38-3 パーティ前の打合せ
「ティスは、ショウが気に入らないの?」突然、ラルがど直球に聞くので、一同ギョッとして黙りこむ。
「ショウが人間だから?」
『それは……』さすがのティスも、ラルからストレートに聞かれて言葉に詰まる。『いや、その……』
一番驚いたのは隣にいるショウ。エッ? という顔をして固まっている。
「私も最初はティスと同じだったから、あなたを責めることはしない。でも、彼が一緒にいてくれなかったら、私は今、ここに居られなかったし、みんなと話すことができなかった。そういう事実があることだけ、覚えててほしい」
『……ラルを、助けてくれたことには、感謝してる……』
『ティス』彼の言葉を聞いてホッとするジェシーが『本当に、そのことに関しては、みんなショウに感謝してます』
「俺は、みんなからお礼を言われたくてラルを助けてきたわけじゃない」
『わかってるよ。ただ、俺たち側からしたら、大事な仲間を助けてくれた、だから感謝したいということなんだ』説明するシルビア。
「それは、わかる」
「気に入らない?」悲しそうにラルが聞くので「一言も気に入らないと言ってないぞ」
「顔が言ってる」
「顔のどこら辺が言ってる?」ラルのほうに顔を向けると「ここ」ショウの眉間を指さす。
『コラッ! モニター越しにイチャつくな! 話しを戻すぞ! ティス! 今は個人の感情を出すな!』注意するシルビアが『次の報告は誰だ?』と聞くと「俺の番か?」ショウが返事をする。
『イチャつきはなしだぞ』
「羨ましい?」
『もう一度言ってみろ!』
「何度でも」
『ケンカなら買うぞ』
『ストップ!』止めるジェシー。『空気が重くなると冗談に走るのはやめてください。せっかくミーティングを開いてるんですから、主題から外れないようにしてください』
「すみません」
『悪かったよ。ただ、緊張しすぎはどうかと思うぞ。余裕がないと、重要なことを見落とす可能性が上がるからな』
『それは、確かにそうですね』
『事の発端は俺だ。悪かった』ティスが頭を下げるので『ラルさんも言ってましたけど、誰もあなたを責めてません。でも、ショウは大事な仲間なんです。そのことは忘れないでください』とジェシーが言うと『ああ、わかってる』
「俺も、このことでティスを責めるつもりはないよ。憤りを感じるのは当然だと理解してるから。でも、種族間は争うことじゃなく、共存することだと思ってる」
『僕たちも、そのことはわかってるんですよ』苦しそうに言うジェシー。『でも……わだかまりを解くには時間が掛かりますから』
「そうだよな」
『だからこそ、ショウには一緒にいてほしいと思ってます』ハッキリと言いきるジェシー。『わだかまりを解くには、相手を知る必要がありますから』
「俺もそう思うから、このまま君たちと一緒に行動したいと思ってる」
『俺はとっくに仲間だと思ってたが』シルビアだけ、理解度が違っていたらしい。
『シルビアにとって、ショウは従妹の義弟になるんだろう?』ティスが反論すると『そうだ』と返事をする。
『では、ミーティングに戻りますよ』ジェシーが話を切ると『ショウ。報告をお願いします』と声を掛ける。




