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大阪擬人化BL~難波×梅田~  作者: 桐生桜


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6/8

【難波×梅田】06「近づいたら、また離れる気がして」

……夜10時過ぎ。居酒屋を出て、駅までの道を3人で歩く。


「今日はありがとな〜、梅谷くん。ほんま助かりました!」

「……ああ、別に」


 女の子は南に手を振って、改札の方へ消えていった。残された2人はなんとなく、歩くペースが合わない。


「なあ、なんか怒ってる?」


 唐突に南が聞いてくる。


「なんも怒ってへん」


 梅谷は前を見たまま、ぶっきらぼうに返す。でも、声のトーンと、歩き方と、雰囲気と、全部が『怒ってる』と叫んでいる。


「……ふーん」


 少しの沈黙。夜風が少し冷たい。


「ちなみに、さっきの子な」

「……」

「彼氏、おんで」

「……は?」


 梅谷がちらっと横を見る。


「言ってへんかったけど。俺とあきな、そういうのちゃうで。今も昔もな」

「ふぅん……」


 そう言ってから、また少し間を置いて、ふいに梅谷は顔を背けた。


「だからなんやねん」


 南が少しだけ、顔をのぞき込むようにして聞いてくる。


「気にしてるんかなぁと思ってな」

「……なんで俺が気にするねん」

「ま、そうやんな」


 また沈黙。でも、さっきよりも少し静かな。駅のホームに着いた頃には、電車の発車アナウンスが流れていた。


「じゃあ、またな」


 そう言って、南は軽く手を振る。


「……あぁ」


 梅谷も手をあげる。でもその瞬間、ふいに南が振り返った。


「梅谷」

「……なんや」

「俺な、お前のこと……わりと、大事やと思ってる」

「……」

「じゃあ、ほんまに。またな」


 梅谷が何かを言いかけたときには、もう南の姿は人混みに紛れていた。その夜、家に帰っても、梅谷の頭の中には南の声がずっと残っていた。


(……なんやねん、あいつ。そんなこと、軽く言うなや)


 でも、その一言に、少しだけ救われた気がしていた。


To be continued

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