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14話「ギルドを大きくしてみよう 後編」

―三十分後―


「はあ、やっぱりそうそういないか」


僕の周りにはもうあまりプレイヤーがいなかった。

いやー他のプレイヤーをぼっこぼっこにしてたら、いつの間にかもう周りにはプレイヤーはいなかった。

いや、まだ一人いたな。

女プレイヤーだ。髪は水色で眼の色は血よりも深いあか。おっとりしてて顔は美女というより美少女だ。体は華奢だが、吊るしている武器は自分の身長と同じくらいの大剣だ。


その子が自分の前に来た。その雰囲気は待っていた時のようにおっとりしているような雰囲気ではなく、研ぎ澄まされた刀のような静謐な美だ。目も心なしか剣呑な輝きを放っている。


僕は緩みかけていた心を再び元に戻した。

剣呑で相手を見据える王者の心を。


実際この雰囲気を出しているのは相手を見極める側面もあるんだけど、ぶっちゃけ、これが僕の戦闘の時のスタイルだったりする。


いやだってさ?考えてみてよ。稽古の時自分の前には熊みたいな大男(父さん)がいるんだよ?そして相手は虎よりも怖い雰囲気をだして(虎なんて実際見た事もないが)怖ーい、まなざしでこっちを見てるんだよ?そりゃこっちも剣呑な雰囲気出さないとこっちが殺されるって思っちゃうもん。で、いつの間にかこのスタイルになっちゃったってわけ。


そんな事を思考の片隅で考えていると目の前にウィンドウが表示された。


               ・決闘

             《nain》VS《 |ミカエラ》

      

              ・承認しますか


              《yes》  《no》


ミカエラさんって言うのね。

て言うかカタカナで入力できたの!?僕もそっちにすればよかったかなぁ。

………やりますか。

僕は迷わず《yes》を押した。


カウントダウンが始まる。

僕は左手にライフルを、右手にはコンバットナイフをだらんと下げている。

ミカエラさんは大剣を上段に構え僕をしっかりと見据えている。

素人じゃなさそうだ。

表示が0になった時、


僕達は互いに肉薄した。


僕がナイフで斬りかかる。


ミカエラさんはステップでよけた後、剣を振る。


僕は力を受流し、間合いを詰める。



それの応酬が続く。

気付けばみんなこの戦いを見ていた。剣戟の煌めきが飛び交うほど周りのプレイヤーは息をのむ。


片や、相手の攻撃をステップで舞うように華麗によけ、自分程の大きな得物を大胆に、正確に振り続ける水色の美少女。

片や、剣戟の素早さや、相手の得物より小さい得物ながら受流し相手へと瞬時に攻撃を仕掛ける銀の貴公子。


周りにいるプレイヤーはみんな彼らの戦いに心を奪われていた。


だが実際当事者はあんまりこの状況を快く思ってはいなかった。




どうしよっかな……?僕はミカエラさんと激しい剣戟を繰り広げながら思考の片隅でそんな事を考えていた。実際このままだとジリ貧だ。僕の一撃は細かい、本当に牽制用にしかならないような攻撃力しかないのに対し、ミカエラさんの大剣はクリティカルヒットすると一発で僕のHPを吹き飛ばすような攻撃力を秘めていると思われる。

このまま長期戦になると集中力が切れて負けるのは僕の方だ。


『トライアングルofウィンター』のギルドマスターとして負けるわけにはいかない!


こうなったら、仕掛けるしかない!


僕は大きくバックステップをし、ミカエラさんから間合いを取る。

だけど、ミカエラさんは間合いを詰め、大剣の射程に収めようと肉薄してくる。


僕は右回りでターンをしてターンの勢いのまま右足で回し蹴りを放つ。ミカエラさんは剣の腹を盾にしつつ、それでも懐に潜り込もうとする。

だけど剣の腹にガードされた右足を軸にして体勢を低くし足払いを仕掛ける。


だけど、こける直前ミカエラさんの拳が、僕の頭に突き刺さった。

吹き飛ばされるかと体を固めて、衝撃を受け止める。

足払いは当たりミカエラさんは拳を突いた姿勢のまま地面とキスしていた。我ながら悪い事をしたなと苦笑いしつつ、僕はミカエラさんの頭に銃口を突き付けた。


鶯流体術『ロッド

実は『薙刀』はこの体術の派生形だったりする。



ミカエラさんが最後に聞いた声は、



「合格です。ようこそ、『トライアングルofウィンター』へ」


そんな声が聞こえた瞬間、鼓膜が破けるほどの轟音が鳴り響いた。




うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!



ウィナ―表示が出た瞬間、聞こえたのは耳を劈くような歓声だった。


うるさいなぁと顔をしかめつつミカエラさんの所に行った。



ミカエラさんは僕を茫然と見つめていた。その様子に再び苦笑いをしつつ、僕はウィンドウを操作した。すると音もなくウィンドウがミカエラさんの目の前に出てきた。


今ミカエラさんのウィンドウにはギルド参加申請が出ているはずだ。

まだそのウィンドウを茫然とみているミカエラさんに話しかけた。


「これからよろしくね。『ミカエラ』」


僕は歓迎するように微笑んだ。

すると一瞬顔が歓喜に変わり、そして花のような笑顔を咲かせた。


「はいっ!よろしくお願いしますっ!」


彼女は鈴のような声を出し参加申請のokボタンを押した。

すると視界の端にウィンドウがでて、ミカエラが入団したことを告げていた。


「改めて、ようこそ。『トライアングルofウィンター』へ。ミカエラ」

せ、戦闘シーンは疲れる……。

お、お疲れ様様大統領~…。

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