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 奴隷商を後にした俺は、セレンに話しかける。


「それじゃあ、行こうか?」


 セレンは、頷き、俺の後についてくる。

 宿屋についた俺は、まず、セレン用の部屋を用意しようとするが、運悪く、1人部屋が空いていなかった。今空いてあるのは、2人部屋1つだけだった。セレンにも同じ部屋でいいか確認して、今の部屋を引き払い、追加で料金を払い、2人部屋を借りる。セレンを連れて、部屋に入る。


「よし、それじゃあまずは、傷を治そうか。」


「?」


 セレンは、首を傾げる。


「それじゃあ、悪いけど、ローブを脱いで少し目を閉じて貰ってもいいかい?」


 セレンは、びくつきながらローブを脱ぎ、目を閉じる。

 ヴァイスを取り出し、セレンにむける。


「弾装:天使エンジェル 神癒弾ラファエル


 神癒弾ラファエルが、セレンに被弾すると、目映い光が辺りを包む。

 光がおさまると、無くなっていた腕が見事に復元し、喉の傷もすっかり治っていた。


「もう目を開けて、いいよ。」


 恐る恐る、セレンは目を開ける。


「調子はどうかな?」


「?」


 首を傾げるも、直ぐに違和感に気づいたのか、復元した腕をみて、驚く。


「あ゛」


 声が出たことに、更に驚き、腕を目の前に持っていき、手を開けたり閉じたりする。少しして、泣き出す。俺は、背中をさすりながら、泣き止むのを待つ。しばらく泣いた後、落ち着いたのか腫れぼった目で見上げてくる。


「す…すみ゛ません。」


「大丈夫だよ。落ち着いたかい?」


 セレンは、頷く。


「それじゃあ、自己紹介といこうか? 俺の名前は、滝神 守。君の名前は?」


 鑑定弾カマエルで名前などは確認してあるが、コミュニケーションをとるため、名前を尋ねる。


「わ…わだしは…」


 久しぶりに話すせいか、少したどたどしい。


「ゆっくりでいいよ。」


「は…はい。わ…私の名前は、セレンです。」


 ゆっくり、そしてしっかりとした発音で名前を言う。


「セレンだね。」


 セレンは頷く。


「それじゃあ、セレン。君の事を聞いてもいいかい?」


「わ…分かりました。」


 セレンをベッドに座らせ、話を聞く。

 セレンは、物心ついた時には、どこかの村で、父親と二人暮らしをしていたらしい。どうやら、母親がセイレーンであることは、父親から、聞いたらしい。

 そして、14の時に、父親が他界。その後、村のために、自ら身を売ったと言う。その道中で、モンスターに襲われたそうだ。


「そっか、頑張ったね。」


 そういい、セレンの横に移動して、頭をなでる。

 すると、また、泣き出した。頭をなで続け、泣き止むのを待つ。すると、泣きつかれたのか、セレンはそのまま眠ってしまった。セレンを抱き抱え、ベッドに横にならせ、布団をかける。

 俺は、セレンが起きたときに、食べれそうなものを買いに、出掛ける。



 露店で、良さげなものを買い、部屋に戻ると、セレンは、起きていた。


「ま…マモル様。す…すみません、寝てしまって…」


「大丈夫だよ。そういえば、お腹減っていないかい?」


「だ…大丈夫です。」


 そう言うが、キュルルルルルル。

 可愛らしい音が、セレンのお腹からなる。


「~~~~~~~!!」


 みるみるうちに、顔が真っ赤になる。


「遠慮しなくていいよ、ほら。」


 袋から、りんごのようなものを取り出し、セレンに手渡す。


「す…すみません!!」


 ちびちびと食べ出す。

 俺もベッドに腰掛け、話の続きをする。


「買った俺が言うのも、あれだけどセレンは、今後どうしたい? セレンが希望するなら、もといた村まで連れていってもいいけど?」


 食べるのを辞め、少し考える。


「わ…私は、マモル様とい…一緒にいたいです。」


「そっか。でも、俺は冒険者だから、モンスターと戦うことになるかもしれないけど、大丈夫かい?」


「が…頑張ります。」


「そっか、分かった。なら、これからも宜しくね、セレン。」


「はい!!」


 その後、買ってきたものをセレンと一緒に食べ、明日の予定を話し合い、床についた。

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