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3/10

S3-03 5年前の七夕

観測者

[ようこそ、主婦転の世界へ。]

[これは、映像脚本型小説です。]

[5年前。5月31日にデブリ事件が起きた。]

[その年の出来事。]

Dovira

【何これ。】


真彩

《折り紙》


Dovira

【何に使うの?】


真彩

《秘密》


カゴが振動。


真彩

「おい!」


大地

「ん?」


真彩

「ん?じゃない」

「トランプ何に使うの」


大地

「いや…直樹が“買わないとしばく”って言うから」


直樹

「ん?」


直樹。

二度見する。


直樹

「え?」


Ratio

【…大地が欲しいだけでしょう。】


大地

《え?》


Ratio

【ため息。】


Dovira

【もう一人いますよ。】


カゴが、

ズシッと

重くなった。


背後へ

視線が行く。


真彩

「おい!」


ラファルサ

「…」


真彩

「無視すんな」


無言で、

どこかへ、

去って行った。


大地も、

居なくなっている。


真彩

《アイツら…》


服を、

引っ張られた。


視線を向けた。


真彩

「どうしたの?」


直樹

「えっとね…消しゴム欲しい」


恥ずかしそう。


真彩

「遠慮しなくていいのに」


直樹

「だって…」


真彩

「必要なものなんだから」


直樹

「あのね…練り消しも欲しいの」


真彩

「……いいけど」


直樹

「いいの!?」


目に、

輝きが戻る。


そっと、

頭を撫でる。


真彩

「いいよ」


直樹

「やった!選んでくるね!」


文房具、

売場へ去って行った。


Dovira

【可愛いですね。】


ふっ


真彩は、

小さく笑った。


“あるもの”を

取ってカゴへ入れた。


直樹の、

元へ移動した。


真彩

「決まった?」


直樹

「これいい?」


見せてきたのは、

香り付きの消しゴム。


真彩

「見せてみ」


受け取る。


弾力。

メーカー。

濃い筆記でも消えるか。


じっくり観察。


その姿を、

じっと見るめる直樹。


真彩

「合格。予備も買っとけ」


直樹

「やった!」

「あ…」

「練り消しこれ」


見せてきた。


真彩

「好きなのにすればいいじゃん」


直樹

「女子が使ってそうだから…悩んでて」


よく見ると、

紫色でラメが入ってる。


真彩

「ラメが綺麗だと思ったの?」


小さく頷く。


真彩

「入れ物変えれば良くない?」


それを、

聞いた途端。


驚きの表情。


真彩

「いつも使ってるケースと入れ替えればいいじゃん」


直樹

「そう来たか!!」


Dovira

【直樹くん見てると癒されますぅ】


真彩

「うし」


カゴを覗く。


直樹へ、

視線を戻す。


真彩

「会計するけど、他には?」


直樹は、

首を横に振る。


真彩

「そう」

手招きした。

「行こう」


後ろを、

歩く直樹。


それを、

追いかける影。


カゴが、

また重くなった。


立ち止まる。


振り返った。


ラファルサ

「……」


Dovira

【先輩!?】


Naparnik

【俺何もしてないし。】


Dovira

【何で止めないんですか!?】


Naparnik

【そう言われても…。俺、手ないし。】


Dovira

【…。私もありませんでした。】


真彩

『何漫才してんの?』


ラファルサ

『後で払う。ならいいだろ』


真彩は、

小さくため息。


真彩

『絶対だよ!』


カゴが揺れる。


後ろへ、

振り返る。


大地だ。


真彩

「おい」


大地

「え?」

「いや…直樹が…」


Ratio

【もう通用しないですよ。】


大地

《知ってる》


真彩の、

冷たい視線。


大地

「ああ…腹減ったなー」


去って行った。


真彩

《腹立つ》


セルフレジ。


直樹

「スキャンしてもいい?」


真彩

「ん?待って」


見渡す。


複数の、

レジが空いていた。


真彩

「いいよ」


素早く、

会計を済ます。


直樹と、

