【第14話:動き出したのは、誰かじゃない“自分”】
「昨日の投稿で映ってた子、いますか?」
お客さんのそんな一言に、店内の空気が一瞬ふわっと変わった。
誰かが見てる。
誰かが来てる。
“自分の行動”が、ちゃんと外とつながっている──
そんな手応えが、じわじわと幹部たちにも広がっていた。
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**リリ**は、相変わらず控えめで、テンションも変わらない。
でも、営業後にコソッとSNSを見返していた。
「いいね」がついた自分の写真を見て、
その夜は寝坊せずに来た。
「やる気があるなら、まず行動から。」
彼女なりに、それを体現し始めていた。
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**ミユ**は、すこしだけ髪型を変えた。
いつもの“ふわっとした感じ”はそのままに、
メイクがほんのり華やかになっていた。
「今日のミユ、かわいい」
そんな一言をキャストに言われて、目を伏せて笑った。
“ちゃんとやろうとしてる”って空気は、
言葉じゃなくても伝わる。
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**ナナ**は、シフト表に「振り返りコメント欄」をつけた。
そこには自分で書いたひと言が毎回並ぶ。
《今日のお客様:9名 深夜2時に一気に入店、対応遅れました》
《朝まで2名残り。目標まであと3人》
誰に言われたわけでもない。
でも、自分で「数える」ことを始めた。
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変わろうとしている姿は、誰よりもレナが見ていた。
「なんかさ、
みんなが“自分の場所”として店を動かし始めてる気がする。」
カノンにそう話すレナの表情は、以前よりずっと前を向いていた。
「わたしも……ちゃんと、社長やらなきゃって思えてきた。」
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変化のきっかけは、他人の行動かもしれない。
でも、それを“自分ごと”に変えるのは、自分だけだ。
誰かじゃない、
今、動き出してるのは──“私”たち。




