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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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素手での戦闘

66話


 優司達は竜族の里の迎賓館で暫しの休息をしている。夜はドラゴニュート達が宴会をしてくれる予定となっていた。

 各々が長旅の疲れをとっている。優司も与えられた部屋のベッドでウトウトとしているところであった。すると、ドアの外からノックをする音が聞こえてきた。優司は目を覚まして起き上がり、ドアに近づいて誰かを確かめた。


「どなたですか?」


「お休みのところ、すみません。ヴァスキ様が優司様に武芸のことで色々と教わりたいとのことでして、中庭にお出でいただきたいとのことです」


 ドラゴニュートの使用人が要件を優司に伝えた。優司は承諾し、準備が出来次第、中庭に向かうと使用人へ伝えた。

 優司は動きやすい服装に着替え、何も持たずに中庭に向かった。中庭にでると、ヴァスキと数人のドラゴニュートが優司を待っていた。

 ヴァスキは優司の姿を見つけると、満面の笑みを浮かべながら近づいてきた。


「優司殿!お休み中のところ大変申し訳ない!話を聞いたら居てもたってもいられなくて、罷り越しました!」


 優司はヴァスキの丁寧な挨拶に笑顔で答え、来訪の詳しい内容を聞いた。


「これはご丁寧に、武芸のことでのお話と伺いましたが、どのような内容ですか?」


「はい、なんでも優司殿は伝説のマスラオではないかと云われているそうで・・・、マスラオと云えば素手での戦闘も熟すと云われております」

「聞けば優司殿は普段は大太刀を扱うが、実は素手にてガーゴイルやトール殿を打ち負かしたと聞きました!」

「いやはや!ジャイアントや魔人を素手で負かすなど考えられません!どのような技であるのか、ご教授いただきたいと思いまして、失礼ながら参じた次第です!」


 ヴァスキは一気に用事の内容を話した。他のドラゴニュートは目を輝かせながら優司を見ている。


「実は、我々ドラゴニュートは素手での戦闘を訓練しております。理由は武器などが手元に無い時に戦闘が起こった場合を想定するためです!そういった不利な状況でも戦える様に訓練をするべきだと考えておりまして!なによりも不利な状況でも戦える自信を付ける必要があると思っております!」


 優司はドラゴニュートの熱い思いを感じた。


「・・・熱いな!燃えるドラゴンだな・・・、どっかで聞いたようなフレーズだなぁ・・・、いや、複数人だから燃えるドラゴンズか・・・、こっちもどっかで聞いたフレーズだなぁ・・・」

「・・・いかんいかん!真剣に話をしに来ているんだ、ふざけたことを考えている場合じゃない・・・」


 優司はヴァスキと他のドラゴニュート達の思いに答えた。


「確かに、俺の元居た世界でも素手での戦闘を重視する理由が自分に自信を持つためということでもあったよ・・・」

「裸一貫!何もない状態でも闘うことが出来る、そういった己を作ることが必要だといった考え方がね!」


「おおっ!そうですか!戦士の思いは世界が違えど同じものなのですな!」

「優司殿の武芸、ご教授願えますか?」


 ヴァスキが喜びながら改めて武術指導の依頼をしてきた。優司は快く承諾した。


「もちろんだ!俺の木ノ葉流武闘術は素手での闘いが本質となる。武器の使用は素手の闘い方に道具を付加しただけのものだから」


 優司が言うと、ドラゴニュート達は一斉に喜び出した。そんなドラゴニュート達を見ながら優司は続けた。


「実はワーウルフ族の里でも武闘術のことを話したことがあるんだが、その時は剣を扱う技を前提にした話だったから少し省略していたんだ・・・、今回は素手での闘い方を聞きたいということなので核心の話もしようか・・・、ただし、かなり長くなると思うが、よろしいかな?」


「もちろんです!よろしくお願いします!」


 優司の問い掛けにヴァスキは嬉々として答えた。すると優司がヴァスキに言った。


「それでは始める前に誰かカイを呼んできてくれないかな?一緒に話を聞かせたいのと、講義の手伝いをさせたいので」


「わかりました!すぐに呼んでまいります!」


 ヴァスキはそう言うと一番近くに居たドラゴニュートに申し付けた。しばらくしてカイがやってきた。カイの後ろを見ると状況を聞きつけたルイとトール、フェンリル、タケゾウ、キヨタもやってきた。


「何!?また武闘術の講義をするの?」


 カイが嬉しそうに優司に話し掛けた。


「ああ、今度は木ノ葉流武闘術の極意を話すことになる。手伝ってくれ」


 優司がそう言うとトールが答えた。


「そいつは面白れぇ!俺も混ぜてくれ!」


「いやぁ、旦那の強さの秘密が解るんですかい!あっしもお願いしやす!」


 タケゾウも嬉々としている。


「もちろん、来るものは拒まないよ!しっかり聞いてくれ!」


 そういって優司は武闘術のことを話し始めた。

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