婚活② 初のテレビ出演から婚活という名の沼
今でこそ婚活という言葉は当たり前になった。
しかし当時は違う。
"お見合い"
それだけだった。
カツオは結婚相談所に登録した。
その為に写真を撮りに写真館へ行った。
スピード写真でもよかった。
が、"敢えて"写真館を選んだ。
彼の気合いはそれだけで十分だった。
また、スーツを新調した。
希望は一つ。
「結婚」
ただそれだけのためにだった。
しかし、その普通が一番遠かった。
ある日、彼はテレビのお見合い番組に出演することになった。
司会は徳光和夫。
あの徳光和夫である。
名前を呼ばれた。
スポットライトを浴びた。
歌まで歌った。
その時、アルバイトだったが、正社員と偽った。年収も250万程だったが、350万と"少し"盛った。
「100万くらいなら誤差だろ。」
彼はそう思った。
番組は男女左右に分かれて気になる人に質問したりするというような内容のものだった。
その時、彼が選んだ女性はとても色気があった。
後年、彼は語る。
「いや〜、あの時の女、おっぱい大きくてエロかったなぁ」
そりゃあ結婚なんて出来ないわけである(キートン山田)
そして運命の瞬間。
「絶対あの人だ。」
彼はそう思い見た目がエロい女性を選んだ。
しかし彼女が選んだのは――
年収五千万円。
不動産会社社長。
勝負は一瞬だった。
野球で言えば一球。
ボクシングならゴングと同時にKO。
そして徳光さんにイジられる。
テレビの前で彼は笑った。
録画を見返した。
何度も。
擦り切れるほど。
事実、ビデオテープは擦り切れた。
音は飛ぶ、映像は乱れまくる。
恐らく100回は見たであろう。
彼はこの不名誉な番組をこともあろうかDVDに焼こうと思った。
が、それをやる知識が無かった。
そこで彼は業者に頼んだ。
こんな映像を見せられた業者が可哀想である(キートン山田)
後にこのビデオテープの動画をDVDに焼いた特級呪物を会社の同僚に強引に渡し「帰ったら見るように」と念を押した。




