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白猫カフェテリア  作者: 黒茨 奏龍
3/8

第二話 白猫カフェテリアの中身

前回のあらすじ

 父親との絆を胸に、下宿先である白猫カフェテリアに向かう銀次。しかし、あるトラウマからか、はたまた銀次の真面目な性格故か、店に到着するや否や店を分析し始める。

 今回は、前回の外観分析に引き続き、店の中身をお客様としての視点から分析するお話である。

 カフェテリアと言う位だから、結構にぎやかな感じなのだろうかと思ったが、そうでもないらしい。お客も静かで、店員も静かだ。店員の声が小さいのは少々問題だが、静かなお客と店の雰囲気に合わせていると考えれば、あまり気にならないな。というか今更だが、カフェって雰囲気ではなく、どちらかというと喫茶店に近い感覚がする…。でも、お客は少ないわけでは無く、席そのものもそれなりに多いし空席も少ない。なんというか、喫茶店のようなカフェテリア、という感じだろうか。俺は周りを見ながら従業員の方に案内された席に座る。

 「お冷とメニューをどうぞ…」

白色の髪の毛の少女にメニューとお冷を渡される…って、白髪はくはつ!?まわり見てて気付かなかったけど白髪はくはつ!!?しかも真っ白!ムラがない!純白だ!ふと、窓を鏡にして、俺の髪型を見る…。白と黒が混ざったようなムラの多い灰色の髪…俺の髪はどう見ても、よくあるご老人の白髪しらがである。ちょっとうらやましく感じた。なんでこんな俺の髪型は純粋じゃない色じゃないんだろう…そう感じながら、俺は店員の少女を二度見すると、なんとさらに驚くべき発見をした。仕事着の上にパーカーを着ている…ところではなく、フードから猫が覗いているというところだ。というか、飲食店に猫がいるというところが驚きである。よく店舗衛生法を掻い潜れたものだ。しかも見た限りでは白猫だろう…しかも少女同様純粋な白毛…。このことを考えるのはよそう…俺の嫉妬心が膨張するばかりだ…。

 店員の少女を気にするのをやめ、メニューを開く。そこには、コーヒーの銘柄がほとんどを占めていた。料理は端っこに数個あるだけで、カフェと呼ぶには不十分と言わざるを得ない。このメニューを見るに、おそらく元々カフェテリアではなく、喫茶店なのだろう。喫茶店から、カフェテリアに転向したと言われれば、店全体の静かな雰囲気や飲食メニューが少なく、コーヒーが大半を占めている点に納得がいく。まあ、俺の分析が正しいかは別の話なので、後で訊いてみよう。

 それにしても、コーヒーか…。コーヒーには嫌な記憶しかない。初めて飲んだコーヒーは、泥水のような不味さだったな…。まあ、少なくとも店で出すようなコーヒーが不味いとは思えないけど…ここで飲むのはやめておこう。これで飲んで不味かったらコーヒーがトラウマになりかねん…。真新しい忌まわしき記憶が蘇ってくる…。親父の淹れたコーヒーは普通の苦みだったはずなのだが、どこぞの女が淹れたコーヒーは…やめよう、これ以上泥の記憶を思い出すな…。

 俺は、メニューを選んだので呼び鈴を鳴らすことにする。その呼び鈴が普通のカウンターベルだという事に驚きつつも、気にしないようにした。さっきの白髪の少女が現れる。

 「ご注文をお伺いします。」

 「じゃあ、ジェノベーゼパスタを一つお願いします。」

 「ジェノベーゼパスタをおひとつ…以上でよろしいですか?」

 「はい。」

 「それではご注文をご確認します…」

ふむ、接客は小声だが正確に丁寧にこなしている。接客の質は悪くないようだ。俺は、しばし料理を待つ…。

 数分待っていると、注文したジェノベーゼパスタをもって先程の少女が現れる。

 「お待たせしました、ジェノベーゼパスタでございます…」

ことん、とジェノベーゼパスタが綺麗に盛り付けられたパスタが丁寧に置かれる。

 「ごゆっくり…」

相変わらず声がささやかだが、態度は丁寧。従業員の質は悪くないといえる。しかし、ホールの人員があの白髪の少女一人だけなのは気になる…他の人は休みなのか?そう考えつつ、料理を口に含む。

 「え、美味っ…」

盛り付けの時点で美味そうだなとは思ったが、想像以上に美味かった。普通のカフェやレストランで出すには勿体ない位の出来だと、率直に思う。俺はしばらくフォークを動かす手を止める事は無く、気付いた時にはもう完食していた。料理一品でこの満足感…慣れたら他の料理じゃ満足できなくなりそうだな…。

 まとめると、店の中は静かで渋く、かつ新しい感じの見た目をしたカフェテリアで、カフェというよりは喫茶店と言われたほうがすんなり受け入れられる雰囲気をしている。店員のうち、髪が白色の方は声が小さく、仕事着の上にパーカーを着ていて、更にフードに猫を入れている。厨房は表にはなく、恐らくホールの裏の方にあり、料理人の腕はかなりの上級レベル。

 つまり、山の中にある俺の家の店よりは、当たり前だけどかなり上流階級!ぶっちゃけ俺が足引っ張らないか心配になるレベル…。でも、ここで働く以外に行く先は無いし…努力で補うしかない!

 俺は、席を立って会計カウンターに向かう。

 「ジェノベーゼパスタ御一つ、合計600円です…」

え、安くない!?と思いつつ、財布を取り出して御代を払う。そして、白髪の店員に一応質問する。

 「あの、俺実は今日からここで下宿させていただく銀次って言うんですけど、」

 「丁度お預かりし…え?」

 「店長さんから聞いていませんか?」

 「え、あ…一応、聞いてはいますが…」

突然の事で、店員はしどろもどろしている。まあ、当然だろう。俺も同じ立場なら凄い驚いてるだろうし。

 「それで、俺この後どこに向かえばいいのでしょうか?」

 「えっと…表の出入り口から、裏に回って…すぐそこのそこのドアの前でお待ちください…おじいちゃ…店長に、そこに向かっていただくよう連絡しておくので…」

 「あ、はい…わかりました。」

俺は相槌を打って、お会計を済ませた。

これからよろしくね銀次君。私の店はどうだったかな?(by店長)


次回予告、

次回は下宿先としてこれから生活していく場所を見ていくぞ!銀次は、この都会の荒風に耐えられるのだろうか…。

次回、第三話『下宿先の様子』

次回も見てくださいね。

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