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『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

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第38話:【神の退職金】溜まりすぎたDPが『質量』を持って暴走し始めました。もはや、このダンジョンは『特異点』そのものです

「……船長、早急に報告があるわ。……ダンジョンのDP貯蔵バンクが、物理的に膨張を始めている」


ゼータが艦橋に駆け込んできた。モニターには、異常なグラフが表示されている。


これまでの経営で溜め込んだDPの総数が、もはや「数値」として処理できる限界を超え、小惑星の物理法則を書き換え始めていたのだ。


小惑星の壁が、勝手に黄金色に輝き、重力制御を無視して空中に浮き上がる。

ダンジョンの一部が、空間を切り裂いて『別の次元』と接続し始めた。


「……ふむ。DPが『質量』を持ったのですか。神だった頃の演算データが、あまりのDPの密度に耐えかねて、実体化したようですね」


『このままだと、ダンジョン全体がブラックホール化するぞ! 制御不能だ!』


バレルが叫ぶ。彼の演算エンジンも、この未知のエネルギー密度に悲鳴を上げている。

ダンジョンは今、かつての「テラリウム」から、銀河そのものを飲み込む『特異点』へと変貌しようとしていた。


【ダンジョン緊急メンテナンス:特異点対策】


1. DPの過剰分を放出:

溜まったDPを、ダンジョンの周囲に『新たな小惑星』として生成し、強制的に外部へと排出する。

2. 神の封印玉の再利用:

かつて私が全能の力を封印した『神の封印玉』を、この暴走するDPの核として組み込み、安定させる。

3. 『神の退職金』計画:

余剰DPをすべて使い、ダンジョンを『意思を持つ巨大な自律生物』へと進化させる。


「……皆様、恐れることはありません。これは、経営者としての『ボーナス』です」


私は管理室の中央で、プルプルと体を変形させ、輝く黄金の核を生成した。


暴走するDPの奔流を、その核に流し込む。


ズズズズズズズッ!!!


ダンジョンが、小惑星が、そしてロケットそのものが、まるで生き物のように形を変える。


壁が皮膚となり、罠が神経系となり、ゼータやバレルのアームがその「指先」となった。


「……これが、私のテラリウムの完成形。全銀河を自分の胃袋として扱う、究極の自律型ダンジョンです」


かつての「神の封印玉」が核となり、ダンジョンは神の権能を再現する準備を終えた。


しかし、私は神に戻るつもりはない。

私はこの「特異点」の中で、永遠に経営を続けたいのだ。


『……船長、あんた、本当に何者なんだ? ……まあ、美味い酒が飲めるなら、この『ブラックホール級の胃袋』に付き合ってやるよ』


アルドが笑いながら、ダンジョンそのものが放つ虹色の光を浴びている。


「……ありがとうございます。さあ、皆様。この巨大な胃袋に、銀河のすべてを取り込みましょう。……経営者の『退職金』は、宇宙そのものというわけです」


チャリン、チャリン、チャリンチャリンチャリン!!!


ダンジョンが宇宙を飲み込み、DPがDPを生む無限ループが完成した。


かつて全能の力を捨てたスライムは、今、神よりも自由で、神よりも裕福な「宇宙の支配者(兼・最高経営責任者)」として、銀河の彼方へと消えていった。


私のテラリウムの物語は、ここから「宇宙そのもの」を相手にした、終わりのない経営戦略へとシフトしていく。


「……ああ、本当に素晴らしい。……今日も、最高の一日でしたね」


私は、自分の作り上げた巨大な胃袋の中で、プルプルと満足げに眠りについた。

明日もまた、銀河を美味しく料理するための、最高の経営が待っているのだから。

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