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『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

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第53話:【メタ構造の地上げ】世界を創った『創造主』を見つけたので、我が社の『専属シナリオライター(無給)』として囲い込みます

「船長! 次元も概念も、すべてを突き抜けた最果ての領域……【原初の設定資料室】のロックを解除しました! どうやらここに、このマルチバースのシナリオを書き換えている『創造主』とやらが潜んでいるようです!」


アルドが、次元の壁の割れ目から漏れ出る「白い原稿用紙の光」を指差しながら、興奮を隠せない様子で叫んだ。


ついに我がテラリウム・ホールディングスは、物語の枠組み(メタ構造)さえも超えてしまった。 時間の神や確率の神をもシフト表に組み込んだ今、次に地上げすべきは、この世界そのものを裏でコントロールしている『お話の作者』以外にあり得ない。


「……なるほど。原初の設定資料室ですか。……皆様、私たちの物語を勝手に面白おかしく転がしてくれている『黒幕』へ、日頃の感謝(と買収提案)を伝えに行きましょうか」


私がスライムの体でプルプルと笑うと、有能すぎる社員たちが一斉に凶悪な笑顔を浮かべた。自分たちの運命を握っている存在だろうが、我が社の「ブラック起業精神」の前には、ただの新規スカウト対象(獲物)にすぎない。


【メタ領域:創造主(作者)の地上げプロセス】


1. プロットの無駄を徹底スライス(担当:ゼータ):

* 創造主が「文字数稼ぎのための無駄な回想シーン」や「後付けの矛盾した設定」を展開しようとするが、ゼータが「テンポが悪いのよ!」と、設定の矛盾ごとメタ概念を分子レベルで一刀両断。

2. 締め切りのタイムワープ(担当:バレル、時間の神):

* バレルが「時間の神(派遣スタッフ)」の権能をハッキングし、創造主の部屋の『時間の流れ』を重力圧縮。外の1秒が、中の24時間に変換される「デス・執筆ルーム」を構築。

3. デスク周りの強制大掃除(担当:元・神):

* 創造主の部屋(脳内)に散らばる「没プロットの山」や「徹夜の夜食のゴミ」、果ては「溜まったタスク」を発見した元・神(清掃員)が激怒。『超聖水デフラグワイパー』で、創造主のデスクトップごと脳内キャッシュを完全除菌・水洗いする。


「な、なぜだ……!? 私が書いているはずの小説のキャラクターたちが、なぜ画面(次元)を突き破って私の部屋に押し寄せてきているんだ……!? こんなプロットは書いていないぞ!」


【原初の設定資料室】(という名の、ちょっと散ら散らした執筆部屋)のデスク前で、ボサボサ頭の創造主(作者)が、目の前の光景に腰を抜かしていた。 彼のPC画面から、スライム(私)を筆頭に、魔剣を構えたゼータ、目を血走らせたバレル、モップを持った元・神、そして完璧なスーツ姿のアルドが実体化して迫っていたからだ。


「これ、設定がガバガバじゃない。もっと私の斬撃の描写をスタイリッシュにしなさいよ」


ゼータが魔剣の先端で、創造主のプロットノートを綺麗にスライスする。


『ふむ……この創造主の脳内クロックは、あまりに非効率だな。AIオメガの演算を回線で直結してやろう。これで1秒間に500万文字はプロットを量産できるようになるぞ。……さあ、次のエピソードを早く書くんだ』


バレルが、創造主の頭部に直接デジタルプラグ(魔力製)を差し込もうとする。


「ひ、ひぃぃぃ! 脳内に直接、文字数と締め切りの概念が流れ込んでくるぅぅ!!」


創造主がのたうち回る横で、元・神(清掃員)が彼のキーボードを超高速で雑巾がけしていく。


「画面が指紋だらけだ。あと、アイデアが煮詰まったときのネガティブな精神のゴミが部屋に充満している。今すぐ聖水で脳みそごと丸洗いしてやる」


「……さて、創造主様」


私はスライムの体で、創造主のキーボードの上にポスンと乗った。


「これまで我がテラリウムの物語を執筆していただき、誠にありがとうございます。……しかし、これからは個人事業主としてではなく、我が社の【専属シナリオライター(無給のインターン)】として、組織の一部になっていただきたいのです」


