第10話 自信もちな
※主人公はまだ言葉を覚えたてで片言です。それを表すためひらがな文章にて表記しておりますので、読みづらいかもしれませんが、表現上ですのでご理解ください。
主要登場人物
〇主人公
カイ・テッタ=甲斐哲太 (かいてった)
三大ラーメンの一つである地域で、ラーメン屋を営んでいた33歳独身。地元高校を卒業後すぐに地元のラーメン屋に修行に入り、30歳になったときに独立し自分の店を持つ。
町の協会での会合からの帰りに、暗い路地裏で悲鳴を聞き駆け付けたが、そこで凶刃に倒れる。
〇パリピュア
異世界フクキタリの女神
ちょっとドジっ子な女神様。
地球で無駄死にしてしまった(笑)テッタの事を気にかけてくれている。テッタが自分の世界で何とか生活できるように、スキルを与えたまではよかったが、ほとんど内容を伝えずに下界に下ろしてしまうというドジをする。
いつも見守ってくれているのか、時折声が哲太に届いている……気がしている。
〇リーク
三兄弟の長子
普通の人族
13歳
孤児院で保護されていたが、最近町にやってきたばかりでまだ慣れておらず、兄弟だけで生きようともがいていた。まじめで勉強熱心な一面がある。
とあることでテッタと出会い、それが縁でテッタとともに行動するようになる。
〇ルーク
三兄弟の次子
普通の人族
12歳
兄リークとともに兄弟で生きようともがいている。兄を助けようと一生懸命。お調子者の気があるが優しい。
〇リザ
三兄弟の長女(三子)
普通の人族
10歳
兄2人とともに行動を共にする。当初は人見知りだったが、徐々に町にも人にも慣れてきて、テッタや兄たちと一緒に行動するようになる。
〇マクガ―
普通の人族
最初にたどり着いた町の冒険者ギルドギルマス。
細マッチョな体で、威厳を持っている40歳くらいの男性。
起こるときはすごく怖いが、面倒見のいい性格をしていて、みんなから頼られている。
〇ザイツ
普通の人族
ツバサの町の商業ギルドマスター。
少し恰幅のいいおじさん。
口調が優しくて穏やかな人柄だが、商売のことに関しては情熱を燃やしている。
寝かせておいた小麦粉団子を、麺棒――と呼んでいいのかわからんが――で薄く平らに伸ばしていき、ある程度均一に伸びたところで打ち粉を打つ。
そうしたらナイフで切り込みを入れていき、四角になるように整えて、横へと積んでいく。
試験的に作る分だけでいいので、そこまで量はいらないけど、後々何かに使えるので、捏ねた分だけ作り置き。
二つ木製ボールを用意してもらい、一つは先ほどの刻んだ肉と塩を入れ、もう一つには赤身肉と塩、さしの入っている部分の肉を刻んだものを入れ、粘りが出てくるまで捏ねる。力を入れて捏ねる。比較できるように2種類の種づくりをする。
それを先ほどの皮の上へと置き、丸くなるように一口大で包んでいく。 決して完全に種が見えなくなるようには包まない。
不思議そうにしていた3人も、「やる?」と聞いたら喜んで参加していた。
一応の大きさの目安を俺が見せて、作り始めてから数十分。子供三人作成の物は、大きさはまちまちにはなってしまったけど、一応の完成形ができた。
今度はかまどに火を入れてもらい、大きめの鍋を二つ用意してそこに水を張る。煮だって来たらその上に、すだれのような植物繊維を編んだものを乗せ、先ほど作ってもらったものを並べていく。
その上から大きめの鍋を逆さになるようにかぶせ、小さな木の板などで縁を浮かせて少しだけ蒸気が逃げるようにする。
そうして簡易的な蒸し器を作った。テンバさんに『蒸篭』のようなものがあるか聞いてみたが、そういう類のものはないとのことなので、今回は試しに作る程度だし、代用することにしたのだ。上手くいけば町の木工職人さんに作ってもらうように手配するしかない。
さて、もう一つの鍋には、もらってきたクズ野菜を入れて、赤身の肉の残りをスライスしていれる。あくが出てきたら取り除き、ハーブを入れて、塩を入れて味を見ていく。
本来なら少し野菜を煮込んだものを使いたいのだが、それは後程しっかりと見定めていくことにし、コトコト煮ること十数分。十分に野菜が柔らかくなり、肉にも味が浸透したところで、小麦粉を椀に入れて水で溶かす。
それを、火を弱めた鍋の中へと混ぜながら投入し、自分の目で少しとろみが出たところでやめ、火を止める。
そうこうしている間に、隣で勢いよく噴き出していた蒸気がほんのりと肉の匂いを乗せて漂い始めた。
「おお!! いい匂いがするぅ~」
「なんだろうか。食欲をそそる匂いというか」
「しかしこっちはおかしなスープだねぇ」
ナツとハルは蒸している方に近づいていき、「ふにゃぁ!!と蒸気に当てられて暑かったのだろう声を上げた。
テンバさんはもう一つの鍋に興味が有るようだ。
「さて、どうだろうか……」
待てと指示してハルが蒸気を吹き出す鍋の前で待機している姿を苦笑いしつつ、蓋代わりにしておいた鍋を少しだけ持ち上げて、中身を一つ確認する。
「うん。透き通ってて……良いかもしれないな」
「ね? ね? できた?」
「あぁ……いいかもしれない」
