【4話:決断】
「最近、サリとクズハ、ちょっとおかしくない?」
カノンはスタッフルームでミユと休憩している時、ふとその話題を切り出した。ミユは少し驚き、すぐに頷いた。
「私も感じてました。急に新人ばかりと仲良くしてる気がするんです。」
カノンは腕を組んで黙って考え込みながら、しばらく沈黙した後、ミユを見つめた。
「今、店がうまく回ってきてるよね。ヒナのイベントも大成功に終わったし。でも、サリとクズハはちょっと…おかしいと思う。」
ミユは眉をひそめて言った。
「それ、やっぱり派閥を作ろうとしてるんですかね?」
「その可能性が高い。」カノンは軽くため息をつきながら、言葉を続けた。「最近、二人とも新人キャストを引き込んで、店の悪口を吹き込んでる気がする。」
ミユは驚きながらも、うなずいた。
「私たちの目を盗んで、そんなことが起こってるんですね…でも、どうして今になってそんなことを?」
カノンは少し考え込み、ミユに静かに答えた。
「そこは分からないけど、今は店の安定が一番大事。もしサリとクズハが派閥を作って、キャスト同士の和を乱すようなことをしていたら、早めに手を打たないといけない。」
ミユはしばらく黙って考え込み、決意を固めたように頷いた。
「カノンさん、分かりました。私、ちょっと調べてみます。」
カノンはその言葉に安心したように微笑んだ。
「ありがとう。何かおかしいことがあったらすぐに教えてね。大事になる前に、私たちで対処しよう。」
ミユはしっかり頷き、カノンを見つめた。
「もちろんです。気をつけておきます。」
その後、カノンはミユがサリとクズハに気をつけて動く間、店内の状況を注視し続けた。もしも二人が本当に何かを始めようとしているのなら、できるだけ早く対処しなければならないと考えていた。店が再び軋み始めることは、絶対に許せなかった。
数日後、ミユはカノンにその兆しを報告した。サリとクズハが新人キャストたちを集めて、何かをそそのかしているようだったという。その行動は、カノンが予感していた通り、幹部の評価への不満から退職の扇動に発展していた。
「気づけて良かった。」カノンは低い声で呟きながら、ミユに指示を出す。
「明日、サリとクズハを事務所に呼んで。レナさんには私から話しとく。」
ミユはその言葉に頷いた。
翌日、カノンはレナに一連の報告をし、対策を仰いだ。
「もう無理だね、切ろう。そういう子はがんになる。」
レナは冷たく言った。カノンはレナが同意見だったことに安堵し、
「実は2人を呼ぶように言ってあるの。レナさんから話してくれる?」
と気まずそうな顔をした。
レナは笑いながら、
「カノンはやさしいね。わたしは平気、こういうの慣れてるし。」
と言うと、カノンは
「じゃお任せします。頼りにしてまーす。」
とおどけた感じで返した。




