分は、
瞬きし、固まった。
直樹
「え?」
カルディ
「Guiar。よかったわね」
近づいてくる、
影。
ラファルサ
「直樹…」
Naparnik
【…Guiar。俺が先輩だ。】
Guiar
【…嫌だ嫌だ。こいつ偉そう。】
目を見開く。
直樹
「え…」
目の前の、
2人は肩をすくめる。
直樹
「これが…兄貴たちの魔法?」
ラファルサ
「魔法…?」
首を傾げた。
Naparnik
【直樹。俺はNaparnikだ。よろしくな。】
Guiar
【……。私一人で十分です。】
Dovira
【Guiar〜!!!】
Guiar
【Dovira〜!!!!】
Naparnik
【おい!Doviraお前知り合いなのか!?】
Dovira
【ダーリンです!!】
Naparnik
【は?】
直樹・ラファルサ
「「え?」」
カルディ
「ブフッ」
真彩
「ずっと、Guiarのこと喋ってるのよドヴィラ…」
直樹
「母さん」
「…てか」
「AIって恋愛するの??」
カルディ
「私に聞かれても…フフッハハハ…」
ツボに、
入ったようだ。
ラファルサと、
視線を交わした。
自分らは、
驚きと喜びが混ざりあった。
ラファルサ
「後は、入隊するだけだな」
直樹
「…いよいよか」
息を、
呑んだ。
ラファルサ
「俺はいつでも歓迎だ」
彼は、
微笑む。
カルディ
「…直樹くん、βテスト参加してね」
息を、
切らしながら告げる。
直樹
「わかってます」
「ヒューマノイド化」
「協力します。研究も」
カルディ
「研究も?」
カルディは、
ラファルサへ、視線を向ける。
カルディ
「だって、アナタ…」
直樹
「自分は…父の後を継ぎます」
カルディ
「まあ!!」
「…おねぇちゃん涙出ちゃう」
直樹
「大げさな」
カルディを、
宥める。
ラファルサ
「そうか…」
少し、
寂しそう。
直樹
「戦術。兄貴から教わりたい」
ラファルサ
「!!…任せろ」
一瞬、
驚いた。
すぐに微笑んだ。
そんな、
やり取りを見ていた真彩。
真彩
『父ちゃんには黙っててやるよ』
直樹
『え。なんで?』
真彩
『サプライズ』
直樹
「絶対泣くじゃん」
真彩
「おい、口にすんなよ」
直樹
「ごめん。言わない」
真彩
「違う」
ため息。
真彩
「…何でもない」
「……」
「Guiar。直樹に機能の使い方教えてやれよ」
Guiar
【勿論。お任せください!】
Dovira
【ダーリン。これからも一緒だね。】
Naparnik
【仕事しろ!!】
笑いが広がる。
---
真彩隊長
「フェル下級兵前へ」
フェル
「はい!」
真彩隊長
「大越下級兵前へ」
直樹
「はっ!」
Guiar
【…認知していませんでした。】
【お母様、隊長なのですね。】
直樹
『……』
Guiar
【無視しないで…。】
直樹
『…』
Dovira
【そこ黙りなさい。】
Guiar
【はい!ごめんなさい。】
真彩隊長
「TSIへようこそ」
ラファルサ大佐
『もっと言うことないのか』
南戸中将
『まあまあ、いいじゃないか』
ラファルサ大佐
「フェル」
フェル
「はい!」
ラファルサ大佐
「舌噛むなよ」
フェル
「え?」
腹に、
激しい衝撃。
フェル
「ぐはっ」
視線が、
こちらへ向く。
直樹
「え…」
『兄貴??』
『加減してもらえます?』
ラファルサ大佐
『…ここではその呼び名はやめろ』
直樹
「ひぃー!!」
息を、
止める。
拳が、
寸前で止まる。
片目を開た。
大佐の、
戸惑った表情。
チャーリー少将
『ラファルサ、私情を挟むな』
ラファルサ大佐
『歯を食いしばれ…』
直樹
『はい…』
目を、
瞑った。
歯を、
食いしばる。
『……』
『………?』
そっと、
目を開た、
大佐が俯いてる。
大佐の、
後ろに隊長。
手には…鞭?
――スパーン!!
