38-1 パーティ前の打合せ
その頃、前日に父親の行方を捜すフレンティーヌお嬢様と連絡を取り、ルナノヴァの領主主催パーティに出席することになったジェシーとティスは、同じように組織の調査員たちと出席するシルビアと、チャットで参加するラル、ショウと一緒に、お互い集めた情報を交換するための会議を、街中のホテルに泊まっているジェシーたちの部屋で開いていた。
シルビアが近くのカフェで買ってきたアイスコーヒーとストレートティを前に、テーブルを挟んでジェシーとティス・シルビアが座り、三名の顔が見えるようにジェシーのノートPCがテーブルに置かれ、モニターに並んで座っているラルとショウが映っている。
「早速だけどジェシー、お嬢様はこちらの提案を素直に聞いてくれたのか?」まず、気になっているショウが話しはじめると『はい。父君が見つかったら、ショウたちとお祝いしましょうと言ったら、即OKもらえました』
「なにを勝手なこと言ってんだよ!」
『今は交渉に時間を掛ける余裕がありませんから』
「それはわかるよ。わかるけどさ」
『多少の犠牲はやむを得ないと』
「そこが違うだろう!」
すると、クスクス笑うシルビアが『ショウ、心配するな。この先どう転ぶかわからないんだ。そもそも、最後までお嬢様たちが一緒にいるかなんてわからないんだから、気にするな』
宥めると「それはそうだけど……ちょっとあのタイプ、苦手なんだよな……」困った顔をするショウの左隣に座っているラルが顔色を伺っているので、お嬢様の話は深堀しないことにした。
『とにかく、今夜どんな発表があるか、俺たちそれぞれパーティの様子を撮ってくるから、あとでまたミーティングを開こう。
パーティは午後七時から九時の予定だから、午後十時からになるか。少し遅いが、大丈夫か?』
ティスが提案すると、「ラルは寝る時間だから、無理だな?」と聞くと「寝る」頷くので『わかった。あとでショウから話を聞いてくれ』苦笑するシルビア。
「それじゃあ、今までわかったことを順番に報告していこうか」ジェシーが話を進めると『じゃあ、俺からいいか?』ティスが手を上げる。
『昨日、お嬢様たちが泊まってるホテルでシルビアと聞き取りに回ったんだけど、いくつか面白い情報を拾った』
ポケットから携帯を出し、メモ欄を出すと『今回、ルナノヴァ国を統治すると言ってる領主の一人、北側にあるウルサ マーニャ国の領主コルチネスについて。
元からいい噂は聞かない、いけ好かない奴だが、もう一人の領主、南側のメルクリオス国のナスコットと、だいぶ前からルナノヴァの領主に三人で三国を統治しないかと持ち掛けてたらしい。
しかし、ルナノヴァの前領主が首を縦に振らなかったので、領主の座から引きずり降ろしてルナノヴァ国を乗っ取ったんじゃないかと、数名がヒソヒソ話してるのを聞いたから、信ぴょう性は高いと思う』