一緒に袋詰め。


真彩

《男2体どこにいる》


Dovira

【待ってね。】

【…いた。休憩スペースで座ってる。】


真彩

《いい度胸だな》


男2体の前で立ち止まる。


真彩

「お待たせ」

『お前ら覚悟できてんだろうな』


大地

「ん」

『え。何のこと?』


ラファルサ

『俺も?』


眉をひそめる。


真彩は頷く。


ラファルサ

「……」


Naparnik

【自分で購入すれば良かっただけでは?】


ラファルサ

《面倒くさい》


真彩

「帰る!」


3人に、

衝撃が広がる。


大地

「なぜ!?」


直樹

「えええ!!」


真彩

『ご自分の胸に手を当てて』

『よーく、考えてください』


ラファルサ

『俺は悪くない…はず』


Naparnik

【相棒は大丈夫!…たぶん。】


大地

「直樹が悲しむだろ!!」


真彩

「見苦しいぞ」


大地

《……》

「ごめんなさい…」


真彩

「帰る!マック買って帰る!!」


意地悪そうに微笑む。


直樹

「やった!!ポテト食べる!!」


真彩

「買ってこい」


大地へ、

財布を渡した。


真彩

「車のカギ貸せ」


大地から、

カギを受け取る。


真彩

「エグチで飲み物要らない」


大地

「了解」


真彩

「直樹、パパに付いてくんでしょ?」


直樹

「うん!」


真彩

「ラファルサは聞くまでもないな」


真彩は、

去って行った。


2体と1匹。

マックへ出陣。


大地

「期間限定やってんじゃん」


直樹

「ザク切りポテトって?」


大地

「見てみ」


直樹

「こっち?…パパ!ナゲットも頼も」


大地

「相棒は、ハッピーセットでいいか?」


クスクス、

笑っている。


ラファルサ

「ビックマック」


大地

「おk」


Naparnik

【良かったの?おもちゃ付きっすよ。】


ラファルサは、

首の後ろを撫でた。


Naparnik

【や…やめろよ!悪かったって!!】


じっと、

直樹が見てくる。


ラファルサ

「ん?どうした」


直樹

「何でもない」


ラファルサは、

首を傾げた。


大地

「相棒。飲み物は?」


ラファルサ

「……コーラでいい」


注文する、

大地の姿を見つめる。


Naparnik

【なぁ。俺思うんだけどさ。】

【“相棒”は俺だけでよくね?】


ラファルサは驚いた。


思わず、

声に漏れる。


ラファルサ

「え…」

《……》


直樹

「298番だって」

「……」

「ラファにぃ?」


覗き込まれた。


ラファルサ

「あ。ああ…そうか」


覗き込む、

小さな顔が微笑む。


手を、

掴まれた。


優しく、

握り返した。


Naparnik

【無視ですか…。】


Ratio

【くだらない。】


Naparnik

【な!聞き捨てならないな!!】


Ratio

【はいはい。】


Naparnik

【言っておきますが……】


ラファルサ

『黙れ!』


大地

『うるさい!』


Naparnik

【ごめんなさい。】


Ratio

【敵視を検知。Naparnikです。お気になさらず。】


大地

『まったく…』

「お待たせ」

「行こう」


直樹

「いい匂い〜」



---



車内。


真彩

「お腹減ったー」


Dovira

【ムキにならなきゃ良かったのに】


真彩

「だってさ!」


ため息。


真彩

「腹余計減る」

「寝かせろ」


Dovira

【過労だね。】

【最近、任務が過激だもんね…。】


真彩

「だから、早く帰りたかったの」


Dovira

【そうだったのか…。お疲れ様マヤ。】

【…おやすみ、マヤ。】


静かな寝息。

荷物へ、

倒れ込んだ。



---



コンコン

コンコンコン


窓を叩く音。

車内に響く。


Dovira

【…マヤ。帰ってきたよ。】

【マヤ。…どうしよう。】


――ガチャ


大地

「寝ちゃったか」


Ratio

【Dovira不安な思いさせたわね。】


Dovira

【ママ…。ママがいて良かった。】


Ratio

【帰りましょう。我が家へ。】


Dovira

【はい!】


――バンッ!


