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幼き先の“未来”-とわ- 〜護られた子どもは、やがて誰かを護る〜  作者: しろ兎
Season4〜真夏の被災者、復興へ向けて〜
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32/35

S4-11 部外者とは…。

観測者

[部外者とは…。]

[考えさせられますね。]

真彩の私室。

男2人居ない。


「あれ?」


周囲を見渡す。


真彩

「ああ。いいの、いいの」


荷物を、

下ろした。


真彩

「おいで〜」


小さな瞳が、

キョロキョロしている。


真彩の手へ、

鼻先が近づく。


黒猫(ユキ)

「クルウゥ?」


真彩

「嫌かな?」


「抱っこだって」


黒猫(ユキ)は、

真彩の腕の中へ。


真彩

「今のうちに、要るものと要らないもの分別しちゃいな〜」


「はいっ!」

「ありがとうございます」


真彩

「可愛いねぇ〜」

「いいこ、いいこ」


黒猫(ユキ)の、

耳の後ろを撫でる。


次第に、

ゴロゴロ…と喉を鳴らし出した。


灯は、

微笑みながら仕分けをする。


真彩

「お腹減ってる?」

「飲み物は冷蔵庫に入ってるから好きに飲んで」


「お腹は…少し」

「飲み物は麦茶いただきますね」


冷蔵庫を開け、

ペットボトルを取り出した。


「なおママは…」

「ぁ。ユキちゃん喉乾いてるかな…?」


真彩

「常温の水がいい?」


「はい!」


床へゆっくり、

ユキを下ろした。


真彩は、

お皿を床に置く。


真彩

「Water」


お皿の中が、

水で満たされた。


ユキは、

ゆっくり近づいてくる。


――シュゥー


出入り口が開いた。

大荷物を背負った、男2人。


大地

「真彩。酷いじゃないか」


真彩

「え?」


不敵に笑む。


2人は、

床に荷物を下ろした。


真彩

「灯ちゃん。猫ちゃんと一緒に休憩してて」


真彩は、

大地とラファルサへ視線を合わせた。


男2人は頷く。

真彩も頷いた。


大地

「行ってくる」


「でも!待って!」


大地

「持ち出せるもの、ここにすべて持ってくる」


真彩

「仕分けしてて。お願い」


優しい、

なおママとなおパパの表情。


真彩

「一人が心細い?」


「…ちょっとだけ」


大地

「遠慮するな」

「端末使ってあいつを呼び出して構わないよ」


「じゃ、行ってくる」


「行ってらっしゃい」


灯は、

3人に手を振った。


3人は、

姿を消した。


「ユキ、直樹くん紹介するね」


端末を取り出す。


Connect

【ダック呼び出せばいいのですか?手配済みですよ。】


「早い!なんで勝手にするの?」


Connect

【少しでも寂しいと言ったのは、アナタですよね?】


「そうだけど…」


Connect

【そろそろ、こちらに到着しますよ。】


「……うん」


――シュゥー


扉が開いた。


直樹はゆっくり入ってくる。


視線が重なる。

微笑まれた。



-



真彩

「さてと…」

「……」

「どこから攻めましょうか」


Dovira

【うわー…。1階ぺっちゃんこ…。】


大地

「位牌を探してほしいって」

「手分けするぞ」


Naparnik

【瓦礫どかしが俺らの役目だな。】


ラファルサ

《ああ…》


3人は、

各自捜索し始めた。


ラファルサ

『お前ら怪我するなよ』


真彩

『わかってるって』


大地

『特に真彩気をつけろよ』


ラファルサ

『そうだ』


真彩

『はいはい』


黙々と、

作業を進める。


大地

『誰かこれ受け取ってくれないかー』


ラファルサ

『了解』


ラファルサは、

大地から荷物を受け取った。


道路の方が騒がしい。


Naparnik

【警察が居る…嫌な予感しかしない。】


森 とみこ

「見て!!」

「あれよ!泥棒よ!!」


警察官

「迷彩服ですし」

「…自衛隊の方では?」


森 とみこ

「バケモノなのよ!!」


警察官

「はぁ…」


森 とみこ

「逮捕して頂戴」


警察は、

面倒くさそうにこちらへ向かってくる。


警察官

「作業中、申し訳ないのですが…」


