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大阪擬人化BL  作者: 桐生桜
【難波×梅田】

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10/14

10「そんなこと言うなよ、なぁ」

 朝日が差し込む部屋で、梅谷はゆっくりとまぶたを開けた。喉の痛みも、体のだるさも、ずいぶんと軽くなっている。ぼんやりと天井を見つめながら体を起こすと、視界の端に人の気配。


 ……南が、ベッドの横で眠っていた。リビングのソファではなく、床にそのまま毛布をかぶって。無防備な寝顔を見て、梅谷は思わずふっと笑ってしまう。


「……風邪、うつるかもやのに」


 そのまま、そっと南の髪を撫でた。手のひらが、少しだけ震えていた。


「……ありがとな」


 その瞬間、南が目を覚ました。


「ん……あ、起きたん?  体調どないや?」

「……あぁ。おかげさまで、熱は下がったみたいや」


 そう答えながら、梅谷は気恥ずかしさをごまかすように目を逸らす。


「そら良かったわ」


 南が笑って、いつも通りの声でそう言った。梅谷は、少し躊躇ってから、ぽつりと口にする。


「南……ありがとう」


 小さなその言葉に、南はわずかに目を見開いたが、すぐに穏やかに微笑んだ。


「かまへんって。こういう時はお互い様やろ?」


 その声に、また心が揺れた。


(なんで、こんなふうに優しくされると、しんどくなるんやろう)


 着替えて出勤の準備をする梅谷の背中を、南はソファに座りながら見つめていた。


「なぁ、梅谷」

「……ん?」

「俺の気のせいかもしれんけど……なんでそんな、壁作るん?」


 一瞬、梅谷のボタンをとめる手が止まる。


「別に……作ってへん、けど」

「じゃあ、なんで、そんなふうに俺を遠ざけるん……?」


 沈黙が落ちた。梅谷は何も言い返さずに、ネクタイを結び終える。


 ……でも、心の中では、確かに何かが揺れていた。それが恋だと、まだはっきり自覚できないまま。


To be continued


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