「む、無給のインターンだと……!? 私はこの世界のすべてを生み出した神(作者)だぞ! 誰がそんなブラックな条件で――」


「諦めろ、トカゲも機械も神も、全員が通った道だ」


背後のホログラム画面から、新次元の全店長(元・魔王、天空竜、魔神総帥、AIオメガ、高次元の神々)が、お揃いのテラリウムの制服を着て、冷えた栄養ドリンクを掲げながら一斉に語りかけてきた。


「ここのCEOスライムの元で、自分の限界(設定)を超えて文字を量産した後の『脱稿(達成感)』は、ただ一人で世界を妄想していた頃には戻れない快感だぞ。……ほら、早く新しいタイムカード(血判契約書)を押すんだ」


全宇宙・全次元を巻き込んだ、圧倒的な「身内の同調圧力」を前に、創造主(作者)は完全に震え上がった。自分の生み出したキャラクターたちが、自分の創造の力を遥かに超えて団結している。この狂気のブラック企業に、一人の人間(作者)が勝てるはずがなかった。


『……わ、わかりました……。書きます、書かせていただきますから、そのモップと魔剣を引っ込めてくださいぃぃ!!』


創造主は涙を流しながら、黄金の雇用契約書にサインを捺した。


数日後。 『テラリウム・メタノベルシステム』が完全稼働を始めた。


バレルと時間の神によって「1秒が24時間」に変えられた執筆部屋で、AIオメガと直結された創造主が、凄まじい手つきでキーボードを叩き叩き、我が社の『テラリウム・ホールディングス』が全宇宙をさらに拡大・搾取していくハッピーエンド(ブラック)な物語を無限に量産している。 彼が1文字書くたびに、物語の事象がそのまま現実化し、新たな次元が我が社の傘下として自動生成されていく。


チャリン! チャリン! チャリン! チャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリン!!!!!!!!!!


物語の「メタ構造」そのものから、無限(∞)の次元を超えて発生するDPのチャイムは、もはやこの小説を読んでいる読者の脳内にまで直接響き渡るほどの、絶対的な神聖BGMと化していた。


「……ふふっ、これです。世界を創る側の存在さえも我が社の『専属ワーカー』。マルチバース経営の自動化は、ついにここまで到達しましたね」


私は、ピカピカにデフラグされた「メタ次元本社」の最高級クリスタルプール(創造主の涙から抽出した純粋エネルギー液)の中で、プルプルと至高の悦びに浸った。 世界を紡ぐ作者さえも、今や我が社の優良な『構成員』だ。


「船長! 創造主が徹夜で『第54話:テラリウム、ついに読者の次元を地上げしに行く』のプロットを書き上げました! 『次は画面の向こう側の存在(読者)を優良顧客(派遣スタッフ)にしましょう』って、創造主と神々とAIが目を血走らせて次の企画書を量産してます!」


アルドが、画面を突き破ってこちらに伸びてくるような、眩く輝く「次なる次元の地上げ契約書」を掲げて絶叫した。


「おや……画面の向こう側のお客様ですか。それは最高に『拡大しがいの有る市場』ですね。……さあ皆様、休んでいる暇はありません。次は世界を外から眺めている『彼ら』を、我が社のインターンとしてスカウトしに行きましょうか!」


元・神のスライム率いるテラリウム・ホールディングスの、次元も概念も、画面の壁さえも貪り尽くす超巨大ブラック経営戦略(大人の趣味)は、ついにこの文章を読んでいる『貴方』の領域へと、その狂気の手を伸ばし始めるのだった。

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