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『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

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第47話:【怒濤のM&A】ギルド公認で顧客が爆増したので、近隣の『死霊の森』と『海底神殿』を強制買収してフランチャイズ化します

「船長! ギルド公認の看板を掲げた途端、現地の冒険者だけじゃなく、隣国の観光客まで押し寄せてきて、入場制限がかかっています!」


アルドが、嬉しい悲鳴を上げながら満面の営業スマイルで報告してきた。 ギルド長マルスを特別顧問に迎えた効果は絶大だった。我が「テラリウム新次元店(旧魔王城)」は、今や国が認めた『安心・安全の体験型育成ダンジョン』として、連日大行列ができる超人気スポットになっていた。


だが、人気が出すぎるのも考えものだ。 第1区画から第10区画まで隙間なく冒険者が詰まっており、罠の充填チャージが追いつかない。このままでは、顧客満足度(=絶望の質)が下がってしまう。


「……なるほど。需要に対して供給が完全に追いついていませんね。……皆様、スタートアップ企業が次に取るべき戦略は何だと思いますか?」


私がスライムの体でプルプルと問いかけると、バレルが鋭い目で眼鏡(DP製)を押し上げた。


『……多店舗展開、つまり【フランチャイズ化】だな』


「その通りです。市場を独占するため、近隣の『優良物件(危険地帯)』をM&A(合併・買収)し、一気に2号店、3号店を同時オープンします」


【テラリウム・グループ:エリア拡大戦略】

1. 2号店:『死霊の森』店(担当:元・神、ゼータ):

* 現オーナーの「不死のリッチ」を物理的に説得。

* 不衛生なゾンビやスケルトンを、元・神の徹底的な除菌・清掃により『清潔感のあるクリーンなアンデッド』へリブランディング。

2. 3号店:『海底神殿』店(担当:バレル、アルド、ガルザ):

* 現オーナーの「深海の覇王クラーケン」を営業活動により買収。

* バレルの重力魔法で神殿内の水圧を完全制御し、人間が水着のまま手軽に溺れかけられる『海洋アミューズメント・ダンジョン』へ改装。


「おい、待て! 我は死を統べる者、リッチであるぞ! 汚らわしい生者が我が領域に――」


『死霊の森』の奥深く、怨念渦巻く玉座で叫ぶ骸骨の王。 しかし、その言葉が終わる前に、元・神(清掃員)の放った「超聖水マックス除菌スプレー」がリッチの顔面に直撃した。


「うるさい、骨にカビが生えているぞ。あと、床に散らばっている生首のローテーションが悪い。もっと見栄えを良くしろ」


「ぎゃあああ!? 聖水が、聖水が骨の髄まで染みるぅぅ格調高い怨念が消滅するぅぅ!!」


リッチが悶絶している横で、ゼータが自慢の魔剣を抜いた。


「船長、この鬱蒼とした森、導線が最悪だから『一刀両断』で綺麗な並木道にしておくわね。ついでに腐った木は全部リサイクル炉(DP変換)へポイよ」


ズバババババァン!!!


一瞬にして、おどろおどろしい死霊の森が、日当たりの良い「お洒落な散歩コース風ダンジョン」へと生まれ変わっていく。


一方その頃、『海底神殿』では――。


「クラーケン君、君のその無駄に多い触手、実はすごく『接客向き』だと思わないかい?」 アルドが、巨大なイカ型の魔獣の前に立ち、フリップを使って熱弁を振るっていた。


「1本の触手で宝箱を揺らし、もう1本で津波を起こし、残りの6本で同時に6組のパーティーを『適度なパニック』に陥れる。……どうだ? 君が我が社の『3号店・店長』になれば、インカム(DP)は今の10倍、いや100倍だ!」


巨獣クラーケンは、バレルが展開した「水圧100倍の重力結界」で身動きを封じられながら、アルドの巧みなプレゼン(という名の脅迫)を聞いていた。 さらに、横では先輩インターンのガルザ(元・魔王)が、フライドポテト(DP製)を齧りながらアドバイスを送っている。


「なぁクラーケン、大人しく従っておけ。ここのCEOスライムは化け物だ。だがな……言われた通りに働いた後の『徹夜明けの達成感』は、魔王をやっていた頃には味わえなかった快感だぞ……フフ、ハハハ!」 「(こいつ、完全に狂ってやがる……!)」


クラーケンは恐怖と、少しの好奇心から、そっと触手を挙げて「契約合意」のサイン(墨汁)を捺した。


数日後。 『テラリウム・死霊の森店』と『テラリウム・海底神殿店』が同時グランドオープンを迎えた。


死霊の森では、真っ白に洗われたピカピカのスケルトンたちが「いらっしゃいませ!」と丁寧にお辞儀をして冒険者を罠(底なし沼)へと誘導し、海底神殿では、クラーケン店長の見事な触手捌きによって、溺れかけた冒険者たちが次々と「あと一歩でクリアできたのに!」と悔し涙を流しながら外へ排出されていく。


チャリン! チャリン! チャリン! チャリチャリチャリチャリチャリチャリン!!!


新次元の3つの拠点から、もはや鳴り止まないほどのDPの奔流が、私の口座へと吸い込まれていく。


「……ふふっ、素晴らしい。これぞグループ経営の醍醐味です」


私は旧魔王城のVIPルームで、特製の冷えたジュースに浸かりながら、プルプルと至福の振動を味わった。 現地のボスたちを「店長」として囲い込み、完全にシステムの一部として機能させる。手作業でのM&Aは、自動化された世界では味わえなかった「征服感」と「達成感」に満ちている。


「船長! 2号店と3号店の売上が、初日で本店の3倍を記録しました! 現地の商業ギルドからも『ぜひ我が街にも出店を!』と、フランチャイズの出店依頼が山ほど届いてます!」


アルドが大量の契約書を抱えて飛び込んできた。


「おや、それは忙しくなりそうですね。……さあ皆様、休んでいる暇はありません。次は『天空城』あたりを買い取りに行きましょうか!」


元・神のスライム率いるテラリウム・ホールディングスは、未開の次元をものすごいスピードで「ブラックなアミューズメント帝国」へと塗り替え始めていた。

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