「そっか!! じゃぁお手伝いする!!」
「ありがとう」
皿を取りに行ったハルの背中を見つつ、熱くないようにと手に布を巻き付けた手で鍋をそっと持ち上げる。
「おぉ!!」
「なるほどねぇ~」
「おいしそうぉ~!!」
そうしてできたものを皿の上に乗せていく。乗せた皿は厨房内のテーブルに置かれ、俺はもう一つの鍋からお椀にスープをよそっていく。
「できた……かな?」
「ねぇこれはなに?」
「見たことのない料理ですね」
「そうだねぇ」
ハルとナツ、そしてテンバさんの前に出した料理。
「こちらが、かんいばん、シュウマイ。こちらがスープとしてのんでもいい。かけてもいい。あんだね」
「あん?」
テンバさんんが聞いてくる。
「とろみのあるものを『あん』といい、それをかけたものを『あんかけ』といいます」
「ほう!! 新しい料理だねぇ!! 興味深いよ!!」
「では、たべてみてください」
「「「たべよう!!」」」
シュウマイをフォークで刺して口に運ぶ3人。
「うまぁ~!!」
「肉汁が……すごい!!」
「ほう!! こりゃうまいね。小さくて口にしやすいし、皮が肉汁を閉じ込めているから、かんだ瞬間にぶわぁっと肉汁が始めるように出てくる」
三者三様に喜んでくれているようだ。
「どれどれ……」
俺も一つフォークに刺して口へと運ぶ。
「……うぅ~ん」
パクパクとに2個目、3個目を食べるハルとナツ。
「あ、ちょっとふたりまって」
「ん?」
「なに?」
「これをかけてたべてみて」
そうれはあんである。
「わかったわ」
「よくわかんないけどわかったよぉ」
「じゃぁ私も食べてみようかね」
三人に今度はあんかけシュウマイをたべてもらう。
「あっつ!!」
「ほふあつほふ!!」
「これは……このとろみが熱を逃がさないようになってるのか……。うん。これも旨いね」
三人が食べたのを確認して俺もぱくり。
「……まぁこれも、こんなものかなぁ……」
本来作りたかったものは別にあるのだが、これはそれの前段階というか、試しに作れるのかのテストを兼ねているので、自分が思ったような味になっていないことに少し残念に思う。
「どうしたんだい?」
「え?」
「そんな残念そうな顔してさ」
「そんな、かお、してますか?」
「あぁしてるね。これだけうまいのに、どうしたのさ」
「……じぶんがおもっているあじ、ちがう」
「はぁ~」
テンバさんが大きくため息をついた。
「なんにせよ。これはあんたが作ったもんだ。自信持ちな」
「テンバさん、これだせますか?」
「ん? 店でかい? 出せるさ。でもあたしは出さない。今見てたのも全部誰にも言わないさ」
「え?」
「何を驚いてんのさ、これはあんたが作り出したもんだろ? それを早く商業ギルドに登録してきな。そうすりゃこれのオリジナルはあんたと正式に認められる。あたしゃぁ人様が作ったもんを、自分が初めて作りましたなんて言うほど落ちぶれちゃいないよ」
俺の背中をバン!! とひと叩きし、にこりと笑う。
「あ、ありがとう」
「いいってことさ。いやしかしこれでもあんたは納得してないのかね? 本当にうまいよ?」
「そうですね。まだうえにいけます」
背中にじんじんとする痛みを感じながら、俺は笑顔を作る。
「はぁ~……。まぁいいよ。あんたがここに住んでる間は、この調理場は好きに使っていいよ。それをあたしに見せてくれるって条件でどうだい?」
「はい。じゃぁそれで……」
テンバさんがにこりと微笑み、俺もそれに微笑んで返した。
簡易版とはいえ、シュウマイは作れるとわかったおれは、数個のシュウマイとあんかけ用のスープを器に入れて、残ったシュウマイを口に掻き込んだ二人とともに、さいふぉ商業ギルドへと足を運んだ。
対応してくれた受付嬢さんと、ザイツさんに「早くも新しい料理かい?」「もうですか?」と驚かれてしまったけど、その二人に食べさせてみると、目を見開いてさらに驚き、早速屋台を出すための登録と出す場所の登録へ進み、屋台自体を見てみることになったのだけど、
早くも、『屋台を出す』『出し物を考える』『作る』という事は青写真的には出来上がったが、問題もある。
それを解決するために、俺はザイツさんへ相談した。
「ならここへ行ってみるといいよ」
「ここは? 木工職人さんのお店ですね」
「わかりました。ありがとうございます」
屋台をどのように使うのか相談し、それ用に熱源である魔石――イノシシ野郎などからとれるらしい――をつけなおしてくれるというので、俺は先に紹介されたお店へと向かうことにした。
若い受付の人に注文し、試作をしてくれるというので1日ほど待つことに。この日はこれで目的は終了し、2人と木工職人さんの店で別れ、俺は一人宿へと戻って夕食を取り、ベッドに入ることにした。
出来上がりを楽しみにしつつ、本格的に調理ができた満足感をかみしめていると、いつの間にか深い眠りへと落ちてしまうのだった。
お読みいただいた皆様に感謝を!!
今度はシュウマイ!!
まぁ簡易版ですけどね。ここからどんどん話を進めていきます。けど内容はのんびり進行ですね。
次回
第11話 食わせろ
お楽しみに!!




