【1話:ヒナのバースデーイベント】
何人か読んでくれてる人がいるみたいなので、続けてみようかなって思います。ただ前も言ったけど怒られたら止めます。
あとペース早すぎると疲れるので、一日1話程度の更新で行こうと思います。
ヒナはカフェの奥のテーブルに座り、スマホを手にしながら、にやりと笑った。指先が画面を素早く動かすたびに、頭の中でアイデアが湧き上がる。
「やっぱ、今年のバースデーイベントはもっとぶち上げるしかないよね。」
昨年のバースデーイベントは、そこそこの反響を得た。だが、ヒナ自身はどこか不満が残っていた。これでは物足りない。もっと目立ち、強烈な印象を残さなければならない。
「まあ、前回よりも絶対に客数入れたいはあるけど、レナさんがなんて言うかだな。」
ヒナは少しため息をついた。レナは社長としての立場がある一方、キャスト時代のプライドも強い。ヒナは現役時代のレナにライバル心を抱いているが、レナも少なからず意識しているはずだ。今回のイベントが成功するならば、いつかレナの過去の記録を超られてしまうかもしれない。そんな心情もあるだろう。
「でも、やるしかない。これを成功させれば、もっと注目されるし、店のためにもなる。」
ヒナは決意を固め、イベントの詳細を書き出していった。目の前の計画書には、特別なメニュー、衣装、装飾のアイデア、キャストたちの役割などがびっしりと書き込まれていた。すべてを新しく、少しだけ突飛にしたい。昨年のイベントの枠を超え、店全体を巻き込むような演出にするつもりだった。
その夜、ヒナはレナのオフィスに足を運んだ。ドアをノックすると、レナが無表情で振り向く。
「どうしたの、ヒナ。」
「ちょっと相談したいことがあってさ。」
ヒナはレナの目をしっかりと見つめ、少しだけためらった。こんなことで気を使っていては意味がない。自分のやりたいことを堂々と言おう。
「今年のバースデーイベント、もっと大規模にしたいんだ。もっと目立つ演出にして、客層を広げられるようにしたい。」
レナは黙ってヒナを見つめていた。まるで、何かを試すような眼差しだ。
「イベントで売り上げを上げるって話は分かる。でも、あんまり派手すぎるのも…。」
ヒナはレナの言葉をさえぎるように話し始めた。
「レナさん、これこそ店のためだよ。目立つことが大事なんだから。前回よりもさらに盛り上げるし、客層も広げられるはずだよ。無駄な費用はかけないから、安心して。」
「本当に売り上げが上がると思ってるの?」
レナは目を細め、冷静にヒナを見つめる。
「もちろん。これを成功させれば、店全体の注目度が上がるし、新規の目も引ける。他の子のイベントにも影響あると思うよ。」
レナは少し黙ってから、ふっと肩をすくめた。
「分かったわ。でも、やりすぎないようにね。」
ヒナは心の中でガッツポーズをした。レナが承認した。これで、イベントは実現できる。だが、レナの反応には何かひっかかるものがあった。ヒナはそれが嫉妬から来るものじゃないかと、少しだけ感じていた。
「もちろん、やりすぎはしないよ。ちゃんと調整するから。予算だって、無駄なものには使わない。」
レナは無言で頷き、目を伏せた。少しだけの間を置いてから、冷静に言った。
「それじゃ、計画書見せて。」
ヒナはすぐに計画書を広げ、レナに見せる。レナはそれを一通り見終わると、ふっとため息をついた。
「…まあ、これならいいかもね。でも、売り上げが上がらなければ意味がない。いい?ヒナ。大事なのは結果よ。」
ヒナはニヤリと笑いながら、しっかりと頷いた。
「了解!必ず成功させてみせるから、期待してて。」
レナは言葉を返すことなく、ただ静かに視線を向けた。ヒナはその目を見て、何となくレナの本心を感じ取った。
「…私、絶対にお前を超えてやるから。」
ヒナの心の中で、静かな戦いが始まった。




