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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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元の世界

21話


 みんな暫く沈黙していたが、ヘパイストが俺に質問をしてきた。


「そういえば、優司様の居た世界とは、どのような世界ですか?こちらの世界との違いはあるのですか?」


 俺は自分の世界をしっかりと説明したことが無いことに改めて気づいた。


「・・・そういえば、元の世界の話をしっかりしたことないなぁ・・・。っていうか、聞かれなかったな・・・。」


「こっちの世界とは全然違うなぁ・・・。まず、以前から話しているように魔法が無い。魔法の代わりに『道具』を使う。魔法が無い分、道具が進化しているよ」

「あと、種族も無い。意思を持つのは『人間』という種族だけかな・・・。人間の中で『人種』という分け方はあるかなぁ・・・。」

「動物、植物、魚、鳥はいるけど意思は持っていない・・・。年数を生きても意思を持つことも無いな・・・。」


 とりあえず、ざっくりだが元いた世界の説明をした。どうやら魔法が存在しないことに驚いている様だ。妖獣や魔物などが居ないことも不思議な様子だ。


「魔法がないとは・・・。火をつけたり、お湯を沸かしたりする場合は、どうするのですか?」


 ヘパイストが詳しく聞いてきた。どうやら道具に興味を持っているみたいだ。


「まあ、道具を使うんだよ。火を付けるための道具とか、明かりを灯す道具とか・・・。色々とあるから・・・。」


 俺は説明しながら荷物の中にLEDランタンと電池があることを思い出した。荷車の前に行くと一番近い所にランタンと電池があった。


「・・・便利だなぁ・・・。整頓の法術・・・。欲しいなぁ・・・。」


 俺はLEDランタンに電池を入れ、説明しながら点灯させた。その明かりを見て全員が驚いていた。

 特にヘパイストが食いついていた。俺は良く見られるようにとヘパイストにランタンを渡した。


「凄く明るいですね!なるほど、これは便利だ・・・。」


「いや、魔法の方が便利だよ!特に法術は!道具を持ち歩く必要がないんだから!」

「できれば俺も法術を使える様になりたいよ・・・!」


 俺は法術の優位性を話し、俺も魔法が使える様になりたい旨を話した。するとダグザが言った。


「ふうむ・・・。優司殿の霊力なら使えぬはずは無いのじゃが・・・。素霊が見えない理由も何かあるのかのぅ・・・?」

「ただ慣れていないだけかもしれませんぞ。ある日突然使える様になるかもしれませんし・・・。そう悲観することではないと思いますじゃ!」


「そうかい!?期待して待つことにしよう・・・。」


 俺はダグザが慰めてくれているのだと思い、同調するように答えた。そして、ダグザが仲間に加わった理由を聞いてみた。


「ところで、ダグザは何で俺たちを助けてくれるんだい?非常に助かっているから不思議に思ってしまってね!何かダグザにとって得があるのかなぁと・・・」


するとダグザは考えながら話し始めた。


「確かにワシに得はないですじゃ!しかし、初めに言ったように世界の趨勢に係わることかもしれませぬ・・・。」

「確信がない段階で話すべきでは無いと思っていたんですがのぉ・・・。この際だから話しましょう!ワシが仲間に加わった理由を・・・」


 ダグザは意を決したように話し始めた。


「ワシは少し前まで魔国の直ぐ近くの町に居ましたのじゃ。なぜ魔国の近くにいたかと申しますと、魔族の動向を監視しておりましたのですわい。」

「優司殿はご存知無いかも知れませぬが、ある一握りの天族と一握りの魔族が非常に仲が悪いんですわい・・・。」

「今より約二十万年前、天族と魔族の間で戦がありましてな・・・。それは酷い戦でしたわい・・・。」

「その戦は形的には天族の勝利、魔族の敗北で終わったんじゃが、どちらも遺恨を持っておりましたな・・・。特に魔族の一部は今でも起死回生の戦を始めようとしておりますのじゃ!そして目を付けたのがエルフという種族なんですじゃ!」


 ダグザは一口、水を飲んで話を続けた。


「亜人は二十万年前の天魔大戦時に発生した種族達でしてな。その中でもエルフという種族は叡智の種族と呼ばれまして、魔族の魔術と天族の法術を直ぐに自分たちのものにしてしまい、更に呪術や錬金術という特別な術を開発しましたのじゃ!」

「そんなエルフを魔族達は常に監視し、天族との戦に役立てようと画策していたようなのですじゃ!」

「恐らく今回の件は、その行動を起こしたと思うのじゃよ。リンの特別な力で天族を滅ぼそうとしておるんじゃろう・・・。」

「ワシは天魔大戦を起させたくないのじゃよ・・・。あのような戦、起こったら不幸しか産まん!」

「それがワシがお供をする理由ですじゃ!」


 俺たちはダグザの思いを理解した。全員、その思いに答えようと決心したようだ。

 俺はもう一つ疑問に思ったことを聞いてみた。


「ところで、二十万年前の戦を見てきたかの様に話しているが、見たの?」


ダグザは笑いながら言った。


「もちろんですじゃ!しっかり見てましたよ!この目で!」


「・・・えっ!おいおい、ダグザって何歳だよ!?二十万年前って!!」


 俺は年齢のことは触れないでおいた。

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