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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第八章 ルナノヴァ国の秘密
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38-2 パーティ前の打合せ

 

「まあ、いきなり出た話じゃないとは思ってたけど、前領主を拉致してたとなると、問題が大きくなるな」思考が回転しはじめるショウ。「前領主は入院してるという情報は掴んでるけど、まだ入院してるのか?」


『組織の調査では、遠くの療養施設に入れられた、と言ったほうがいいだろうな。現地に行って、本人だと確認したそうだ』シルビアが補足するので「これから、もう少し調査が必要になるかもしれないな」


(予測装置のスイッチ オン!)隣に座っているラルが、考えはじめるショウの横顔を見て、言いたくなる衝動を抑える。(言ったら、マンゴープリンとかわいくなれる服がなくなる……)



『次は俺だな』シルビアがコーヒーを飲んで話しはじめる。『さっきティスが言ったとおり、ホテル内のエリアを半分に分けてそれぞれ情報を集めにいったんだが、奴らは観葉植物の陰に隠れて話をするのが好きなようで、面白い話を拾ってきた』


「シルビア。また盗聴器を仕掛けたのか?」ショウがピンときて聞くと『怪しまれず、貴重な情報がとれる方法だろう?』


「一般的に、それは犯罪になるんだよ」ラルが突っ込むが「でも、今は黙認する」

『オッ、使用許可が出たぞ』


「あくまでも、悪事を止めるための情報収集のときだけだからね」

『心得ております』

「よろしい。で、どんな情報を取ってきたの?」


『それが……四要素の貴族か準貴族の誰かが、ルナノヴァの領主の屋敷に(とら)われてるらしい』


『誰が!』大声を出すティス。彼は行方不明の双子の弟、ティシャを捜しているので、もしやと思ったのだろう。


『そこまでは話に出なかったが、誰かいることは確かだ。問題は、なぜ領主の館にいるのかということだ』


『この大陸の領主は別邸に幽閉してることが多いですから、変といえば変ですね』ジェシーも意外な情報に違和感を感じる。


 しかし、「俺たちが潰したケッドマンは、自分の屋敷に監禁してたぞ」ショウが口を挟む。「お陰で救出の準備が早くできたけど」


『では、他にも幽閉されてる仲間がいるかもしれませんね』


『そこでだ。俺たち調査員は屋敷に潜り込んでる調査員たちと合流して、幽閉されてるのか監禁されてるのかわからないが、こちらの捜査を行う予定だ』


「組織の調査員たちは、幽閉されてる者がいることは知ってるのか?」ショウが聞くと『ああ、話した。なんといっても、数名の調査員が屋敷に潜り込んでるからな。なにかそれらしい部屋や、世話係もいると思うから、探りを入れてもらうよう連絡してもらった』


『パーティの時間は二時間と決まってますから、その間で救出しないといけないので、協力者は多いほうがいいですからね』


 ジェシーは了承したが『あまり多くの人間が(から)むと、寝返ったときが大変だぞ』ティスが水を差すので「組織の人間が裏切ると思ってるのか?」反論するショウ。「絶対とは言えないけど、アディが率いてる組織だ。その可能性はかなり低い」


『はいはい』


『ショウ。今はこのくらいで押さえてください。すみません』

「ジェシーが謝ることじゃないよ」


『そうだぞ。謝る必要ない』

『ティス!』


『弟が見つからないから少し苛立ってるんだ。気にするな』フォローするシルビア。


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