大地・直樹

「「しー…」」


ラファルサ

「すまん」


ピピ


スラドドアが締まる。


大地

「出発するぞ」


小声で

呟く。


車は、

帰路へ向かった。



---



温い。

気持ちがいい。

安心する。


耳元に息。


静かに、

瞳を開た。


いつもの天井。

我が家だ。

寝室だ。


隣で、

寝息を立てていた。


真彩

『大地…』


ふわっと、

頬へ口づけ。


大地を、

起こさないように、

そっと体を起こす。


大地

「ん〜」


体を、

引き寄せられた。


真彩

「うわっ」


大地

「ねえ。今日」


真彩

「疲れてるの分かってて言ってる?」


大地

「…ごめん」


真彩

「……私こそ」



Naparnik

【相棒って呼んでいいのは、俺だけだって言ってるだろ!!】


ラファルサ

『黙れ!!呼び名なんぞ、どうでもいい!!』


Naparnik

【俺は!!相棒にだけ、相棒って呼ばれたいだ!!】


ラファルサ

『お前、何を言っている』


Naparnik

【だから!!】


Ratio・Dovira

【【Shut Up!!】】


ラファルサ

『ほらな、ナパ黙れ』


Naparnik

【ぐぬぬぬ…。】


リビングの扉が開く。


真彩

『うるさいな…』


ラファルサ

「…おはよう」


真彩

「おはようじゃないわよ」


ラファルサ

「いや…悪い」


大地が、

後から入ってきた。


大地

『…最悪』


ラファルサ

「どうした」


大地

「あん?」


ラファルサ

「ん?え…」


直樹が、

部屋から、

駆け寄ってきた。


直樹

「ママ、パパ、おはよう」

「ママの分、取っといたよ」


真彩

「おはよう」

「ありがとう」


大地

「あ、そうだ。これ」


真彩

「ああ。七夕セットね」

「だって、今日七夕じゃん」


大地

「……」


2体と1匹は、

カレンダーを見た。


直樹

「あ。7月7日だ」


真彩

「短冊書こうよ」


大地

「雨なのに?」


真彩

「雨関係ないだろ」


ラファルサ

「七夕…」


その、

小さい声へ

真彩は振り向く。


真彩

「知らないとか」


ラファルサ

「知ってる。が…やったことがない」


真彩

「嘘つけ〜覚えてないだけだ」


疑いの目を、

向けられるラファルサ。


直樹は、

短冊をひとつ手に取った。


色を、

悩みつつ。


自室へ、

駆けて行った。


真彩

「はい。書いて」


短冊を、

ラファルサへ差し出した。


ラファルサ

「何を」


真彩

「願いを」


ラファルサ

「は??」


真彩

《そんな反応するのか》

「嫌だった?」


ラファルサ

「いや…別に…」

《この歳で願いなんぞ…》


真彩

「何でもいいのよ」

「A5ステーキが食べたいとか」


不敵に笑った。


ラファルサは、

瞬きし、少し戸惑った。


大地

「俺は…」


ペンを、

走らせる。


真彩は、

気を使い、

短冊から視線を外した。


真彩

「ラファルサも書いちゃえ」


ラファルサ

「いま、考えている」


真彩は、

楽しそうに、笑った。


真彩

「私は先に、飾りを作るかのー」


飾りを作り、

造花の笹へ吊るす。


大地

「書けた」


真彩

「なになに?」


大地

「嫌だー」


隠された。


真彩

「後で、じっくり見るもーん」


直樹

「できたー」


駆け寄ってきた。


真彩

「なになに?」

「自分にも魔法が使えるようになりますように」

《え…》


ラファルサ・大地

《《…っ…!!》》


大地

「使えるようになると…いいな」


そっと、

直樹の頭を撫でた。


大地

『複雑だ…』


真彩

『ホントに…そう』


ラファルサ

「書けた」


真彩

「何て書いたの?」


ラファルサ

「大越家を幸せにする。」


Dovira

【ぎゃわぁぁぁぁ!!!】


真彩

《ドヴィラ…》

《うるさい…》


大地

「ありがとな」

「……」

「家族全員笑顔が絶えませんように。」


短冊を、

見せてきた。


真彩

「ちょっと!」

「プレッシャーすごいんですけど!!」


大地

「早く書け」


ラファルサ

「そうだ。書け」


直樹は、

吹き出しながら笑った。


真彩

「いま?」


ラファルサ・大地

「「いま」」


真彩

「えええ」


大地

「逃げれると思うな」


真彩は、逃げた。


大地

「捕らえろ!」


ラファルサ

「ラジャ!」


お腹を、

抱えて笑う直樹。


即捕まる。


真彩

「離せ!!」

「見られたくないんじゃ!!」


――バッーン!!!


落雷。


直樹

「うわああ!!」


直樹、

パニック。


次の瞬間。


暗闇。


直樹

「暗いぃぃ!!!」


大地

「直樹、落ち着け」


真彩

「大丈夫。ママ達ここにいるよ」

《…》

《ん?》


きつく絞まる。


真彩

『おい』


無反応。


真彩

『おい!』


ラファルサ

『護る』


真彩

「は?」


直樹

「怖いよおおお!!」


直樹を、

抱き寄せる大地。


大地

「大丈夫だ」


直樹

「パパッ」


直樹は、

強く、抱き返す。


真彩

『直樹を護れよ』


ラファルサ

『大地が護っている』

『……』

『俺じゃ駄目か』


真彩

「は?」

『いや…駄目じゃないが…』


停電が、

復旧した。


真彩

「近いんだよ!!離せ!!」

「…」

「そんな顔すんなよ」


直樹

「怖かったー…」


大地は、

背中を擦る。


真彩

「寄せるな!!」


抵抗する。


Naparnik

【敵視検知。…俺、知らね。】


Next time

――人工知能。

観測者

[敵視は誰のだと思います?]

[ラファルサは、気にしていなさそうですね。]

[この世界のAI、人間ぽいですよね。]

[最近、ChatGPTも人間味増しましたよね!]

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