ラファルサ

「はい。どうされました」


警察官

「自衛隊の方で間違えないでしょうか?」


ラファルサ

「そうですが」


警察官

「証明できるものはお持ちですか?」


ラファルサはため息。


荷物を、

地面へ置いた。


証明書を提示。


警察官

「TSI…TSI!?」

「失礼しました!!」


Naparnik

【驚いてたな。】


ラファルサ

《だろうな》


警察官

「お勤めご苦労さまです!!」


ラファルサ

「わざわざ、出動ご苦労さまです」


警察官は深々とお辞儀した。

“森 とみこ”の元へ下がった。


何か話している。


Naparnik

【あの警官、おばさんと揉めてるな。お気の毒に…。】


しばらくして、

警察官は、

去って行った。


“森 とみこ”は、

じっとこちらを見つめる。


Dovira

【あの人、しつこいね。】


真彩

《ああいうのは、どこにも居るからほっとけ》


ラファルサ

『大地。交代だ』


大地

『了解』


ゆっくり、

2階の窓から出てきた。


汗を拭う。


真彩

「あ。あった」

「これでしょ?」


2人に、

位牌を見せた。


道路側が騒がしい。


3人は、

視線を向けた。


人集り。


Dovira

【何この人たち…。】


真彩

『こっちが聞きたい』


Naparnik

【何だ!こっち来るぞ。】


ラファルサ

『俺が行く』


中年男性

「おめーら、何者だ!!」


Naparnik

【いや…こっちの台詞(セリフ)。】


ラファルサ

「…自衛隊ですが」


中年男性

「…本当か!?」


舐めるように、

下から上まで見られた。


中年男性

「じゃあ!証明しろ!!」


集団

「そうだ!そうだ!」


外野が騒ぐ。


「あんな小娘が、自衛隊を派遣できるわけがない!!」

「私らだって来てほしいわよ!!」

「ボランティア依頼しても来てもらえないのに!!」


ラファルサ

『大地』


大地

「一旦落ち着いてもらえますか?」


真彩

「家族の片付けしちゃいけないんですか!?」


中年男性の前に立った。


真彩

「私の娘に何か!?」


大地

『真彩??』


Dovira

【マヤ反撃しちゃえ!!】


Ratio

【Dovira刺激しないの!】


Naparnik

【追い返せ!!相棒応戦しようぜ!!】


Ratio

【Naparnik!?】


ラファルサ

『任せろ!』


大地

「おいっ…待て」


ラファルサ

「藤田 灯は私たちの家族だ」


真彩

「純にぃ!」


ラファルサの、

援護に元気が湧く。


真彩

「我が家の片付けしちゃいけないって法律でもあるんですか!?」


野次馬

「家族…」


中年男性

「警察呼べ!」


真彩

「警察ならさっき帰りましたよ」


野次馬

「え…これ本当なんじゃないの」

「可哀想…」

「誰が嘘広めたの?」


集団の中から、

話し声が聞こえてくる。


次第に、

視線は森 とみこへ


「どいて!」


一人の、

女性が割って入ってきた。


森 とみこの嫁

「お義母さん!やめて下さい!!」

「灯ちゃんをいじめるの、やめてと何度言ったらわかるのですか!?」


周囲が、

ざわつく。


森 とみこ

「いじめてないわよ」

「あなたには関係ないでしょ!」

「部外者は黙ってなさい」


森 とみこの嫁

「ぶ…部外者ですって!?」

「息子さんに言いつけますよ!!」


森 とみこ

「勝手にすれば」


嫁姑の紛争が始まった。


Naparnik

【野次馬が去っていきますね。】


Dovira

【私たちの勝利です!】


真彩

『作業戻ろう』


ラファルサ

『ああ』


2人は、

瓦礫へ、

戻って行った。


ぽつんと、

残される大地。


Ratio

【作業、戻りましょうか。】


大地

《あ…はい》


道路での、

やり取りを無視し荷物をまとめる。


大地

「目的達成。帰るぞ」


真彩

「おー!」


3人は荷物と共に、

音もなく基地へと姿を消した。


Next time

――我が家。

観測者

[とうとう認めましたよ。]

[大型の仔犬も灯ちゃんを家族と認めましたよ。]

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