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『VRMMOの極悪テラリウム運営 ~可愛いスライムですが、効率化のためにトップ配信者たちを肥料にしていく~』  作者: リリリリス
第2章:神の遊戯編

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第39話:【全知全能のアルバイト】ダンジョンが『特異点』化したので、神様を『派遣スタッフ』として雇いました

「……船長、大変だ。ダンジョンが特異点化した影響で、どうやら『本物の神』を召喚してしまったらしい」


バレルが青ざめた顔でモニターを指差した。


モニターには、ダンジョンの第1区画で困惑し、キョロキョロと辺りを見回す『高貴なオーラを纏った人影』が映っている。かつて私が権能を捨てた場所から、システムのバグを修正しに来た「本物の管理者」のようだ。


「……なるほど。元・神として、これほど面白い来客はありませんね」


私は管理ホログラムを操作し、その「神」の目の前に、ダンジョンの『求人募集要項』を投影した。


【ダンジョン派遣スタッフ募集要項】


・業務内容:

・全区画のメンテナンス(=ゴミ掃除)、冒険者の誘導(=撒き餌)、およびダンジョン特異点の維持管理。


・給与:

・週払い。DP支給(※ただし、神の権能はダンジョン内では使用不可)。


・福利厚生:

・ゼータ様特製の「神殺しのキッチン」によるフルコースを毎日提供。


『……何だ、ここは? 宇宙の歪みを感じてやって来たが……貴様らは、何を企んでいる?』


神は怒り、光の剣を振り上げた。

だが、そこは特異点化した我がダンジョン。神の権能は「ダンジョンOS」によって無効化され、ただの「光る棒」へと強制変換される。


「おや、ご来店ありがとうございます。……ちょうど、第500区画の清掃員が人手不足でして」


私がスライムの体で優雅に案内すると、神は絶句した。

彼は自分の権能が通じないことに気づき、さらに自分が「スタッフ募集」の対象として見られていることに、プライドを粉々に砕かれたようだった。


「……貴様、まさか、以前この宇宙を管理していた……?」


「いいえ。私はただ、最高に愉快な『テラリウム』を作っている経営者です。……さあ、働いてください。その手、手先が器用そうですね。第500区画のゴミ山を、10分で片付けてください」


私は、彼に「清掃用モップ」を手渡した。

かつての「高位存在」が、私の作った罠の掃除を担当する。


『……ふざけるな! 私は神だぞ!』


「なら、働いてください。神であれば、その程度のゴミ掃除、一瞬ですよね?」


ゼータが、鋭い目つきで神を睨みつける。

バレルが、神の周囲に重力結界を張り、逃げ道を塞ぐ。


アルドが、スマホを向けて「新人スタッフの初仕事」をライブ配信し始める。


『……わ、わかった。……やればいいんだろう、やれば!』


神は震える手でモップを握り、第500区画へと向かった。


チャリン。

彼がゴミを拾うたびに、わずかなDPが口座に流れ込む。


……実に、感慨深い。

神として世界を支配していたときには見えなかった「労働の美しさ」が、今、私のダンジョンで体現されている。


「……ふふっ。素晴らしい。全知全能の神さえも、私の経営システムの中では一人の労働者。……これぞ、かつて神であった私が最後にたどり着いた、最高の境地ですね」


私はモニターで、慣れない手つきで掃除をする神を愛でながら、スライムの体で優雅にワインを飲んだ。


私のダンジョンは、もはや宇宙のことわりさえも資源として取り込む、最強の箱庭へと進化を遂げたのである。


「さあ、次はどんな神様をスカウトしましょうか? ……あそこ、第600区画で掃除が滞っていますよ。神様、頑張ってくださいね!」


今日もまた、スライムという名の管理者は、最高の仲間(と神)と共に、宇宙を美味しく「リサイクル」し続けている。


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