37-3 意外な場所
食後、お茶を飲みながら、これからの行動について三名で話しはじめた。
『これから洞窟に行って一通り中を調べたいのですが、なにか予定はありますか?』ジュリアスがオルトに聞くと「いや、ファルークを土の檻から出せたから、食事を運ぶ必要がなくなったし、ハーブ園に行ってミントも摘んできたから」
『では、一緒に洞窟まで行ってもらえますか?』
「いいよ。エミア様は、ファルークに付いててくれるんですよね?」
『もちろん』と言って、持っているティースプーンで目の前にあるマグカップを一回たたく。
一回たたくとイエスで、二回たたくとノーという意味。
オルトの提案で始めたが、意外と会話がスムーズに進む。
『この方法は思いつきませんでした』感心するジュリアス。
「ジュリアスはエミア様と直接話ができるから、思いつかなくて当然だよ」オルトにとって、宙に浮くティースプーンがマグカップをたたく光景が新鮮だが、「エミア様の姿が見えないのが残念だけどね」と苦笑する。
『あとのことは調査後に決まりますが、次の物資補給がある三日後までは動けないので、それまでに出るための準備を進めておきましょう』
「少しずつ荷物をまとめるよ」
『そういえば、ラルたちが心配してるわよね? 戻るはずだった予定日が過ぎてしまったのに、連絡がとれないんだから』心配するエミア。『ファルークが見つかったこと、早く伝えたい』
『そうですね。ジェシーたちも心配してたので、早く連絡したいです。きっと、向こうで連絡を取り合ってると思いますよ』
「ジェシーたちにも? 誰? 仲間?」オルトが聞くので『ここから出たら説明します』
「ジュリアスたちの仲間なんだろう?」
『まあ、そんな感じです』
「……まだ俺を疑ってんのか?」悲しそうに肩を落とすので『ジュリアス』エミアが注意する。『彼はファルークの恩人よ』
『……わかってます』
「なに? エミア様がなにか言われたんですか?」
ジュリアスが黙っているとエミアが突くので『ファルークの恩人を信じろと、言われました』
「エミア様、ありがとうございます」満面の笑みのオルトが真面目な顔をすると「ここから出たら、エミア様たちの期待に副えるよう、全力で協力しますよ。親友のファルークのためにも」
『ありがとう』と言ってマグカップを一回たたく。
お茶を飲み終わると、オルトがリビングの棚の下の引き出しを引っぱりだしているので『なにをしてるんですか?』後ろから覗くジュリアスが聞く。
「このビデオカメラのテープを前に頼んだことを思い出してさ。あれがあれば長時間撮影できるだろう?」ゴソゴソと引き出しを調べていき、未開封のテープを見つけるとセットして、録画できることを確認すると「じゃあ行こうか」バッグを背負う。




