S4-09 譲れないモノ。
観測者
[遅れた分、真夜中に投稿。]
Dovira
【先輩。】
Naparnik
【…ん?なんだよ。】
Dovira
【私たちって兄妹なのですか?】
Naparnik
【今更、何を言っているんだ?】
Dovira
【先輩は…先輩なのに…不思議な気持ちになります。】
Naparnik
【……。】
【Dovira…。】
Dovira
【なあに?】
Naparnik
【……いや…。何でもない。】
真彩
『…え?兄妹じゃないの?』
Naparnik
【俺の作り手は、カルディだ。】
Dovira
【私は、チャーリーです。】
真彩
『大地ってこと?』
Dovira
【そうだよ。】
真彩は、
大地へ、
視線を向けた。
視線を、
ラファルサへ戻した。
真彩
「……いつまでそうしてる。離せ」
離すどころか、
強めに抱きしめ直された。
ラファルサ
「…なぜ」
見つめ合う2人。
真彩
「……だいちー!!」
棒読みで叫んだ。
大地
「ん?」
2人の方へ、
視線を向けた。
大地の、
視線が純と重なる。
ラファルサ
「ん?」
口角を、
上げたまま大地を見つめる。
大地は、
思わず視線を逸らしてしまった。
大地
《何だ、いまのは》
《……犬?》
一瞬だけ、
大型犬がちらついた。
大地
《……》
掌に、
ある物を握りしめる。
床へ、
スーパーボールを投げた。
――トンッ
高く、
跳ね上がる。
全員の視線が、
そのボールを追いかけた。
壁へ、
バウンド。
灯、
目掛けて跳ぶ。
直樹
「うおっ!!」
直樹は、
咄嗟に、
灯を護った。
避けることなく、片手でキャッチ。
直樹
「あぶな!」
握った、
スーパーボールを見た。
灯
「あ…ありがとう」
視線が、
大地へ集まる。
直樹
「なぜに、スーパーボール?」
大地へ返した。
大地
「え?……いや…」
瞬きしつつ、
そっと受け取った。
大地の視線は、
ラファルサへ行った。
スーパーボールを握り直す。
綺麗なフォーム。
膝を上げ、ラファルサ目掛けて投球。
華麗に、
真彩を抱えたまま避けられた。
ラファルサ
「何をする」
壁へ、
跳ね返る。
ラファルサの頭へ。
ラファルサ
「うっ!!」
頭を、
押さえた。
大地は、
黙り込んだまま歩み寄った。
大地
「真彩を離せ」
素直に、
真彩から腕を離した。
大地
「お手」
ラファルサへ、
掌を差し出した。
ラファルサは、
黙ってその掌を見つめた。
Dovira
【え…。待って!】
Naparnik
【お手とは…。】
床に転がる、
スーパーボールをラファルサは拾った。
大地の掌に、
ぽとっと置いた。
大地は、
落とさないように受け取った。
視線が重なる。
大地の、
目元だけが笑っていた。
ラファルサは、
小さく首を傾げた。
大地
「おかわり」
もう片方の、
掌を差し出した。
ラファルサ
「……」
「……は?」
真彩
「大地…さっきから何してんの」
大地
「遊んでる」
Dovira
【マヤ、マヤ…。仔犬ってことですよ。】
Doviraは、
小声で呟いた。
真彩
「は?……そう…か…ふーん」
《犬なのバレたな》
Dovira
【大佐、いま尻尾振ってます。】
真彩
《うん。わかる》
直樹
「ねえ…」
直樹は、
父親へ、
視線を向けた。
首を傾げる。
直樹
「さっきから何で犬なの?」
灯は、
直樹の、
背に隠れたまま笑いを堪える。
Guiar
【彼ほど、純粋な大型犬は、いないと思いますよ。】
直樹
「ちょっと、待った!」
「……えっと…Guiar?」
「兄貴が、大型犬だって?」
聞いていて、
黙っていられない1人の男が居た。
ラファルサ
「誰が犬だ!」
Dovira
【違います!可愛い仔犬です!】
Guiar
【私は大型犬に見えますが。】
Naparnik
【お前ら…相棒が犬だと!?否定できないのが……。】
ラファルサ
「……ナパル!?」
《皆して、俺を犬だと…》
その場で、
しゅんっと俯いた。
真彩
「純にぃ」
ラファルサの頭を、
背伸びした小さな手で、そっと撫でた。
ふわりと、
体が大きな仔犬に、
真彩が包み込まれた。
真彩
「またかよ!」
「………」
「……純にぃ甘えん坊なんだね」
甘い声で、
呟いてみた。
ラファルサ
「甘えん坊言うな…」
少し、
赤らめた顔を背けた。
真彩
『大地、ラファにぃが犬だってやっと気付いたの?』
大地
『え…』
『やっぱ犬だよな?』
真彩は、
大地へ微笑む。
大地
『えっと、真彩はいつから?』
真彩
『5年前から』
大地は、
目を見開いた。
大地
『そんな前から?』
真彩
『ラファにぃ可愛いよね!』
ラファルサの、頭を撫でる。
手を、
どけることもなく、
受け入れる大きな仔犬。
大地
『てか!懐かしい呼び名だな!』
思わず、
鼻で笑った。
直樹
「何か…兄貴、嬉しそう」
《父さん…気づいてしまったのか?》
灯
「ねえ…直樹くん」
裾を、
引っ張られた。
灯
「お兄さんって、母方の?」
直樹
「違う、違う」
灯
「え?」
直樹
「血の繋がりはないんだ…」
「それしか言えない」
静かに俯く。
灯は、
黙って直樹の顔を覗き込んでいた。
優しく、
視線を合わせ、
ふわっと灯の頭を撫でた。
直樹
「気にしないで。兄貴は…」
「僕らの家族だ。これだけは、誰にも譲れない」
灯
「そうなんだね」
小さく頷いた。
Next time
――未来のカタチ。
観測者
[ラファルサ(純にぃ)は、やはり抜けているのであった。]
[ラファルサは、5年前直樹から“ラファにぃ”と呼ばれていた。]




