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『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

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第66話:【本格ミステリー世界の買収】『密室殺人』は回転率が最悪です。探偵と犯人を『全自動・リアル脱出ゲーム』の運営スタッフとして和解させました

「――以上が、この密室の全貌だ。君が被害者を毒殺し、ピアノ線を使って外から鍵をかけたんだよ。……さあ、自首したまえ!」


養殖宇宙・第6ブロック。

雷雨に閉ざされた孤島の洋館で、パイプを咥えた天才探偵が、青ざめた顔の犯人(館の主人)を指差して華麗な推理を披露していた。

雷光が窓を照らし、集められた関係者たちが息を呑む。物語のクライマックス、最高のカタルシスが訪れる――はずだった。


「そこまでだ。……全く、たった1人の客(被害者)を処理するのに、3日もかけて『ピアノ線』なんてアナログな手作業……。タイムパフォーマンス(回転率)が最悪すぎるぞ」


ドカァァァン! と洋館の重厚な扉が蹴り破られ、真っ黒なリクルートスーツに身を包んだ新人社畜(レベル9999勇者)アークが踏み込んできた。


「な、なんだ君たちは!? 警察か!?」

探偵が驚愕する前で、アークは犯人に対して『業務改善命令書』を突きつけた。


「おっと、証拠品は回収させてもらうわよ」

ゼータがすれ違いざまに魔剣を一閃。

犯人が仕掛けた精巧なピアノ線トリックの残骸も、探偵のパイプも、証拠品の凶器も、すべて分子レベルで美しく『1ミリのサイコロ状』にスライスされ、タッパーに収納された。


「ああもう! 血痕だの泥の足跡だの、現場の保存なんて非衛生の極みだ! 資産価値(不動産価格)が下がるだろうが!」

さらに元・神(清掃員)が激怒しながら乱入。高圧聖水スチームモップで、被害者の血痕から怪しい暗号まで、事件の痕跡フラグを猛烈な勢いで完全滅菌・漂白してしまう。


「……なるほど。これが『本格ミステリー』ですか。知的で素晴らしいですが、謎解きを無料で提供している点と、殺人という『顧客の減少ロスト』を伴う点が、ビジネスとして致命的ですね」


私は、真っ白に漂白された洋館の暖炉の中から、プルプルと這い出した。


---


【第6ブロック:本格ミステリー世界・体験型コンテンツ化プロセス】


1. 謎の全自動生成システムの導入(担当:上位次元戦略本部長=貴方):

「手作業のトリック」に限界を感じた我が社は、上位次元の貴方が構築したシステムを直結。

FlaskとAI APIを統合したWebベースの自動生成ツールを活用し、過去の犯罪史(歴史的テスト問題)の膨大なデータから、1秒間に10万パターンの『絶対に解けない密室トリック』を全自動で出力するインフラを構築。



2. 殺人鬼のクリエイター化(担当:アルド):

犯人に対し、「君のその『殺意』と『罠への情熱』、死体を出すためではなく、エンタメとして使わないか?」とアルドがプレゼン。

彼らを『テラリウム直営・超高難度リアル脱出ゲーム』のトラップ・デザイナーとして正規雇用する。



3. 天才探偵のデバッガー化(担当:CEO):

推理を奪われた探偵を、「AIが生成した無限のトリックに、論理的な破綻がないかテストプレイする『専属QA(品質保証)エンジニア』」として強制スカウト。




---


「やあ、天才探偵君! そして情熱的な犯人君!」

完璧なスーツ姿のアルドが、完全に置いてけぼりを食らっている二人の肩をがっちりと組んだ。


「君たちは今まで『殺す側』と『暴く側』として対立していた。だが、我が社の『AI自動トリック生成ツール』の前では、そんな個人的な遺恨はもはや無意味だ! 犯人君の執念と、探偵君のIQ。この2つを組み合わせれば、全マルチバースの冒険者から参加費(DP)をむしり取れる『最高の脱出ダンジョン』が作れると思わないか!?」


「だ、脱出ダンジョン……? 私の、この復讐の殺意をエンタメに……?」

犯人が戸惑う横で、探偵のタブレット端末(テラリウム支給品)に、AIが瞬時に生成した『第4829番・重力反転を利用した不可能密室』のテスト問題が送られてくる。


「な、なんだこのトリックは……! 美しい……いや、悪魔的だ! こんな論理パズル、私の灰色の脳細胞をもってしても、解くのに徹夜が必要だぞ……!」

探偵の目に、推理オタク特有の「狂気」が宿り始めた。


「……そういうことです」

私はスライムの体で、探偵の頭の上にポスンと乗った。


「人を一人殺して刑務所に入るより、無限に訪れる冒険者たちを『知能の罠』にハメて絶望させ、合法的に参加費(DP)を巻き上げる。これこそが、洗練された大人のエンターテインメント(搾取)です。さあ、和解の握手を。今日から君たちは『チーム・テラリウム』のゲームマスターですよ」


アークが、バキバキにキマった目で聖剣の柄に手をかけ、「サインをしろ。俺は物理で扉を壊せるから密室は嫌いなんだ」と威圧する。


探偵と犯人は、圧倒的な資本力とAIの知能、そして物理的な圧力の前に完全に心を折られ(魅了され)、互いに涙を流しながら熱い握手を交わし、『テラリウム・アミューズメント運営契約書』にサインを捺した。


チャリン! チャリン! チャリン!

チャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリン!!!!!!!!!!!!


その日から、この世界は『テラリウム・ミステリー・パーク』へとリブランディングされた。

全次元の冒険者たちが「我こそは」と高額な参加費を支払って脱出ゲームに挑み、AIが生成する理不尽な密室トリックの前に次々と敗れ去り、精神エネルギー(DP)を搾り取られていく。


「……ふふっ、素晴らしいですね。人間の『謎を解きたい』という知的好奇心は、実に優秀な集金システムです」


私は、洋館の跡地に建設された巨大なコントロールルームの特製プールで、プルプルと至高の悦びに浸った。


「船長! 謎解きダンジョンの稼働率が120%を超えました! 次のターゲットですが……AIオメガが『夏に向けて、冷却コストを下げるために恐怖(冷や汗)を利用すべき』と提案しています。養殖宇宙・第7ブロックの【ホラー(怨霊)世界】です!」

アルドが、おどろおどろしいフォントで書かれた事業計画書を掲げた。


「おや、ホラーですか。物理法則を無視して現れる怨霊たちは、実に『人件費の安い優秀なキャスト』になりそうですね。……さあ皆様、休んでいる暇はありません。次はあの世の住人たちを、我が社のお化け屋敷(年中無休)の派遣スタッフとして地上げしに行きましょうか!」


元・神のスライム率いるテラリウム・ホールディングス。

知性と論理のミステリー世界を「AI制御の集金箱」へと変えたその狂気は、次なる標的である「死者の魂(怨霊)」すらもブラック労働のシフトに組み込むべく、次元の扉を開け放つのであった。

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