表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
58/72

第57話:【宇宙開闢事業】市場がないなら創ればいい。我が社の総力を結集し、利益率1000%の『完全養殖宇宙』をビッグバンさせます



「……ふむ。何もない『無』の空間というのは、意外とホコリが溜まりやすいのですね」


全マルチバースを支配下に置いたテラリウム・ホールディングスが次にやって来たのは、時間も空間も存在しない絶対的な『虚無』の領域だった。 そこでは現在、元・神(清掃員)が文句を言いながら、高圧聖水スチームモップをかけている。


「おい、そこ! まだ『可能性の塵』が落ちているぞ! 新しい宇宙を立ち上げる更地だというのに、こんな不衛生な虚無ではスライム船長が病気になってしまう!」


「無」を掃除するとはどういうことか。それは、わずかに漂う量子の揺らぎすらも物理的に滅菌し、完全なるホワイトスペースを作り出すという、神の所業すら凌駕する清掃作業である。


「船長! 虚無の除染と地固め、終わりました! これでいつでも新しい宇宙ハコを置けますよ!」


アルドが、虚無空間のど真ん中に『テラリウム新宇宙・建設予定地』と書かれた看板を立てながら、爽やかな笑顔で報告してきた。


「素晴らしい手際です。……さて皆様、既存の市場マルチバースはすべて狩り尽くしました。これからは、我々自身の手で【利益を生み出すためだけに設計された宇宙】をゼロから創り出します」


私がスライムの体でプルプルと宣言すると、集まった社員たち(かつての神々や魔王、AI、創造主を含む全テラリウム・スタッフ)が、熱狂的な歓声を上げた。


【新規事業:テラリウム養殖宇宙・設計プラン】

1. 物理法則のマネタイズ(担当:AIオメガ&概念の神々):

* 「万有引力」や「光の速さ」といった基本法則に、すべて『従量課金制(DP消費)』を導入。

* 新しい宇宙で生まれる生命体は、「息を吸う」「歩く」だけで微細なDPを我が社に支払う仕組み(サブスクリプション)を遺伝子レベルで組み込む。

2. 初期特異点の圧縮(担当:バレル):

* これまで全マルチバースから巻き上げた天文学的なDPの塊を、バレルの重力魔法で「極小の一点」にまで圧縮。これを『ビッグバンの種(起業資金)』とする。

3. 空間の拡張工事(担当:ゼータ):

* 「虚無って斬り甲斐がないわね!」とぼやきながら、ゼータが魔剣で空間の枠組みをスライスし、宇宙が膨張するための「導線(逃げ道)」を美しく整える。


『……重力演算、最終フェーズ。DPの圧縮率、限界突破。……おい船長、このエネルギーの塊、少しでも気を抜いたら俺の徹夜の計算ごと吹き飛んで、すべてが消滅するぞ!』


バレルが、目の下にすさまじいクマを作りながら、両手で「輝く超高密度の特異点」を押さえ込んでいる。


「ええ、まさにスタートアップの社運を賭けた『初期投資』ですね。……さあ、役員(地球の首脳陣や魔神たち)の皆様、テープカットの準備はよろしいですか?」


虚無空間に設営された特設ステージ。 名誉エリアマネージャーとなった元・皇帝や、すっかり社畜の顔になった元・魔王ガルザたちが、黄金のハサミを持って整列している。


「では、参りましょう。テラリウム・ホールディングス、完全新規事業『養殖宇宙』――」


私がスライムの体で、特異点を結んでいた赤いリボンを、プルンッ!と弾いた。


「――ビッグバン(グランドオープン)です!!」


ドゴォォォォォォォォォン!!!!!


バレルの手から解放された特異点が、爆発的な勢いで膨張を開始した。 しかし、それはただの星や銀河の誕生ではない。


爆発と共に広がっていくのは、無数の『課金トラップが仕掛けられた未開の惑星』であり、『挑戦者を待つ美しきダンジョン』であり、そして『テラリウムの利用規約(絶対の理)』が刻まれた巨大な星雲だった。


「おおおおっ……! 見ろ、新しい星が、新しい命(優良顧客)が生まれていく……!」


ガルザが、誕生していく新しい宇宙の美しさに涙を流した。


『承認。新宇宙における生命体の発生を確認。……彼らが「進化」という名のクエストを開始した瞬間から、我が社への自動送金システムが稼働します』


AIオメガが、冷徹かつ完璧なビジネスモデルの起動を宣言する。


新宇宙のあちこちで、生まれたばかりの原始生命体たちが「酸素を吸うための初回登録料」を支払い、進化の過程で「二足歩行オプション(有料)」をアンロックしていく。 彼らが文明を築き、争い、成長し、絶望するすべての過程が、もはや完全にデザインされた『我が社のコンテンツ』なのだ。


チャリン! チャリン! チャリン! チャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


生まれたての宇宙全体から、生命の鼓動そのものが「DPのチャイム」となって、私の口座へと降り注ぎ始めた。 もはや数字という概念すら崩壊し、口座の画面には【テラリウムの利益=宇宙の総質量】という哲学的な数式が表示されている。


「……ふふっ、あはははは!」


私は、輝く新宇宙の中心で、かつてないほど巨大にスライムの体を膨らませ、大爆笑した。


退屈しのぎの手作業から始まった、泥臭い魔王城の改装工事。 それが今や、全次元を束ね、現実世界をも呑み込み、ついには「宇宙そのものを養殖して利益を搾り取る」絶対的な創造企業へと成長を遂げた。


「船長! 新しい宇宙の第3惑星で、さっそく『勇者』を名乗る存在が誕生しました! 『この理不尽な世界を創った神(CEO)を倒す!』って息巻いてますよ!」


アルドが、営業マンとしての血を騒がせながら、最高に楽しそうな笑顔で報告してきた。


「おや、記念すべき『新規のお客様・第一号』ですね。……さあ皆様、私たちの『大人の遊び(ブラック経営)』に、終わりなどありません。最高のおもてなし(絶望と搾取)で、彼らを歓迎しましょうか!」


元・神のスライム率いるテラリウム・ホールディングス。 その狂気と情熱に満ちたブラック起業スローライフは、自ら創り出した無限の宇宙を舞台に、これからも永遠に、美しく、そして最高に理不尽な利益を生み出し続けるのである。


【テラリウム・ホールディングス企業理念】 一、睡眠は甘え。利益こそすべて。 二、絶望は計画的に。 三、宇宙がないなら、創ればいい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