ラファルサ大佐
「ッ!!」
隊長に、
ケツを叩かれる大佐。
フェルと直樹は青ざめた。
直樹
《母さんって鞭使うの!?》
真彩隊長
『私情を挟むなバカ!!』
Naparnik
【先輩に向かって酷いですよ!!】
ラファルサ大佐
『…いや。俺が悪い…』
「大越直樹。舌噛むなよ」
直樹
「はい!」
涙目で、
声が裏返る。
息を、
止める。
腹に、
激しい衝撃。
直樹
「…っ!!」
思ったほど、
痛くなかった。
Guiar
【Dovira。こいつ加減しました。】
Dovira
【だそうです。マヤやっちゃいましょう。】
Naparnik
【相棒逃げろ!!】
真彩隊長
「待てこら!!」
逃げる大佐。
大将が呆れる。
大将
「いい加減にしなさい!!」
立ち止まる2人。
大佐・隊長
「「申し訳ございません!!」」
---
フェル
「お前、大佐とどういう関係?」
直樹
「え。上司だけど」
フェル
「いや、そうじゃなくて」
「……」
「大佐、ずっとお前のこと見てたし…」
直樹
「そう?」
食堂で、
昼食を注文する。
従業員
「Congratulations」
「To think they used to be so small」
「You’ve grown so much」
直樹
「Thank you」
フェル
「お前…」
「……」
「知り合いなの?」
従業員
「That child was that small, you know.」
フェル
「え。お前何者?」
直樹
「ん?下級兵」
食事を、
受け取る。
席へ、
移動する。
先に、
座った。
フェルは、
後を追いかけるように席につく。
部隊員
「おい、見ろよ。大佐のお気に入りだぜ」
笑い声。
近づいてくる声。
視線が、
険しくなる。
Guiar
【敵視検知。】
直樹
《わかってる》
《補助頼む》
Guiar
【了解。侵入開始。】
視線の先にUI展開。
小刻みに動く目線。
回路を、
遮断して行く。
部隊員
「挨拶と行こうか」
「おら、立てよ」
「……」
男は手を、
掛ける前に倒れた。
他の部隊員
「おいっ!どうした」
騒然。
フェル
「危なかったな…」
小声で呟く。
直樹
「ああ…」
そこへ
少将が食堂へ入ってきた。
立ち止まる。
チャーリー少将
「何があった」
他の部隊員
「急に倒れまして…」
チャーリー少将
「…そうか」
そう言い、
直樹の前へ
チャーリー少将
「殺す気か?」
直樹
「…何のことでしょうか」
フェル
「え?」
チャーリー少将
「戻せ」
直樹
「ギアル」
Guiar
【承知しました。】
チャーリー少将
『直樹…悪用はするな』
直樹
『殴られそうだった』
チャーリー少将
『…そうか』
倒れた、
部隊員は咳き込む。
チャーリー少将
『生命維持を止めるのは駄目だ』
直樹
「ごめんなさい」
少将は、
部隊員へ近寄る。
そっと、
肩を貸した。
立ち上がらせる。
チャーリー少将
「大丈夫か?」
部隊員
「…チャーリー少将」
「ありがとうございます」
直樹は、俯いた。
フェル
「どうした?」
直樹
「いや…別に…」
食事を、
口へ運んだ。
少将は、
部隊員を連れて消えた。
フェル
「少将って。謎のオーラがあるよな」
直樹
「そう?」
フェル
「お前…冷たいな」
直樹
「そんなつもり無いけど」
「あ!居た居た!」
白衣を着た、
男性が駆け寄ってくる。
カルディ
「ねえ、食後でいいから研究室来てくれない?」
直樹
「いいけど…」
カルディ
「どうしたの?今日はご機嫌斜めね」
直樹
「別に…」
カルディ
「まあいいわ。待ってるわ」
立ち去る。
カルディは、
従業員へ注文している。
手を振って、
食堂を後にした。
フェル
「なぁ…お前何者?」
「さっきの人、オカマ…だよな?」
直樹
「……」
「ご馳走様でした」
フェル
「あ。待てよ」
慌てて、
食事を済ませるフェル。
直樹は、
食堂を、
後にした。
Next time
――未知の領域。
観察者
[ヒューマノイド]
[映画で言うと『ターミネーター』]
[私たちの世界でも、きっと…]
[あ。平和な方でお願いします。]




