9-2 組織の計画
「ファルークは高等学校にいたとき、生徒会長をしてたんだよ。頭脳明晰で運動神経抜群の上、イケメンだから、すごい人気があったの」
「だろうな。男の俺でもすげえと思うんだから、女子から見たら、王子様くらい?」納得と大きく頷くと「まあ、そんな感じかな? 現に「風の貴族」トップの跡取りだし」
『ラル、いくら父親がトップでも、それは言いすぎだよ。俺はつい先日まで、土の牢に何年も閉じ込められて脱出できなかったんだから、ギャップがありすぎるだろう?』
「完璧な奴なんていないだろう? そこまで気にすることないよ」
『君に言われると、少し複雑な気分になるな』
「どうして?」
『今はまだ、同じサイドに立ってないから』
「ファルーク!」
『悪いな、ラル。こればかりは納得できないと変えられないんだ』
「……誰かとソックリなこと言ってる」隣のショウを見ると「俺か?」
『私もそう思った』エミアも頷くので『そうなのか?』隣の彼女のほうを向くファルーク。
『似た者同士ということで、話を元に戻そうか』「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵がショウに向かって「続きを話してくれないか?」
「組織の計画では、それぞれの国の領主の館で爆発を起こし、その隙に、それぞれが幽閉してるあなた方の仲間を救出し、館からは重要データをコピーして、持ち出すことになってるそうです」
『スッゲーッ! 一度に複数のミッションをこなすのかよ!』興奮してくるオルト。
『確かに、それでは慌てて戻らなければならないだろうね』感心して頷く「風の貴族」セカンドのホッフマイスター侯爵。
『では、複数のチームが同時に行動してるのか。ということは、かなり大きな組織ということになるな』分析する「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵が『それで、闇のジルタニスたちはどう動く計画なんだ?』
「もちろん、館を取り戻すために、残ってるそれぞれの配下たちを拘束し、地下の部屋に監禁する予定だそうです」
『館を奪還されたことを知った領主たちが、戻ってくるんじゃないか?』
「ルナノヴァから出てしまえば、再び入国することはできないでしょう。この国の軍隊が国境を封鎖するでしょうから」
『……なるほどな。ということは、すでに動きだしてるのか』
「そうですね」
『配下たちを拘束するのはいつなんだね?』「風の貴族」セカンドのホッフマイスター侯爵が聞くと「予定ではもう計画を実行してると思います」
『……そうか。その後はどうする予定なんだね?』
「オルト現領主を迎えるための、準備を始める予定です」
「俺か!」突然、名前が出てきて驚くので「もちろん、君の意思を尊重するけど、別の場所で養生してる君の父親にもコンタクトを取ってるから、その情報を聞くためにも、館に行くべきじゃないかと思うよ」
「俺の父親か……」
「もちろん、君の母親もホッとくわけにいかないから、これからどうするのか、家族で話し合わなければならないだろうね」
「……そうだよな」




