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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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天空の覇者

65話


「いったい、何があったというのだ!?」


 ヴァスキと呼ばれたドラゴニュートは再度、ヤタに理由を聞いた。ヤタは簡潔に答えた。


「ある者の呪いによってこの様な姿となっております。折り入ってのご相談ですが、呪いを解く方法などはありませんでしょうか?」


「呪いを解く方法か・・・、しかし、天空の覇者と云われた貴殿をその様な姿にするとは・・・、何者の仕業なのですか?」


 ヴァスキの問いにヤタが答えた。


「今は、お教えすることは出来ません・・・、しかしながら呪いが解けた暁には全てお話します」


「そうか・・・、それならば致し方あるまい・・・、それで、解呪の方法か・・・、あいにく我々でも無理だと思う・・・、すまない」


 ヴァスキはヤタの事情には踏み込まず、解呪が出来ないと答えた。


「実は、私は件のエルフの親子と一緒に暮らしておりました。理由はエルフの母親に解呪の方法を解き明かす様にお願いしていたのです。しかしながら、エルフの母親でも難しいとのことでした。ただし、希望はあると言っておりました。樹木神であれば可能ではないかと・・・」


 ヤタはヴァスキにマリアとの経緯と解呪の希望を話した。この話は誰も知らないことであった様子だ。サラもフェンリルもアピスも驚いて聞いている。


「樹木神ユグドラシル、世界樹ですか・・・、それでヤタも我ら竜族の里に来たのか・・・」

「いや、解った!世界樹への案内、私が請け負おう!」

「ヤタが元の姿であればわざわざ苦労して我が里に来る必要はなかったのになぁ!」


 ヴァスキは笑いながら話していた。


「ありがとうございます!よろしくお願いします!」


 ヤタはヴァスキに慇懃にお礼を言った。そして、優司達へ詫びを言った。


「黙っていて、すみません。先の見えないまま話しても意味がないと思っていたもので・・・」


「いや、気にしないでくれ!それよりも、元の姿に戻れるといいな!」


 優司が言うとダグザが話し出した。


「いやはや、ヤタが天空の覇者じゃとは・・・、驚きましたわい!」


「元の姿に戻れる見通しがついてから話そうと思っていました。それで、解呪のために一旦みんなと離れることになると思います」


 ヤタの話に優司が答えようとするとダグザが先に話し始めた。


「それはしかたないですじゃ!是非、解呪してきてくだされ!解呪されたらまた戻ってきてくださるのじゃろ!?」


「もちろん!また仲間に加わらせてもらいます!」


「それならば相当な戦力になりますじゃよ!優司殿!よろしいですじゃろ!?」


 ダグザがほぼ決めていたが、優司は快く承諾した。


「ダグザが言うなら間違いないだろう!早く呪いを解いて戻ってきてくれ!」


「はい!」


 優司達の話の状況を見守っていたサーラガがタイミングを見計らって話し始めた。


「今後の方針も決まった様ですな!お疲れでしょうからゆっくりとお休みください」

「ヴァスキ!よろしく頼む!」


「かしこまりました!」


 竜族との話し合いが終わり、全員が迎賓館に戻る途中でサラがフェンリルに話し掛けた。


「驚いたわね、ヤタのこと!あんた知ってた!?」


「知らん!俺は聞かないし、ヤタも言わなかったからな・・・」

「まぁ、言いたくなかったのだろう・・・」


 答えたフェンリルにサラが聞いた。


「で!あんたの正体は何なの!?」


「俺の正体!?」


 フェンリルが驚いて聞き返した。


「そうよ!あんたの正体!!」

「アピスの正体が聖獣でヤタが天空の覇者なんだから、あんたにも何か秘密があるんでしょ!隠さないで言いなさい!」


「いや、俺はただの狼の妖族だ」


「そういうの、いらないから!」

「この流れでその答えは面白くないでしょ!なんか、こう、凄い正体を現しなさいよ!みんな期待しているんだから!」


 サラは勝手にフェンリルに正体があると決めている。


「ないよ!俺はただの狼だ!」


 フェンリルがイラつきながら答えている。


「だから!それは面白くないっていってるでしょ!」


「うるさいっ!面白かろうが無かろうが、無いものは無いっ!」


 二人が言い争いになりそうなので優司が遮った。


「おい!くだらないことで喧嘩するな!サラも変な期待をフェンリルに負わすな!」


「ちぇっ!はーい!」


 サラは面白くなさそうに飛び去って行った。イラついているフェンリルをカイとモンチ、ルリとレイナが慰めていた。


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