表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/42

【第19話:わからないままでも、一緒に進めるなら】

「ねぇ、ちょっと話していい?」


いつものようにMePの営業後。

店内の照明が落ちた後、リリがぽつんと2人に声をかけた。


ナコとルルは、いつも通りカウンターに並んで座っていて、

その間に、リリが少し距離を取って腰を下ろした。



---


「……私、ずっと“何言えばいいのかわかんない”ままで来てたんだ。」


唐突な切り出しに、2人が一瞬顔を見合わせた。


「りりちゃん?」


「ほんとは、偉そうにアドバイスとかしなきゃいけなかったんだろうけど、

 MePの方が売上とか順調だから……

 なんか、私が色々言うの、変じゃない?って思って。」


少し笑うような声。でも、目はまっすぐだった。



---


「でも、それでも来てたのは、

 ここが崩れたら、たぶん次の出店って話にならないから。

 “うまくいってる今”を、止めたくなかった。」


ひめが、口を開いた。


「……それ、プレッシャーじゃなかった?」


「めちゃくちゃあったよ。」


笑ったリリの声は、どこか軽くなっていた。



---


「でもね、もうちょっと踏み込んで話したいなって思ってる。

 指導とかじゃなくて、一緒にどうしたらいいか考える相手として。」


なみが、小さくうなずいた。


「うん。わたしたちも、“これでいいのかな”って思う日あって。

 責任者って言われても、正直まだピンときてない。」


「でも、誰かに“どうしたらいい?”って聞くのも違う気がしてて。」



---


沈黙のあと、リリが静かに言った。


「私も、自分のやるべきこと、まだ正解わかんない。

 でも、わかんないままでもいいから、

 一緒に“考える時間”だけは止めたくないなって。」



---


ルルが少し笑って、ナコの肩を軽くたたいた。


「巻き込まれたね、これは。」


「うん、がっつり。」


3人の笑い声が、暗い店内に少しだけ響いた。



---


答えはまだ出ていない。

でも、「一緒に悩める関係」になれたことが、

この日いちばんの前進だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